まずはじめに ブルーがいる。
次に ホワイトがいて、それから ブラックがいて、
そもそもの はじまりの前には ブラウンがいる。
ブラウンが ブルーに仕事を教え、こつを伝授し、
ブラウンが 年老いたとき、ブルーがあとを継いだのだ。
物語はそのようにしてはじまる。
舞台はニューヨーク、時代は現代、この二点は最後まで変わらない。
ブルーは 毎日事務所へ行き、デスクの前に座って、
何かが起きるのを待つ。
長い間 何も起こらない。
やがて ホワイトという名の男がドアを開けて入ってくる。
物語は そのようにしてはじまる。
仕事は 極めて簡単に思える。ホワイトは ブルーに こう依頼する。
ブラックという名の男を見張り、必要がなくなるまで続けてくれ、と。
ポール・オースターの小説『 幽霊たち 』 (柴田元幸 訳)より、
冒頭文そのまま引用
ポール・オースター(Wikipedia)
80年代後半
アイデンティティや生きる意味の探求をテーマにした小説が
いろいろ書かれて出版されていた。
これもそんな中の1つと言っていいと思う
アントニオ・タブッキの小説『 インド夜想曲 』
その映画化。
当時は、
アイデンティティや生きる意味の探求をテーマにした本や映画を
いろいろ読んだり、観たりしたけど・・・、
そんな事よりも、
生きる事の楽しみ方を早く見つけた方が ずっといい (笑)