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2005年10月26日
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カテゴリ:家族
日記に書こうかしばらく迷っていたこと。
でもこの仕事を始めたきっかけでもあるし、自分の中で一回整理したいので書くことに。

私の家族
 父(自営業)・母・兄(既婚)・姉(既婚)・私

2002年2月上旬 母入院
 当時結婚していた私は実家に居候中(平たく言えば別居状態)
 兄の引越しを手伝いに行っていた私は母の入院で呼び戻された。
 母は年が明けてから微熱が続いていて、近々大学病院で診てもらう予定だった。
 設備などの問題で2日間で3つの病院を転々と入退院した。

 3つ目の病院での入院が決まった。
 そのときには黄疸も出ていて、腎臓機能も低下。
 
 入院しても原因が分からず、検査検査の毎日。
 病状はどんどん悪くなっていき、黄疸もひどくなり腹水も溜まり始めた。
 鼻血などの出血も。(出血は『DIC』という症状らしい)
 転院も考えられたが、設備の問題で受け入れてもらうのが難しいとのこと。
 本人には幻覚もみえていたらしい。


 そんなある日いつものように病院に行くと母がぽつっと言った。
 
 「足が動かないんだけど・・・」

 正直わけが分からなかった。
 先生の説明によるとそのDICという症状で、脊髄の中で出血して神経を圧迫しているらしい。
 普通なら緊急手術らしいが、腹水が溜まって呼吸も苦しい状態でうつ伏せにすることができず、
 また出血しやすい状態でメスを入れるのは危険だということでそのまま様子を見ることになった。


その後春が来る頃には病状は安定、回復に向かった。
そうして退院するまでに2年以上かかった。
そして今も下半身は麻痺したままで、車椅子での生活を送っている。

私は病気になったのは自分のゴタゴタのせいもあるかもしれない・・・密かにそう思っていた。
だけど、その気持ちと反して離婚も成立して一人で生活をしたい気持ちもあった。
退院はしていなかったが病状が落ち着いた頃、そのことを両親に伝えた。
親戚や周囲の人からは「なにもこんなときに・・・」という雰囲気はビシビシと伝わってきた。
だけど家族や本当に身近な人に分かってもらえればよかったし、それで反対されたらあきらめようと思っていた。
いろんな人の協力もあり心配はしたが、反対はされなかった。

家を出るときに父親がこう言った。
「お前も大変な時期にお母さんのことでかかりっきりにさせてしまって申し訳なかった。
 でも(幸か不幸か)お前がいてくれて乗り切れた」
そのときは照れてしまって「イヤイヤ・・・」という言葉しかでてこなかったけど、
こんなことになったのは自分のせいかも・・・と思っていた私は救われた思いだった。
両親も両親で「あの子が戻るタイミングを自分たちが奪ってしまったのかも」と思っていたのかもしれない。

こうして今の生活がある。

でも実家を離れてからも、心の中では迷いがあった。
それは親が弱っていく現実を受け入れるということ。
母は気丈な性格で、父が二度ほど大病をしたときも父の仕事、家事、看病をこなした。
父の手術の前には私たち子供を集めて「お父さんは私たち家族が守る」と言い切った。
自分が年を重ねる分、親も当然年をとっていく。
だけど私の中では親はいつまでたっても元気な存在だったし、そうあってほしいという願いもあった。(体という意味だけでなく心も)
そんな母が病気をしてから一時は気弱になっていった。
帰るたびになんとなく老けていくのを見るのが辛かった。

だけどようやく今年になってそのあたりも「受け入れなくちゃな」という思いが出てきた。
だからといってまだ実家に帰る・・・というところまでは無理だけど。


誰かが病気をすると本人はもちろん、その家族や周りの人もみんな大変な思いをする。
病気だけじゃなく、みんな不安や迷いやストレスを抱えて生きている。
ほんの一瞬でもそういうことから開放されて、心が軽くなる瞬間を感じて欲しい。
そんな思いでこの仕事をはじめた。


今でもいろんな迷いがある。
本当は人のことじゃなく自分が向き合わなくちゃならないのは家族で、そこから私は逃げているだけなのかも・・・とか。
だけどそうやって私を送り出してくれた人のため、今は自分の仕事でがんばろうと思う。





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最終更新日  2005年10月26日 17時36分19秒
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