今から40年前に発表された論考をまとめた本『
日本野生動物記』(1973年 第3版)を読み終わりました。日本の野生ウサギのことも書いてありますので紹介します。日本にいる野生ウサギは,北海道のエゾナキウサギとエゾユキウサギ,本州のトウホクノウサギとキュウシュウノウサギ,佐渡島のサドノウサギ,隠岐島のオキノウサギ,そして,奄美大島と徳之島のアマミノクロウサギです。
盲腸糞のことも書かれているんですが,144ページに東京農業大学畜産学科でカイウサギ(ペットのウサギもカイウサギです)で実験した結果では,普通のコロコロした糞の粗タンパク含有率が17%なのに対して盲腸糞は29%もあるんだそうです。それと盲腸糞って見た目に艶がありますが,あれはビタミンB
12を多量に含んだ被膜でできているんだそうです。実験では,カイウサギに首輪を付けて盲腸糞を食べられないようにしたら,だんだん貧血症状を起すようになり,約1ヶ月で死亡してしまったそうです。これは40年以上前に行われた実験です。現在売られているウサギの飼育書にも盲腸糞の重要性は書かれていますが,盲腸糞を食べないとどうなるかまでは書かれていないので,食べないとどうなるか知りませんでしたが,この本を読んでわかりました。盲腸糞って,大事ですよお。
あっ,それからこの本には
盲腸糞のことを「
粘膜糞」,別名「
被膜糞」(143ページ)と書かれています。うさぎの飼育書の『
うさぎと一生暮らす本 - お迎えから介護まで…』(2009年)の29ページには「
盲腸糞」,『
うさぎ - 長く、楽しく暮らすための本』(2009年)の93ページでは「
盲腸便」と書かれています。生物学用語では「粘膜糞」または「被膜糞」が正式用語なのかなあ。この本は1973年の出版で,それから37年も経っているので用語が名称変更されているかもしれないしなあ。現在の生物学上の名称は何て言うんだろう
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