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恋のような 愛のような

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山崎貴之

山崎貴之

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May 30, 2006
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カテゴリ:だから
 芝生の庭は、水まきのあとの、緑の匂いが増した、あなたは、灯篭に火をいれて、浴衣のまま、白いデッキチェアに座ると、ヨット用のランプにも、火を点した。

 初夏のような、涼しげな、夕暮れの気配は消えて、ながくなった日も、ようやく夜になって、その強さを増した、下弦の鋭利な月が、おぼろに、仄やかに、あざやかなムーンカラーで、その眺めを、眺めている。

 猫の”ねね”は、灯篭の近くの庭石の上の冷たい感触を楽しんでいる。

 バーべキューの終わった、人のいなくなった庭で、炭火の残り火に、銀杏を焼いている匂いが、あたりにたちこめる。

「銀杏の焼けるにおいって、すこしHよね」
「はあ?」
「ねえ、貴之、その、はあ?ってやめなさいよ」
「はあ?」

 貴之はしたたか、安いワインで悪酔いした目つきで、今夜はどこに飲みにいこうか、考えている。どうでもいい話ばかりの、縁故な宴会でつかれてしまったのだろうか、神経が高ぶっている。悪戯な日常の、堆積していく見知らぬ疲労が、貴之を蝕んでいる。

「月はなんでもしってるんでしょ」
「そうよ、あなたが飲みにいくことも、お見通しなのよ」
「ねえ、きみ、ぼくのどこがすきなの?」
「わたしが、すきっていったことあったっけ」
「はあ?」
「あなたがいわせてるのよ」

 貴之は月をみて、残りのワインを飲み干すと席を立った。

「シャワーを浴びてくるから、車でおくってくれ」
「お月様の言う通りだわ」
「仕事だ」

 無意味な会話の日常というもののうざさに、つかれはてていた。この女とこの人生をこのまま生きていくことを、すこし無理のある思念にとらわれている。

「おくるけど、わたし帰るわ」
「うん」
「酔ってこないでね」
「うん」
「ねえ わたしのどこが好きなの?」
「いまそのことを考えてた、あのころはそんなこと聞かなかったね」
「だって、あなた私をだきしめて、そんなこと聞く時間なかったわ」

 ふと庭石を見ると”ねね”がいなくなっている。彼女も今夜は忙しいようだ。



 深夜に彼女に電話をすると、留守番電話になっていた。

 空を見上げると、月は西にかたぶいて、やさしい光を落としている。

 
 





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Last updated  May 30, 2006 08:28:33 PM
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losartan cozaar@ Hi:) Test, just a test q1 I need to say, as very much as I enjoy…
山崎貴之@ Re[1]:22万アクセス(05/26) 姫。さん >おめでとうございます。 > …
姫。@ Re:22万アクセス(05/26) おめでとうございます。 もっとたくさ…
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山崎貴之@ Re[1]:雑談(04/10) 午後に雨はあがりました。
夏川結女花。@ Re:雑談(04/10) 雨が降っています。  

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