テーマ:☆詩を書きましょう☆(8531)
カテゴリ:だから
「では、作業がおわるまで、出かけてるよ」
そのイブの朝、僕はマンションの近くの終夜営業のレストランに、出かけた。そして元妻は転居先を知らせずに、出て行った。 部屋に帰ると、がらんとしていた。 テーブルのメモに、「猫をよろしく」と書いて、缶詰が置いてあった。 猫は寝室に眠っていた、何も知らないで。 妻のあたらしい人生には、愛していた猫はいらないのかと思うと、別れたことに、後悔することは、ないだろうという印象を持った。 クリスマスは、その猫と、ふたりきりで過ごした。 僕たちはしばらく、そのマンションにくらした。 その雪のやけに多かったその冬のクリスマス以来、僕はどちらかといえば、クリスマスは嫌いになっていたはずだった、きみと出会うまでは。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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