園芸店では見切り品か極小苗を買おう
最高の状態で店頭に並んでいても、買ってきたら環境の激変で枯れる。わが国の花卉市場は消費者目当てがメインで、ガーデナー目当てではない。園芸家は着実に増えているが、市場の基本スタンスがこんな状態なので、ドイツやイギリスの市場のような、園芸向きの品種や苗が揃っているわけではない。花のついていない花苗など、店頭に並べてもほとんど売れないというのが現状だろう。 これは何年も前にカンパニュラの大型ポット苗を地区の秋のバザーに多数出した時の実感である。10円に下げても、その多くが売れ残って、結局役員たちで分けてくれたらしく、あちこちの庭で翌年、結構豪華に咲いていた。 園芸作業は万年初心者で、下手な失敗ばかりやる小生でも、園芸店で買う花は、必ず特価見切り品か、つぼみの無い小苗と決めている。 豪華に咲いた鉢株を買っても、どうせすぐに惨めな状態になるのである。本当に感激するのは、翌年以降に復活した時だ。 また、すでにつぼみを持ってしまったような苗は、ポットに根が回ってしまっているから、ほぐして植えると植え痛みで、がっくりくる。大鉢に植えなおしても、花が終わって枯れて引っこ抜いたらよくわかるが、大概、ポットの枠の広さ以上に根が広がっていないことに気がつくはずだ。 洋ラン類など鉢物も、市場のものは豪華に咲かせるためにリンサン系の肥料を多用し、ぎりぎりの専門管理で見事に咲かせて出荷されている。こんなのが翌年も、劣悪な環境と下手な肥料水遣り管理のド素人の家で、見事に咲くわけなんぞないのである。 自宅で庭園をいじり花を咲かせようというガーデナーは、そろそろ日本趣味の名人芸やアメリカ趣味の消費発想から転換すべきである。市場の店頭で、花の無い極小苗が堂々と並ぶような環境を、賢い購買者として守り育て、自分たちのニーズとして作っていく必要があるのではと考える次第である。 本音。:極小苗なら安く買える。種からの初期育苗は難しく、専門家の作った苗なら丈夫で立派なのが普通。