カテゴリ:だから
あなたのボルボは、雨の金閣寺を後にして、朱雀大通りを疾走していく。 瞳を閉じると、あの金色の楼閣の、残照は眼前にその存在を、目の当たりにしたままで、助手席のわたしは、圧倒されたままに、取り憑かれたように、アクセルを吹かしている、あなたの獣の気配を感じて、おびえる気分は、なだめあうように、肌を重ねる前の、強いアルコールを必要としている。 雨の金色は、二人の愛の脆さや、危うさと裏腹の、圧倒的な永遠を意味していた現実として、輝きを放ち続けている。 所詮百年にもみたない、この愛の、真実や、誠意などといった、もどかしく、勇み足な日常で、あえいでいる二人の、確固ないいかげんさを、その風景は、反転して存在している。 しかしながら、その荒々しいハンドルを握る、強くはかない腕で、すぐにでも抱いてほしいと、そう感じながらも、その瞳の奥の金色の風景にさいなまれている、あいかわらず、祇園は豪雨のままなのに。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Feb 21, 2007 08:45:41 PM
コメント(0) | コメントを書く |
|