テーマ:☆詩を書きましょう☆(8533)
カテゴリ:だから
「ゆうこいます?」
「だれですか」 「ゆうこだいして、電話に」 「何番におかけですか」 「なにねごというてはるん、寝言は寝てからにして」 「寝てましたけど、いまは起きてますよ」 「ゆうこいるんでしょ」 「電話番後まちがえてるとおもうんですが、そちらどちらからお掛けですか」 「こちら京都ですが、寝言は寝てからしにて」 「なにか飲んでます?」 時計をみると午前三時半だった。 「のんでますけど」 「つまりゆうこをよびだせばいいんですね」 「そうやけど、はやくだして」 「いえ、ここにはゆうこさんはいませんよ」 「だから、寝言は寝てからにして」 そういった堂々巡りの、どこかのよっぱらいの娘と、深夜に会話をした。 彼女はおそらくさみしくて、だれでもよかったのかもしれない。 なだめすかすように、電話をおくと、まどのそとは夜があけようとしていた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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