今日は日本うつ病学会理事長の野村総一郎さんの講演会へ行ってきました。基本的な講演内容はご本人自らおっしゃっていたように,テレビ出演時に話したことや著書で書かれていることの復習でした。野村総一郎さんが出演しているテレビと著書を全部知っている方にとっては,内容的には目新しいものはないと思います。でもまぁ,患者とその家族のような一般の人で全部知っている方は極少数だと思いますが。
講演の後に野村総一郎さんが来場者の質問に答えるという時間があったのですが,質問内容には私も気になることがいくつかありました。認知療法のことです。認知療法はアメリカで開発された行動療法ですが,アメリカ的思想というか欧米的思想が背景にあるため,患者自身の力で認知の歪みに「立ち向かう」という姿勢が求められるのだそうです。野村さんの考えではこの姿勢は日本人には向いていないんじゃないか,とのことでした。日本の風土には「甘え」の構造のようなものがあるからだそうです。
私は認知行動療法の本を二冊買いました。二冊の著者は同じ人なんですが,一冊は患者向け,もう一冊は治療者向けの本です。最初に私は患者向けの本を読んだのですが,読後の印象は,認知行動療法は面倒臭いなぁ,というものでした。なので,二冊目の治療者向けの本は手付かずの状態です。二冊とも押し入れにしまってありますが,このままずーっと押し入れの中で埃をかぶっているんだろうなぁ。
野村総一郎さんが最近出した本も講演会場で買ってきました。野村さんのサインをもらってきましたよ。この本は読売新聞に連載されている「人生案内」で野村さんが担当したものの中から選んで本にしたものです。
「人生案内」はインターネットでも見れます(この文章をクリック!)。回答者は寄せられた質問内容によって変わります。その日の読売新聞の朝刊に掲載された内容がその日の午前中にアップロードされます。
人生案内もつれた心ほぐします