中国は、56の民族が共存している広大な国。
中国出張には、長い移動時間がつきもの。
車中、いろいろな話を聞いて、この国の事を知る。
時折、寄り道してもらい、話に聞いたその光景を
実際に見せてもらう時もある。
漢民族のお墓の話。
生前から墓石を作り上げ、そこに自分の名前を彫ってしまうらしい。
生きている人の名前は、黒く塗り、
亡くなった人の名前は、赤く塗るらしい。
漢民族は、生前に自分が埋葬される墓を見て安心する。
でも、これは、漢民族のやり方に過ぎない。
西方の新疆ウイグル自治区、タクラマカン砂漠の北の街、
西遊記の舞台の1つ、そこで私が実際に見たお墓・・・
イスラム教徒が主体のウイグル族のお墓の光景は、
漢民族のお墓とは全く違っていた。
ウイグル族のお墓は、砂と土で出来ていた。
そして、誰のお墓なのか・・・、名前など見当たらなかった。
雨と風で崩れてしまうようなお墓。
実際に崩れているお墓が沢山あった。
それでも、
そこに埋葬されているのは、この地の名士たちらしい。
崩れた墓の前で・・・、雨と風で崩れゆく故人の墓の前に立ち
愛した人をどう偲ぶのだろうか・・・。