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知人のCGアーチストからの紹介で、深夜のヒルトンの地下の中華料理屋で、その男にあった。 「お仕事のお噂はおききしております」 「OFFERですか」 「そうです、あなたを引き抜きたいのです」 「条件は」 「事業部長の椅子と現在の二倍の報酬と無制限の経費を用意しています」 「ミッションは」 「本です」 「ブックコマースですか」 「そうです」 「広告費は」 「3000万まで」 「そうですか、出版取次は?」 「業界三位クラスに協力をとりつけました」 「そうですか、わかりました、会社を退職するまで3か月お待ちください」 「わかりました」
CGアーチストはなぜこの話をもってきたのだろうと考えた。27歳にしては、まあまあな引き抜きだった。その半年後、この会社はベンチャー企業の雄として、東京都に認知された、投資組合の投資が始まると、都市銀行はロビーに行列して、預金をほしがった。 アマゾンが日本に進出する10年前のことだった。
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