テーマ:☆小説をかきましょう☆(102)
カテゴリ:だから
「つぎのかた、どうそ」
貴之助教授は、ずれためがねをおしあげて、そういった。 そこに美少女の面影のある女性がすわった。 「どうしました?」 「どうやら、恋をしてしまったようです」 「それは担当医である、内科医のわたしがきめます」 神経質な貴之助教授は、カルテを書くクロスボールペンをとめて、言った。 「で、症状は?」 「おなかがいたいんです」 「はあ?ふつう胸がいたむのですがねえ」 「そうなんですか」 「そうですねえ、なんか、この、あいたくなるんですよ、そして、なんかこう胸がちくちくするかんじなんです」 「重症ですね」 「はい、朝に、昼に、夕に、思い出すたびに胸がちくちくするんです」 「上着を脱いで、みせてごらんなさい」 「ここでですか?」 ちらと、担当看護士のゆうこを、助教授は見た。 「どれとれ」 「はい」 「ああ、これは純愛系の循環器系ですねえ、ちょっと聴診器をかしなさい」 「ええ、つめたくしないでね」 「だいじょうぶですよ、、。」 。。。 「あのう、、先生」 看護士のゆうこが声をかけた。 「なんですか」 「そろそろ診察を」 「いま、やってもらってます」 「じゃなくてぇ~」 「重症です、胸がちくちくから、どきどきにかわっています、潜伏期を終えてまもなく、発症して、うまれます」 「うまれる?何が?」 「愛にきまってるじゃないですか」 。。。 「あ、そうか」 助教授は、愛のない毎日に辟易していた。愛の生活を思うと、教授はこういった。 「で、だれに恋してるんですか」 「それは担当医であるわたしが決めることです」 元美少女の女性はそういった。 「あなたはだれですか」 「わたしは あなたの 恋の相手です」 「はあ?」 貴之助教授は、ずれためがねをなおすのもわすれ、診察台で、ワイシャツのボタンをとめながら、これは夢にちがいない、思った。 つづく(かもしれません) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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