テーマ:小説「浴室」(5)
カテゴリ:小説「浴室」
だから 僕は浴室で読書をすることになった。
湯船で読書をする僕はときおり本を浴槽に落とした。 無残に干からびたような書籍がすくなからず本棚にある。 だからといって僕が読書家であるかというとそうでもない。 作家は人の本など読まない。読む時間があれば書いているし、僕は自分の書いたものすら読む機会があまりなく、ときおり読むとその凄さに感動してしまうのであった。 そのように 浴室にいて本来なすべきことを放擲して、読書にいそしむのは、気を紛らわすためである。 しかし どうしたものか 古ならば 湯女があらわれ、奉仕を受けているだけでいいのではないだろうか。 「湯女か」 僕は湯船をでて、その職業をしらべてみることにした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
May 26, 2007 10:30:56 AM
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