カテゴリ:だから
祐介は就職をせず、ベンチャー企業を立ち上げたまま、大学院にいってしまったので、お婿にする対象からはずした。
万一学者になっても、私の両親は反対するだろう。 彼は実家からの支援でバイトもせずに、烏丸のマンションで、優雅な大学生活を過ごした、この私を愛していないのは上記の理由で明白だった。 彼は銀行にはいるべきだったのだ。私のことわりもなく、自分の人生をきりひらいていくならば、それはそれでいい。 所詮学生の恋愛ごっこだったのだ。 大学二年の春がきていた。 私はもうすこし大人の男と恋愛する必要があると思ったので、父のロータリークラブの慈善パーテーや、社会人のコンパにでも顔をだす必要にせまられていた。 私は容姿とはうらはらに、古風な京女だったが、祐介のために操をたてる必要はもうなくなっていたし、純潔をまもって婚姻する幻想も、なにかしらばかばかしく思えてきた。 正確にいうと恋愛なるものの限界に気付いていたので、社会的な地位のある男の妻という位置にだけ、焦点をしぼって、交友関係をみなおそうと、思った。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Mar 2, 2007 03:27:52 PM
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