にっき
どんな言葉に換えたなら利己的な願望を正当化できるだろうとうとういろんなことが分からなくなってしまって今のわたしは、客観的に、すごくかわいそうだきっと、こんなのは序章にすぎなくてこれからもっと、実感させられるこんなことのためじゃなかった免罪符は、もっと有効に使われるはずだったふれあいたかったわけじゃない愛されたかったわけじゃないもう一度、なんて、望んでいたわけじゃないただ、あなたとの縁が切れるのが怖かったときどきでいい生きていること、幸せなことを知らせてくれるだけでよかった本当に、それだけでよかったわたしたちは、別々に幸せになるしかなかったから過ちを正すことは不可能だと知ったからそれならせめて、まったくの他人にはならないように、そのための免罪符だったのにとうとう、まったくの他人になってしまったまったくの他人になったということは一緒に過ごした日々を全て失くしたということに等しい展望台も、自転車も、待ち合わせも、モンブランも、白いシャツも、ヘッドフォンも、お弁当も、エレベーターも、なにもかもなにもかも、忘却して、そして最後には、はじめからなかったことにしなければならない途方もない作業それでも、わたしの日々は幸せで満ち足りていることに変わりはなくて、そのギャップが怖い記憶の世界のわたしと、現在のわたしは、まるで別人のようだきっと本当は幸せなんて似合わないわたしだけれど、それを享受できる偶然に感謝しなければならないけど、ほんとうのわたしはきっと、今はずっと泣いていたい気分だ泣いて、そして誰とも関わらずに生きるか、今すぐ死ぬかを選びたい気分だ忘却のままに、大切なことのそばを素通りしていることが、悲しい