カテゴリ:だから
僕は酔っていた。
「ここどこ?」 「骨董通りのはずれ」 「そう、いいソファだね」 「うん気に入るとおもった」 「こういうところというか、青山はきたことないな夜に」 「貴之は銀座と六本木しかいかないんだから」 「そんなことない、こないだ田町で飲んだ、なぜか太田区久が原のお嬢さまが、バイトしてた、なんで学生生活にお金がいるんだろう」 「まあ、それぞれでしょ」 僕たちはJAZZが流れるおとなの雰囲気にテキーラなんかあおっていた。 「で、さあ、なんで、僕たちふたりきりなの?」 「わたしじゃいやってこと?かえっていい?」 「そうじゃなくて、六本木の騒ぎから、どうやってここにきたの?」 「わたしがあなたを担いでたくしーにのったのよ、覚えてないの?」 「うん」 彼女は身長170超えてたから、僕をかるがると担ぎ上げたにちがいない。 「誘拐じゃん」 「そうだよ、ご不満?」 「まあ、まあまあだあな」 「酔っ払いじゃん」 「ま そんな夜もあるさ」 お店のマネージャーが挨拶に来た。 僕は上客の一部にみなされたらしい。 彼女は綺麗だった。が、ひかるさんと僕のことを気にしている。 彼女は20歳で、ひかるさんは元女優で24位にしかみえないが、大台だった。 いつか三人でカラオケしたときも、僕はみだれていた、ひかるさんとキスをして、 彼女とキスをして、抱しめて、抱しめられて、テキーラグラスがどんどん空いて。 三人でいったいなにをしていたのだろう。そういった二次会には三人以上女の子がいないと危険だった。 彼女がから揚げを食べていると、押し倒されたひかるさんのゆたかな胸元に貴之はむしゃぶっている。 「なにやってんの!」 こいつらほっとくとしでかす!。彼女がおもうまもなく、今度は彼女がソファに押倒された、スカートをたくし上げられえて、貴之がおおいかぶさってきた。 「おっもいよ」SOSをひかるさんにながすと彼女はテキーラのグラスをピンクの口紅の唇で舐めている。 「いいかんじだね、ここ」 「そうでっしょ」 「だれときてんだか」 「自転車の散歩コースなのよ、夜はあまりきたことないの」 「そか」 深夜3時くらいだろうか、僕は彼女つまりじゅんを甘やかしていた。 はじめての食事はなくなったANAのローズルームでフレンチだったし、 だから僕は彼女が欲しかった。美しくRQやモデルの誘いもあるが、 全部ことわっていたが、べつに僕のためではない。 つまり今夜はなにかしら重いはなしが始まりそうだった。 「わたし、実家に帰る」 「秋田だっけ、」 「青森!!」 「お見合いでもするの」 「おとうさんが車かってっくれるって約束した、介護の学校にいく、そして介護関係の仕事をする」 「そか、おめでとう」 「え!止めないの?さみしがってよ、もうあえなくなるのよ」 「って、秋田でしょ」 「青森!!」 「じゃさよならのキスをして」 「いいわ」 そのキスは長い甘いくらくらするキスだった。 記憶はそこまでだ。 彼女は東京から消えた。地方の女性の東京単身生活は平均2.3年 約3回恋愛してふつうは平均2名の男性と性的交渉をもつが、東京で婚姻相手が入手困難な現実に気付くと、純愛をして、田舎にかえることになる。貴之の携帯の地方のお嬢さんで帰郷後連絡のあるケースはほとんどなく、例外なく彼女も音信普通になってしまうのだろう。はげしいキスをされながら貴之はそんなことをテキーラで頭をくらくらさせながらも冷静に考えていた。 そしてあのローズルームでムニエルを食べていた19歳の彼女の白いジャケットをおもいだしながら気が遠くなっていくのを感じた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Jun 17, 2007 11:07:48 AM
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