薄手のシャツじゃまだ
少し寒い春の
朝のにおいが切ないのは
あなた思い出すから

足早な人並み
立ち止り見上げれば
春の温もりが恋しくて
強い風待ちわびる

舞い上がる花びらに吹かれて
あなたと見た春を思う
うつむくまで気づきもしなかった
どうしてだろう泣いてた


こみ上げる思いは
誰に届くのだろう
指先をつないで歩いた
あなたには届かない

胸の奥に覚えた痛みが
冬を越えて溶け出すころ
迷いの中わずかな光が
照らす場所も見えなくて


あなたを忘れてしまうほどの
恋が胸を焦がす日まで
この道は誰とも歩けない
あの日のように

小さなつむじ風泣いている

この風は
あなたですか
次の春も吹きますか