カテゴリ:だから
「かえらないで」
不意にきみらしくない言葉をきいた。 ぼくたちはこのままこうやって、くらしていくのがいいのだろうか。 「わたしにはあなたが必要なの、そばにいてほしいの」 たじろぎもせず、真摯なことはがひろがっていく。 すべてすてて、この時に、すべてをゆだねていくのだろうか。 「わたしがあなたの最後の女になるわ」 サイゴの? それはどういう意味かわからないまま、こうして今夜もそこにぼくたちはいるのだった、それはぼくたちの居心地のいい場所で、なんの不自由もかんじない、ただふたりいる、それだけの場所だった筈だ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
|
|