2005年04月の記事一覧 | ちくでん村　mugibatake専用別館 - 楽天ブログ

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2005年04月の記事

全30件 (30件中 1-30件目)

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あけびの花が咲いた｡

　あけびの花が咲いた｡初めて見る花で、これも拾い物｡量販店の片隅に転がっていた売れ残りを１００円で購入した苗物の３年目である｡息も絶え絶え、よれよれになっていたやつが、復活して花を見せてくれると本当に嬉しい｡　あけびの実は高知の山中ではありふれていて、よく秋の遠足の時に出会ったものだ｡しかしどんな花が咲くのかは知らなかった｡　雄花と雌花が明らかに違う、形容しがたい奇妙な形と色の地味な花である｡これで実が熟してくれたら「祝宴でもやらにゃあ」の気分なのだが｡　　* 　　　　　　　　　　　*　小生は変わり者なので、園芸植物も変わったものが好みである｡トリリウムは毎年咲くが、いっこうに増えない｡今年はニラの仲間だけがよく増えて、よく咲いた｡　いろんな園芸植物品種を知るようになると、植物が採る形の奇抜さに、今更ながら感心する｡昔から園芸種になっていて、見慣れてきた花々にも結構奇抜なものが多いが、自然の中では、もっと奇抜な形が一般的だ｡お互いにユニークさを競っているのは間違いなくて、それが生き残る術なのだろう｡ラン科植物に見られる変容の多様さなどから見ても、新しい種族ほど、その傾向が強いようだ｡　学研の本の紹介。野生のそのままの写真が豊富で、園芸原種の環境確認には最適です。　　　

2005年04月30日

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見えていない自然について

　西洋風の自然観では、生のままの自然というのは手付かず、あるいは素材の意味である｡それは語源的には古代ギリシャの「隠れないもの、（ギリシャ語で、フュシス）」おのずから見えている、「もの」のことを言う｡「未知なる大自然の力」などといった「もの」は存在しないのである｡　見えている自然は、物理学的にあるいは気象学的に、そしてあらゆる諸科学で数量的に把握し、研究の対象とすることができるもののことを言う｡そこに規模の大きさや変容の妙を見て驚嘆したとしても、畏怖や畏敬の念を持ったり、その変容の多様さに困惑したりすることは起こりえない｡　神の力はもとより人間を超えたもの、人間には知りがたいものなので、「真に驚嘆すべきは人間の力のみなり」ということになる｡　そして、この人間の力は、唯一の神が自らの姿に似せて作り出したもの（インスタンスしたもの）に与えたもうた天才の力｡認識し、手順化し、再度インスタンスすることのできるような図式化された造物主の力の再現、つまり構想力だということになる｡　人間が、自ら主体として、環境的自然に直面する限り、このヨーロッパ風の考え方に異議を唱えるのは「無意味」となる｡見えていない自然というのは、何処にも無いのだ｡　　過去の日本人や東洋人は、違う考え方をする｡　自らの主体意識も含め、自ら目にする個体者であることの意識の忘却、放下、見ることのインスタンス形成を放棄して初めて、あらゆるインスタンス形成されたものの中に宿る、未知なる力があることを受け入れる｡矛盾した言い方であろうが、見えていない自然、未知なる無数の神的な力を、眼前の形や力の背後に予想するのだ｡そして自らの姿もまた、その未知な力の産物に過ぎないことを受け取り直すのである｡　論理的には自己矛盾し、無責任とも取れる多神教の世界が、ここにある｡神々の明確な序列もなければ、明確な宇宙論もない｡「こういった世界は文明的ではないし、秩序だった進歩発展の力にはなりえないのだ」と近代の西洋人は考えたようだ｡　しかし、人類の文化の基礎となる文字、度量衡や法律を最初に造ったのは、多神教を持つシュメールの人々である｡ゼロの概念を発明し、高度な数学理論を打ち立てたのは多神教のバーラタ人（インド人）である｡見えていない自然を見ようとする努力において、多神教の世界の歴史は、決して底の浅いものではない｡　そして西洋の歴史もまた、古代ギリシャやケルト、ゲルマンの多神教から産まれ、はぐくまれたものであることを忘れてはならない｡　本宅の文庫メニュー更新しました。　

2005年04月29日

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川干（かわひ）

　子供達は、後免の町をつっきって縦横に流れる川を干上がらせる時期のことを、そう呼んでいた｡ノナカケンザンというえらい先生が、江戸時代に用水路を掘り、それを毎年１回干上がらせて清掃する季節なのだと｡　清掃作業を見たことは無いが、川は毎年定期的に干上がって、子供達には楽しい季節を提供してくれたものだった｡日頃はとうとうと流れのある広い川が、その季節にはあちこちに水たまりができるだけの状態になるのである｡言わば労せずして、全ての川がカイボリ（川を部分的にせき止めて、その部分を干上がらせて魚をとること）状態となるのである｡　川が干上がったことを確認したら、学校の終わるのが待ち遠しい｡学校から走って帰り、早々に、ブッタイとギジバサミと大物をすくう網をもって、干上がった川に繰り出すのである｡キリとカーバイトも忘れずに｡　コブナもオイカワもコイもいたが、最大の獲物はウナギであった｡　あの頃は、どの川でもハリウ（小さな子ウナギ）の遡上が見られ、ブッタイ（茶漉しのように細かい目の金網で作った塵取りのような形の、魚すくいの道具）を流れの川上に待ち受けるように置いて、川下から足で追い立てると、よく小さなウナギが捕れるのだった｡川下で待ち受けても何も捕れない｡川上から川下を向いて待ち受けるのである｡　川干の時期に捕るのは大物だ｡川の両側に沿ってある石垣の穴にウナギを見つけると、まずその穴を他の水から遮断し、穴に小さな小さなカーバイト（生石灰）を投げ込む｡水はすぐに沸騰し、ウナギが苦しがって顔を覗かせる｡すると、それをキリで突くか、ギジバサミで首筋を掴むかして、今夜の豪華なオカズとして仕留めるのである｡　最近は、ウナギの遡上は絶えて見られないと聞く｡カイボリは、今も途絶えずにやっているのだろうか｡

2005年04月28日

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蔦のからまる家

　電車の窓から見ていると、家中を緑の蔦に覆われた家というのは、郊外でなくてもボツボツ見受けられるものである。蔦のからまる家に住むというのは、小生の昔からの憧れの一つであった。　幼少の頃、南国市の後免から、立田に向かう道の途中、水田が途切れて集落が見え始める外れに、見事な蔦に覆われた家があった。その家が見え始めると、まもなく立田なんだという、道標にしていたことを思い出す。　ところが現実に蔦かずらを這わせてみると、これが結構問題があって、心の踏ん切りがつかないのである。　蔦は三つ指のような吸盤を随所から繰り出して、これで壁面に吸着し、つるつるの壁を覆っていく。つるが枯れたあとにも、この吸盤は汚く残るのである。ちょっとやそっとの清掃作業で取れるような代物ではない。　また、つる性の植物なので、ちょっとした隙間に入り込み、そこで大きくなって周辺を破壊することもやってのける。昔、藤のつるが瓦の下に入り込むのを、親父の命令で苦労して取らされた記憶が蘇る。昔風の家なら屋根に上がっての作業も出来るが、この安っぽいスレート瓦の家では無理だ。それにうちのドラ息子が、屋根に登ってくれるとは思えない。　蔦にすっぽりと覆われた、夏に涼しくて秋に鮮やかな憧れの家は、どうやら憧れだけで終わりそうである。そのうちこの家の外壁が薄汚れてどうしようもなくなってきたら、心の踏ん切りがつくのかも知れないのだが。

2005年04月27日

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「ぎーやん」のこと

　雑草の写真を撮る事を考えてて、京都の「ぎーやん」のことを思い出した｡　彼は建物裏の小道のある土手に腹ばいになって、禿げ上がった頭頂を光らせながら、一心に大きなカメラを覗いていた｡人通りのある場所でやったら、痴漢と誤解されそうな姿勢だった｡「何してまんねん」と尋ねると｡「雑草を撮っとりまんねん」という答えが返ってきた｡　彼は雑草や庶民芸能、少数民族などといった、一般に日の当たらないマイナーなものに興味を持つ、風変わりな友人だった｡マイナーな小生の小説の原稿を、苦にも表に出さずに読んでくれた珍しい御仁だった｡　チベット族の服装をして、現地で密偵と怪しまれたり、ブータンの片田舎で娘さんをからかいながら土地の寺院を訪ね歩いたり、およそ金儲けの役に立たないことが趣味だった｡テイワナコの遺跡から密かに持ち帰って小生にくれたお土産は、小さな曲がった木切れだった｡　最後は、机の上に置かれた飲みかけのショウコウ酒とともに、若くして逝ってしまった。　彼は雑草が好きだった。幼くして間引かれて逝った者の記憶に囚われていたようだし、雑駁にはびこる底辺の力にも、魅力を感じていたようだ｡自分があこがれ、自分には足らない強い力、あるいは未知の時間の呼びかけを感じていたのだろう。世間的には、わがままでやんちゃな彼は、周辺の誰からも好かれていたように思うが、雑草のような生き方には風当たりもきつく、気ままには生きる場所はなかったようだ｡　小生も、雑草を観察するのは好きだが、雑草は好きではない｡

2005年04月26日

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ソフトのトラブルに甘すぎる

JRの大事故で、インターネット上の大事故が霞んでしまった感があるので、あえて取り上げたい。　ソフトを貸与している会社は、被害届がそんなにたくさん出ていないうんぬんを言っているらしい｡だが、業務上過失の大事故であることに変わりは無い｡被害にあっていることにも気がつかない、疎い顧客が大多数であることを忘れてはならない。　ウイルス対策ソフトによるトラブルについては、小生は過去に何度も酷い目にあった。だから、日常的に使うなんてことはしていない｡アップデートに至っては、それ自体が危険行為だと認識しているので、アップデートして十分な期間や事例のテストもせずに業務用に使うなど、もってのほかだと考えている。　ソフト上のトラブルに対して、顧客全員の考え方や態度が甘すぎるのである。損害に対する考え方も甘い｡　osやソフト類の不具合で生じた損害に対し、免責条項をたてに、開発貸与した会社は責任を取らない。中身も知らずに導入を決めた責任者も、責任を取らない。SEと担当者だけが責め立てられて、過度のノイローゼから精神病院送りとなるだけである。　自分でソフト開発をやってみたら、よくわかる。どんな不具合が起きるのか、起きてしまうまで、ほとんどわからない。ソフト自体が手続き型ではなくなり、イベントドリブンの構造なので、無限ループへ入ってしまう落とし穴なんぞは、いくらでも起こりうる。そんな危ういソフトを、善意で無料提供して、被害者特定がなくても逮捕されるのに、有料で貸与して瑕疵があっても免責だ｡　ソフト上の瑕疵について生じた損害については、法的にも見直すべき時期に来ている｡忙しさにテストの閑がなかった担当者や、SEを責めて終わる問題では無い｡免責条項自体が、一般の商取り引きを無視した横柄な条項なのである｡　似たような例に、種子が原因で生じた農作物の問題がある｡　契約栽培で準備した白いパンジーにピンクの花が咲き、膨大な量の展示用プランターを市場調達で作り変えなければならないといった事故があった｡種子会社は免責条項をたてに種子代金以上の責任を取らない｡結局、担当の農家が、泣く泣く自前で瑕疵を繕うはめになるのである｡　遺伝子組み替え操作で作られた種子や、同じ遺伝子操作で作られた生物の存在は、それが起こす将来の瑕疵を全て見越して造られたわけでは無い｡だから責任は無い｡まるでイラクにおける被爆の現実は存在しないと主張している米軍のような意見ではないだろうか｡　windowsは日本語など念頭にない｡だから日本語変換の辞書が引き起こす不都合については一切感知しない｡嫌なら使うな｡文句を言うやつには貸与しないだけだ｡　ほんまに、それで済むんか？

2005年04月25日

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イラク戦争は終った？

　読売の朝刊で「イラク戦争は終った」というのが出ていた｡論者の視点と意図を疑う｡　日中の紛争で言うなら、ちょうど汪兆銘の傀儡政権が誕生したところである｡個々の戦闘で勝利を収め、点と線を確保しても、治安と民衆の怒りは収まらない｡本格的な戦争はこれからなのだ｡　現に、侵略者を追い出して戦勝国となった中国人大衆の意識では、まだ続いているのである｡相手が完全に屈服し、従順にならない限り、中華意識を脅かす存在にたいしては何度でもこぶしを振り下ろす。伝統に根ざした意識で、彼らはそう言っているのだ。　これも読売で見た別の論者の意見の受け売りだが、「今回の騒動は国家ぐるみの人種差別運動である。」中国人は伝統的に、彼らを脅かす強大な力を持つに至った柵外民族を差別してきた｡おそらく中国の１％以下（核装備をしていないので）の軍事力しか持たないのに、倭あるいは東洋人（日本人のこと、最近は小日本とも言うらしい）も、やっと匈や抵と同列に扱ってもらえる存在になったようだ。それはなぜだろう｡　これまでイデオロギーや大衆の労働力のみが価値であり、力だと信じていた革命中国の指導層自体が、金の力に目覚め始めたのである｡金の力で外交を駆使し、金の力で他国の労働者を間接支配する。その仕組みの狡猾さに、資本導入して初めて気がつきはじめたのだ。大衆を煽る差別デモを使って、その仕組みに公権力を介入させ、政治力に使ってみようという、言わば市場経済修正主義の実験とも言える政治姿勢が、今回の騒ぎだろう。そして政治力を経済に介入させて、そこから政治的解決を図ろうとする修正主義は、必ず、「ど壷にはまる」というのが、これまでの社会主義政治の常識である。　　同じ読売に、国内政治での官僚の力が一位、アメリカの力が二位という、アンケートの結果が出ていた。首相や政治家は調整役で、実質の権限や力はほとんど無いというわけである｡ましてや、主権があるはずの国民の力はどこに消えたのか｡　大衆を操り、人種差別の問題に対処する技術ではアメリカが群を抜いている｡市場経済を操ることにかけても、エキスパートだ。今回の中国騒ぎもアメリカ発らしいし、そのアメリカが、どんな手段でイラクの泥沼から脱出するのか見ものである｡うまいエサにつられ、間違っても、下請けをやって泥沼にはまってはならないのだが｡自ら、はまろうとしている論者もいる｡　以下は日記とは無関係な自作HPのリンク案内超初心者（自分？）向けＨＰの基礎知識１「ＨＰとは日本ではホームページの略です」旧作切手館のご案内（すでに１年たつけど、余りにもアクセスが少ないので）本宅も覗いてね　

2005年04月24日

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夢の中の古本屋のこと

　人様々だろうが、小生は新刊書店に行くより古本屋めぐりの方が楽しい。新刊書店の本は売れ筋ばかりで、どこに行っても同じ本が並んでいる。古本屋では、めったに同じ本には出会わない・・・というのは昔のこと。最近は売れ筋の本ばかりが並んだ店が多くなって、面白くなくなってきた。　夢の中に出てくる古本屋は、そうではない。掘り出し物が、文字通りざくざく並んでいるのだ。　小生が夢の中で行きつける店というのが、二軒ある。いずれも現実には存在しない横丁、ありえない貧相な店だ。大阪の古本屋にちょっと似ている点もあるが、表の町並みが違う。夢の中でも懐は寂しいのだが、本の方は、いつでも安い。　見ると鉄腕アトムの第４巻がある。（１から３までは子供の頃持っていて、引越しのときに棄てられてしまった本だ。４巻は、ねだったけど買ってもらえなかった本である）開くと、本当にアトムが飛んでくる。　バーチャルガーデニング大全というのも見つけた。著者はなぜか小生なのだが、書いた記憶はないし、中身は横文字で、まるっきり読めやしないのである。　超特価セールの札が貼ってある豪華本の画集。マリーローランサンやアステックス、ユトリロにミロといった、現実には高くて買えないエスタンプが、画集に装丁されて捨て値で出ている。　九鬼周造の西洋哲学史稿もちゃんとあるし、ヴォルフラム・フォン・エッシェンバッハのパルチヴァールも並んでいる。　これらの古本屋は、小生の若い頃、あきらめるしかなかった本ばかりが集められているようだった。現実に買えなかった本は、記憶の片隅で古本となって、小生が再びほこりっぽい書架に手を伸ばすのを待っているのである。　それにしても、本を読まなくなってしまった。　　

2005年04月23日

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ブリを食わすぞ！というと、子供が泣き止む

久しぶりにオークションに参加｡ブリと表示があったものを落札できたので、ろくに切れない出刃包丁で、無理やりサシミにした｡　残念ながら、高知で覚えたブリの味とは全然違う｡やはり安く落札してしまうと、値段相応のものしか来ないのだろうと自己納得｡大きさもちょっと小ぶり（3キロ）だったし、ハマチに毛の生えた程度のやつで、油の乗りが全然足りなかった｡時期外れということもあっただろう｡　昔の高知の田舎では、ブリを食わすぞ！というと、子供が泣き止むというくらい、時期はずれのブリは、毎日うんざりする不味い食い物だったようだ｡　一方、京都に居た頃、宴会で食わされるサシミというのは、どれもこれも死体硬直の来たやつばかりだった｡　確かに新鮮とれとれ、絞め殺し直後という雰囲気は十分だったが、硬くて味がなかった｡　新鮮で、なおかつ美味いと思ったのは、イカや貝類だけだった｡　サシミというのは、本来、食い頃までの熟成の時期が命だ｡山国ではどうしても新鮮さが失われるので、新しけりゃ上等という庶民感覚が出来たのだろう｡高知でも、カニなどはろくに入荷しないので、カンヅメの生臭いやつしか食ったことがなかったのと事情が似ている｡ロシア船が安いカニをじゃんじゃん日本へ陸揚げし始めるまで、カニの味など知らなかったのである｡　明日は巨大アンコウ（７キロ）が来るはずだ｡昨年来取れすぎの冷凍品で、落札値も只同然だった。白身魚なので味は期待していないけど、酒に合うアンキモは、どでかいはず。包丁を研いどかにゃあ。

2005年04月22日

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日常的思考の知と疑問と反省

知りたいと思うことと、科学的探究とは違う。疑問に思うことと反省することも、またしかり｡こういった基本的な事柄を曖昧にしたまま、誰もかれもが自己主張の塊となって、経済活動や宗教的信念による活動に邁進しているのが日常というものである｡　知りたいと思うことには、いくつかのパターンがある｡代表化すると｡１何かの目的のために、知識が必要な場合｡２目的は暗いが何かのヒントをそこに見て、その微小な図式をより明るく、露わにしてみたい場合｡３目先のものが見えなくなり、疑問や当惑に包囲されて自分さえ失いそうな切実さがある場合　科学的探究には、ただ一つのパターンがある｡　　探求の対象を絞り込み、定義して、数量的経験的に方枠化、あるいは図式化し、インスタンス可能な設計技術として、その知識を確保すること｡　疑問に思うことにも、いくつかのパターンがある｡１目的ははっきりしているが、知識へのアプローチの仕方に戸惑う場合｡　　２説明された知識の体系、つまり目的や図式が誤っているように感じる場合｡３説明にも知識体系にも非の打ち所は無いが、我の立場にぐらつきを感じること｡　反省することも、ただ一つ｡　正しいと信じる立場を一つ選び、それに照らしてどうであるか、あるいはどうであったかを検証すること｡その立場が正しいかどうかなんてえことは、話題にも、疑念にもならないのである｡

2005年04月21日

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春山の「芽」についてのパッチワーク的備忘録

春の嵐が去った｡黄砂も亜硫酸ガスも大気から洗い落とされ、いつになく風景が澄み渡って見える。山々は白っぽいモスグリーン色や黄緑色のパッチワークさながらで、賑やかになってきた。黒っぽい深緑の部分が針葉樹で、もこもこと質感のある白っぽい部分が広葉樹である｡それらの芽立ちは、実に新鮮で、すがすがしい。　　木の芽は、それが形造る将来を内包した若々しい図式そのものである｡　成長点という微小な部位を持ち、神的な力で未知な空間へと生命自らを押し広げてゆく｡まさに神々の力「メー」そのものが顕現する場所であるようにも思える。　芽は漢音ではガとも読むが、目もまた、ガンである｡シュメール古拙文字「目」もまた、「メー」とも「イル・ガガ」と読まれたようだ｡両者は別の種族で語られた発音であろうが、同じ言葉なのである。　「ガ」はまた、「我」の音でもあることに注目したい｡　陽気に誘われて、むくむくと頭をもたげ、己を押し広げてゆく成長点を振り返って名指した言葉である｡その我の有り様が、あまりに強引で顰蹙を買うような場合は「迷惑」となる｡　里山が、伐採して売れば赤字にしかならない、お揃いの針葉樹によって黒くくまどられ、目を泣き腫らす花粉症を引き起こす様は、まさに「目」を惑わす経済行為の仕業だ｡　経済活動は自ら媒介の力であるがゆえに、実は「芽」や「目」さらには「命」などと同じ力を持つ｡ほどほどにしないと、芽の背後に隠れた自然の力による冥界の裁きが待っているような気がする｡　但し自然を素材と見るような一神教的な思惟からは、この思想は「汎神論」あるいは素朴で原始的な「アニミズム」として軽蔑の対象となるようだ｡春の芽立ちとともにコンクラベ（根比べ？）が終わって、新しい一神教の総帥が生まれたようだ｡このご老人が、どこまで「迷惑」防止に真剣に取り組めるのか、期待してみたい｡

2005年04月20日

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意味不明な嘆きの備忘録

　夕刊の記事で教えられたが、古代には、みどりは若々しさを言う形容詞であったそうな。つややかな黒髪は、みどりの黒髪と形容されたと。　しかし今日の若者の茶髪に、みどりという若々しさの形容は馴染まない。あの茶髪は、日本人よりももっと明るい肌を持つ人々への憧憬。つまり憧れの自己表現なのだろうと思ってしまう。　超古代、人類の文化の基礎となる度量衡そのものを創った偉大な人々がいた。彼らは伝説の国ニビルを出てデルムンという地を経由し、やがて現在のイラクの三角州地帯で、後世の人々にシュメールと呼ばれる栄光の諸都市を経営した。彼らは自分たちのことを「黒頭の人々」と明白に名指し、近隣の種族との区別の基準をそこに置いた。（但し絵画や彫刻、焼き物の絵で見る限り、男の多くはマルハゲが多かったようだが）　敗戦以降、日本人は自分たちの黒髪を誇りに思う基準を、すっかり見失ってしまったようだが、シュメールたちはザグロス山中の野蛮人に蹂躙されることがあっても、黒頭であることの誇りは失わなかった。そればかりか、その文化を受け継いだ後の世の征服者たちからも尊敬されたのである。　アッカド人の文人は黒髪に憧れ、うたっている。「おお、シュメール、あなたたちは行ってしまった」　小生も嘆きをうたう。「おお、みどりの黒髪。あなたたちは行ってしまった」と。　これは戦後教育が成し得た成果なのである。　受け継いできた膠着語（ウラルアルタイ語）の古語も次々に失われ、今や政治家先導で意味不明な外来語が闊歩する。目に鮮やかな、そして艶やかなみどりが失われ、金や銀のきらびやかさに取って代わりつつある。　そのうち子供たちは自分たちがカラード（有色人種）であり、黄色人種であることさえ忘れてしまうのだろう。みどりの日いずる国は、老人ばかりの夕暮れの国（アーベントランド）となって、ヨーロッパのお仲間入りをしたいのだろうか。

2005年04月19日

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庭についての拙い疑問の備忘録

　単なる生活のための空間ではない庭には、その庭に固有な時間というものが存在するように思える。主情的、情緒的に庭を見るとき、季節と個人の人生、文化と趣味とのはざ間で釣り合っている、不可思議な時間があるように感じてしまうのだ。　個人の時間に閑が無い時、庭は季節の移り変わりを支配する時間にのみ身を委ね、やがて荒廃していく。およそ人間的でない自然の摂理にその空間を委ねたとき、庭は庭でなくなる。　これをもって、つまり「庭に巣くう時間は自然とは異質のものなのだ」という考え方が、欧米のガーデナー達の一般的な思いであろう。　自然の中に置かれて庭は出来上がるのではなく、それを形作り、構築していくのは人間の力なのだと。自然の一部が素材として見出され、人間の手によって囲い込まれ、文化と個人趣味の力で人間向きに形作られて、それは全き庭になるのだと。あたかも陶冶（パイデイア）の理念で市民教育がなされるように。　しかし、その庭において型にはめられることを拒絶し、自己主張しているもの達のことを考えてほしい。　それはシンメトリカルな理性の諳んじる文化形式の主張や、オブジェの配置が醸し出すイロニカルな理念や、そこに不可欠な建築物の機能美だけだろうか？私達がそういう主張で庭を見ようとするので、そう見えるだけでは無いのか。　住環境としての数字計算が構成する美や、整えられた活動の場のレクイエム以上に、それらを背後で支えている季節や風土としての自然、単なる見え方としての自然がありはしないだろうか。更にその庭に巣くうもの達の個々の営み、例えば湖の底から無理やりに引き上げられた太古石が沈黙しつつも主張する過去や、無秩序に広がろうとする雑草といった存在が未来志向で自己主張する固有な時間が、そこにもう一つありはしないだろうか。　それともそれらは、庭とはなんら無縁な者達が自己主張するだけの、異質なの邪魔者に気をとられているにすぎないのだろうか。私がそういった主張でもって庭を見ようとするので、そう見えるだけなのだろうか？　しかしもしかして、この有象無象のもの達の固有な営みの集合こそが、今ひとつの庭の時間、つまり庭を陰で支配する、季節や風土を形作っていはしないだろうか。

2005年04月18日

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外車は本当によくぶっ壊れる

　ぶっ壊れた車がもどってきた。国産の中古車が何台も買えるほどの修理費を出して、やっと車が帰ってきたと思ったら、その日のうちに再度ぶっ壊れた。ミッショントラブルとかで、またまた1週間近く、ガタガタの945の代車に乗せられていた。そのうち、修理費が中古購入費より高くつくようになったら、この車ともお別れである。金もないので、せめて20万キロ以上は乗りたい。いや、少々高くついても乗ってやる。　今日は園芸作業もさぼって、野生つつじの綺麗な裏山を散歩してきた。暇の無い園芸家の独り言

2005年04月17日

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雑草について

　新興住宅地に住んで、すでに１７年目、ナズナ（ペンペン草）を見かけなくなった。良く見かけるのはタネツケバナ、ジシバリ、オオイヌノフグリ、イヌノフグリ、エノコログサ、スイバ、などである｡黄色のカタバミは相変わらず多いが、なぜか最近ムラサキカタバミに出会わない｡ハキダメギクとかハハコグサ、スギナ、マンネングサの類いも相変わらず多いが、オオバコも少ない気がする｡　我が家特産の雑草は、最近、ミズヒキを先頭に、タツナミソウ、レモンパーム、リンゴミント、ミゾソバ、羽衣ジャスミン、そしてミツバである｡重宝しているのは花の綺麗なタツナミソウと、ミツバだけで、後は厄介者だ｡特にジャスミンが最悪｡環境がよっぽどいいのか地下茎で縦横無尽にはびこるばかりで、ろくに花も咲かない｡ぬくぬくと地下で肥えた姿には嫌悪感すら催すのである｡最初の頃、雑草化していたカモミールも、見かけなくなってきた｡　春先の雑草は根が強靭だ｡園芸作物はあっさりと抜けてくるのに、雑草は浅根性であっても容易に抜けない。人間の庭や生活領域に寄生して繁栄してきた彼らには、引かれても根さえ残れば何とかなる、という根性がある｡花の豪華さで、人間に媚びて暮らしている連中とは、たくましさが違うようだ｡

2005年04月16日

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釣り場と獣。

　先日、通いなれた山道のモロコ釣り場の近くで、タヌキのペシャンコ死体を久々に見た。（今年は獣の死骸はまだ少ない）最近釣りをしていないので、獣にも、あまり出会っていない。なぜか釣り場では、獣との出会いがよくあったことを思い出す。　　昔通いつめた日本海の小アジ釣りの小さな船着き場（なぜかサバカという名だった）には、釣果の指標としてネコがいた。やつが居れば、その日はバケツ一杯の大漁間違いなし。居なければ、釣れても大漁には程遠いのである。食いが立ってじゃんじゃん釣れ始めると、いちいち外すのが億劫になってくる。アジは口の周りが弱いので、サオのしなりを使って、口周りを切って後ろへ飛ばし、エサもつけずにハリだけで釣る。ちょこちょこネコに取られようが、気にならなくなるのである。　伊勢で釣ったときは、ネコならぬ大トラの先客がいた。やつは昼真っから酒くさい大いびきで防波堤にごろねしていた。そいつが海に落ちやしないか気になって釣りにならず、結局ボーズだった。　　モロコ釣りに通った山の中の釣り場では、一人で釣りをしている時、よくタヌキに出会った。小さなモロコを吊り上げて一心に外していると、ふと近くに視線の気配を感じる。ふりむくとタヌキがいて、小さな声で「くれ」という。そう発音したわけではないが、そう聞こえた。魚を投げてやると、一瞬逃げたが、慌てて戻ってきてくわえていった。　同じタヌキかどうかはわからないが、同じ釣り場で何度もタヌキに出会った。子連れ姿さえ見たことがある。しかしその年の晩秋に、同じ場所の上の道で連続して、ひき殺されたタヌキの死骸（最初に子供のペシャンコ死体をいくつか、それから数日して親らしき無残な死体）を見てからは、その場所でタヌキと出会うことはなくなった。南無阿弥陀仏。　ブルーギルがよくかかるオイカワ釣り場では、飼い鳥らしいガチョウの集団に悩まされた。　釣れはじめると、ガアガアギャワギャワと集団で近寄って来て、魚の群れを散らせてしまうのである。誰か釣り客が弁当の食い残しでもやったのが病みつきになったらしく、石を投げても、食い物では無いかと逆に近寄ってくる始末である。釣り場では鳥にエサをやらないようにしましょう。ほかの客が迷惑します。　小生は出会っていないが、クマさんと出合った知り合いも居る。　渓流釣り場への狭い踏み分け道を、土手にへばりつくようにして横向きに渡っていると、向こうからも同じようにへばりついて横歩きで来るやつが居る。「弱ったな、どちらかが避けにゃ通れんゾ」と思ったらしいが、むこうさんもそう思ったらしく立ち止まり、顔を上げてこちらを不安そうに見たそうである。よくみたら、そいつはクマさんだった。「えー、エライコッチャ」と焦って逃げようとしたら、向こうさんも同じように土手にへばりついた横歩きの状態で、エッチラオッチラ、ゴソゴソと、もと来た道を逃げていってくれたそうである。

2005年04月15日

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情景は、主観化された心象風景のことである

　情景は、主観化された心象風景のことである。ウエットで一人よがりで、思い入れの上塗りで出来上がった景観なのである。なれば情報というのは、どうか。　多くの論者は、主体にとって価値のあるデータのことを情報と言っているようだ。情報は活きたデータであり、無意味なデータとは違うのだと。しかし他のものや主体的な理性と何の関係も無い無価値なデータなど存在するのだろうか？いわばこの世の中と有機的に繋がっていない無意味なデータなど本当にあるのか？　自然を、私である主体と全く次元の違う素材と見るような思惟においては、そうなのだろう。「劣化ウランは装甲や徹甲の素材であって、人間を被爆させるような意図で作られたものでは無い｡したがって被爆の事実なども存在しない。」と考えるような思惟にとっては。　私にとって、あらゆるデータは、即ち情報である。その場で無意味に思えても、有機的にどこかで私という有機的な存在と繋がっている。情報と情景の差異は無いのだ。情報とは報告されるデータの情緒化、有機的意味付け、装飾的リフレイン、主観化のことであり、思い入れの上塗りで出来上がったデータだと考えるのである。

2005年04月14日

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思い出の椿

心の奥底に、遠い情景となって居座っている三種類の椿の記憶がある。　一つは母の勤めていた小学校横の神社の境内にあった藪椿の巨木。今ひとつは後免という町に住んでいた頃、そこの借家の狭い庭にあった盆栽仕立ての見事な桃色の八重椿である。　子供がニ三人、下に入れるこんもりした低い木で、花は小輪だったが、多花性で輝いていた。そして三つ目は、隣りの大きな農家の中庭にあった宝珠咲きの大輪の椿である。クリームっぽい白色で、あれほど綺麗な珠を形成する椿の花を、この歳になっても未だに見たことが無い。　情景というのは、情緒化され、心のキャンバスに再インスタンスされた過去の風景のことである。夢の風景などは、主観的な情緒が強調されて、好むと好まざるにかかわらず、非常にウエットな自分だけの情景となる。思い出ともなれば、それを幾度となく思い出しては再構成し、主情を重ねているわけだから、なおさらである。主観の重ね塗りをした塊のようなものだ。　対象を再構成し、見るためのものさしが、不明確で、あいまいで、わけのわからない自分の心という代物だけで形成されてしまっているのである。心は情景を産むが、計測、設計できるような明確な形は無い。当然のごとく、評価もできない。　見るためのものさしが、あらかじめ明確な形で準備されているような、客観的なものではないのである。

2005年04月13日

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宇宙の終わりについて

私達は、私達が属している世界で見えていることしかわからない。目にとまらない超常的な力を察知する能力は無いのだ。人知を超えた神々の力もまた、この世界の内部で見えている力である。この世界の中で私達の儚い存在の始まりと終わりがあるように、この世界もまた始まりと終わりがある。この世界を物理的宇宙と言い換えるなら、最後はこうなるそうだ。（兄貴の本から紹介）１　P＝＜ｐｃ(ｐｃ：臨海密度）の時　１０の１２乗年（１兆年）後、ガスが少なくなって来る。星が生まれなくなる。宇宙のリサイクルが止まって、黒色わい星とブラックホールばかり増えてくる。銀河は分解し巨大なブラックホールと化すだろう。　１０の３１乗年、大統一理論で予言されている陽子が崩壊する。陰電子と陽電子は対消滅して、光子とニュートリノとブラックホールになってしまう。　１０の６６乗年、ミニブラックホールが蒸発して、電磁波となってしまう。　１０の９９乗年、大きいブラックホールも蒸発して消えてしまう。　以後電磁波、ニュートリノ等が薄まりつつ、永遠に宇宙は膨張してゆく。２　P＞ｐｃの時　膨張する宇宙は或時点で収縮に転じ火の玉に帰り、古典的なビッグクランチで終わる。

2005年04月12日

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ノーテンキな日本人では、やがて殴り殺される

毛沢東の時代からずっと、中国の子供達は日本への憎悪を煽られて育ってきた。不合理な体制を維持し、権力者たちが今後も地位を確保していくためには、対外者への憎悪は必要不可欠だからである。米国が今、その運動の最中にある。　その、過去の教育の成果が出始めている。戦前の日本が、意図的に中国人を蔑みの目で見て来たようにである。高度な文化の多くを中国に負うていながら、当時の日本の国民には、中国を尊敬する姿勢が、まるでなかった。　大陸に進出し、太古の辰帝国を復興させて、世界を植民地化していく欧米列強に対抗することの必要性が、日本の支配層の潜在意識の奥底にあったからである。　　今、日本から巨額の援助を得て、革命で疲弊した経済を立て直し、将来を見始めた中国は、米国の尖兵づらをして自己主張を始めた日本の存在が、疎ましくなってきたのだ。　支持率低下を食い止めるために、日本カードを使った韓国の大統領同様、中国の支配層もまた、自国民の日本への憎悪を煽ることで体制を維持することを真剣に検討し始めたのである。　同時に、その経済的負い目を、将来にわたって負い目としないための方法としても、日本への圧力のかけ方を模索し始めたようだ。中国文化を摂取した日本人が、その中国への尊敬を持たないように教育されたように、彼らもまた意図的に日本を蔑視することで、究極の目的に向かって動いている。ほっておけば手遅れになるだろう。　いつまでもノーテンキな日本人では、やがて殴り殺されるのがオチである。さっと全資本を引き上げて、全ての輸出入を停止し、一切の観光渡航を取りやめて、それがどれほどのマイナスかを、扇動利用されている大衆に身をもって理解させる必要がある。　それと同時に、精力的な中国人と中国文化への尊敬の念は、決して忘れてはならない。

2005年04月11日

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怠惰なバードウオッチング２

　忙しい平日はお呼びで無い、寝床で聞く、怠惰にして姿の見えないバードウオッチングである。鳥さんはニ、三種類しか居なかったようだが、集団で実にやかましかった。それも数分喋り捲って、突然ふっと、誰も居なくなってしまった。数の多いやつらは早口でこういっていた。「キショイデー！　キショイデー！」するとくぐもった低い声で。「グルメ　グルメ」「ウランカナー　ウランカナー　モットウランカナー」「ジュウブン　ジュウブン」甲高い声が唱和する。「ケッコー　ケッコー　モウケッコー」　すると、遠くで、ウグイスらしきやつが、くしゃみした。「アッハハ　ハッ　ハクチン」　すると近くのやつが、またこう言い出した。「クソー　クソー　キショーメ」「キショイデー！　キショーメ！　ニャロメ！」　やつらは何をしゃべっていたんだろう。　

2005年04月10日

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全てにオリジナルな作品など存在しない。

　科学技術の成果はもとより、古今東西の巨匠たちの作品にしても同様である。既成の技術、既成の知識を利用して、ちょっぴり新しい組み合わせを考える｡それがオリジナルなものである｡　ｗｗｗ世界の発展は、この新しい組み合わせによって成り立っている｡それと同時に、基礎技術、既成知識の網の目データーベース化コピー共用（型枠形成によるインスタンス提供）によって、可能となった新世界なのである｡つまり既存知識や技術の共用コピーが、ｗｗｗ世界そのものである。これを否定して完全なオリジナルを主張しても、ｗｗｗ世界は見えてこない。改変に拒絶反応する人や、著作権にこだわる人は、ｗｗｗ世界が「フリーなコピー活動」によって支えられているという事実を全く認識していない。　　自由な大衆による自由なコピー活動を阻害するもの。それはｗｗｗ世界の犯罪者の特徴である。政治的意図、豊かさの独占意図、ゆがんだ倫理観による差別的意図、そして盲目的なナショナリズムが、ｗｗｗ世界の上で、その犯罪を準備する。ｗｗｗ世界の犯罪にはもう一つ特徴があって、それは「扇動的言辞」によって引き起こされるということである。クリックしてもらえなければ意味が無いというのもｗｗｗ世界の基本特徴なので、犯罪もまた、扇動によって多数者に担われて進行するということである。　そう、書きながら、自分がウイルスコピーをばら撒いていないかどうか心配になってきた。（今日、またｆｍｖ機械のｐｄｆリーダーが潰れたからだ。）

2005年04月09日

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お手本ページが、いつまでも空白である理由

１年間以上、いろんな人のホームページを見てきた。素晴らしいページがあったらお手本にしようと思ったが、出来なかった。それというのも、どれもこれも個性と特徴があって、素晴らしいページばかり。目移りし、とても自分好みのページとして選び出せそうになかったのである。　確かに特殊な趣味に特化しているページはインパクトが大きいし、リンクを張っておきたくなる。何でも屋の、小生のような文字数の多いページが、最もつまらないものの代表であろう。しかし繰り返す日常の日記だけのページにも、その人の個性と持ち味が出ていて、慣れると結構、捨てがたい魅力があるものである。　　現代詩の詩人たちが最も嫌がっていた無批評の日記的な日常記述。それが今日のブログであり、ホームページの主流であり、アクセスを集める主役である。この事情がわかってきたら、お手本ページの紹介も可能になって来るのだろう。しかし自分のページが価値のない無秩序な集合体である間は、とうてい無理である。だいいち、その一人のページの全貌を見るのにどれほどの時間がかかるものか・・・。ちなみに小生の雑なページを全部まともに読もうと思ったら、1日や2日では到底無理なはずです。

2005年04月08日

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見えない飛行機のこと

　遠い昔のことである｡小生の上の兄は学徒動員で、尼崎にある工場に送り込まれ、苦しい労働の毎日を送っていたらしい｡そんな中で、星空を眺めて宇宙論の行く末を考えながら、同時に戦局を打開する構想も、時折１５歳の少年の脳裏に描いていたようだ｡それは見えない飛行機のことである｡　この構想は誰も相手にしないので、結局、少年の脳裏に描いた憧れだけのもので終わったようだ｡小生も幼い頃に、その話を冗談話として、よく聴いた｡当時はふざけた考え、家族や友人に笑い飛ばされたこの構想も、米国がステルス攻撃機を作り上げた今となっては、兄の偉大さを思い直すきっかけの一つとなった｡　ところで、その見えない飛行機は、なぜ見えないのか｡　それは見るための媒介が、見える形をとるのを阻害されるからである｡　レーダー技術は、遠方の物を見るための画期的な手段、つまり媒介による型枠形成技術であった｡米国が帝国に勝利した最大の要因の一つは、帝国の電探技術をはるかに凌駕していたこのレーダー技術の成果である｡それと同時に、マスプロ量産技術だと誤解されているこの方枠形成技術、つまり媒介を操る科学技術を、どの国民よりも正しく理解していたからに他ならない｡　見えない飛行機は、媒介を操る科学技術の延長にある｡

2005年04月07日

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昔は星空も楕円天体も見えた｡

　シリウスと金星、木星、そして時々の火星しか見なくなって、もうどれほどの年月が過ぎたのだろう｡原因は小生の網膜や水晶体だけではない｡大気も日常も余裕が無いのだ｡　他界して久しい上の兄貴の本（宇宙物理学入門）を読んでいて、そこにこんな記述を見つけた｡　「母は星座の事も、天文学の事もほとんど知らなかったと思う。ただ、私は暗くなった夜空を仰ぎながら家路につく途中、北斗七星と北極星だけを教えてもらった様に記憶している｡北斗七星はおお熊座のおお熊のしっぽである｡おお熊座に寄り添って、こ熊座が回っている｡星座には古代のギリシャ・ローマの神話がまとわり着いている｡全能の神ゼウスはジュピターと名づけられ、木星になぞらえられている｡彼はすこぶる人間的な神であって、若い美しい娘に絶えず手を出しては、正妃のヘラとの間に紛争の元を作るのである｡・・・・・」　　小生も、そういえば子供の頃、母に同じ星々を教えてもらった｡そしてそのおり、ついでに、母と二人で一緒に、空とぶ円盤らしき怪しい代物が徘徊するのをも見てしまったのだった｡　　ところで最高神ゼウスとヘラは、帝国ハッチ（ヒッタイト）では、テシュプ及びヘパトと呼ばれたニ柱である｡その前身は、天候神タルとシウ女神かも知れない。その頃には、どんなにか星空が鮮やかだったことだろう｡　

2005年04月06日

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最近の不可思議な夢、二題

　開発途上で放棄されたような、だだっぴろい新興住宅地の外れ｡真新しい小さな家が一軒、ぽつねんと建っている｡少し高くなった床周りを除いて、あたり一面、庭も道路も何もかもが水浸しである｡津波とか洪水の様子ではない｡水かさが徐々に増して浸かってしまった、そういう雰囲気だった｡　その家の、広い庭に咲いていたカンナの群れが、水深の浅い水の上に花だけをのぞかせている｡広い広い水面の中で、そこだけが鮮やかだ｡　家の主人らしい女の人が一人、水の中で大きなシャベルを使い、カンナの周辺に土を盛っていた｡遠くには海が見え、海水混じりの水だと予想できた｡　千と千尋の神隠しに出てくるような水面で、その女の人は何をしていたんだろう｡　やはり新興の住宅地だが、こちらは高い丘の途中に雛段造成され、乾燥した宅地の群れ｡何軒か、すでに建っていた｡山手側で奥まった一角があり、そこに建っているのが、我が家のようである｡その家の中で、眺望を遮って建ち始めた隣家の細い柱を見ながら、せっかくの高台なのに、見晴らしが悪いだの、日当たりが今一だの、文句を言っていたような気がする｡　すると風が吹き始めた｡猛烈な風で家がギシギシと揺れ、あれよあれよと言う間に、視界を遮っていた大きな立ちかけの家が風に煽られ、屋根がはがれ、柱が折れて、あっさりと吹き飛ばされてしまったのである｡そこはどうやら、風の通り道だったようだ｡　俄かに開けた視界と眺望の中で、遥か遠くの下界の景色を眺めながら、呆然としていた｡

2005年04月05日

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儚い時間の備忘録「藪ツバキ」

　藪ツバキの落ちる季節になった。道端のちょっぴり湿った薄暗がりに、鮮やかな紅と黄色の花首が転がっているのをよく見かける。庭のツバキやサザンカは汚く枯れて散ってしまうが、藪ツバキは、綺麗な咲きかけの花の形、そのままで落ちてくる。　首が落ちるというので、いやがる人も多いと聞く｡しかし、艶やかな和人形が、首だけ取れて多数転がっているような風情は、どこか懐かしささえ覚えるのである。　出荷できなかった切り花の残骸が積まれて、朽ちているのは、無駄でもったいないと同時に汚いものだ｡だが、藪ツバキの散り敷かれた情景には、なぜか自然の贅沢さと、造形の美を感じるのである。　常緑の藪ツバキの木そのものは、大概、ひょろひょろと背が高くて、他の潅木に隠れ、すぐには見分けられない｡咲いている花も、あまり印象が無い｡薄暗がりに落ちている姿で、そこに木があることに気がつく時間があるのである｡それは瞬間にも似て、儚く短い｡　　新緑の若葉にとって、春は萌え出でる季節である｡同時に、それは花々の凋落の季節でもあるのだ｡ろくに咲きもしないうちに、遅霜にやられて枯れ始めた花々のいかに多いことか｡　我が家ではユキワリソウはすでに色あせ、プリムラオブコニカもフリージヤも霜にやられ、咲きもしなかったストックも消えた｡早植えしすぎたパンジーも、すでに草姿が乱れ始めている｡　自然の見事な造形というのは、気候風土の合わない植物には無縁な、儚い時間だ｡

2005年04月04日

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家庭園芸家の常識

病み上がりでおっくうで、予定の園芸作業が出来ない。今年も狭い庭は荒れ放題。　昔、花卉農産物販売のイベント用に使った問題が出てきたので紹介。チューリップの原産地はオランダである。答えバツ正しくは小アジア近辺の緯度地域。デンファレ(デンドロビュームファレノプシス)という洋ランはデンドロとファレノプシス(胡蝶蘭)の交配雑種である。答えバツデンファレはデンドロビュームの一種であるラン科植物は植物の仲間では最も古い仲間で、進化は完成していると言われている答えバツ最も新しい仲間であり、進化の途上にあると言われる。ランを意味するオーキッドという英語の語源はオルキス(金玉)から来ている。答え丸オルキスというヨーロッパ原産のランの球根は、まさに金玉であるランの種子は一般に小さいが、けし粒よりは大きい。答えバツはるかに小さくて粉のように見える。自分で発芽成長する力も栄養も持たない。ラン菌という菌の力を借りて発芽、成長する。クローン羊が有名になったが栽培植物のクローン培養はすでに一般化している。答え丸　　パンジーの原種はビオラトリコロラというビオラの仲間である。答え丸直訳すると三色スミレ。花げし(虞美人草やアイスランドポピー)は、麻薬成分がないように改良されたケシである。答えバツケシの改良品ではなく全く違う種類である。ヒマラヤの青いケシ(メコノプシス)なども同様。

2005年04月03日

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陶冶と型枠と文化についての備忘録

心が拠り所とするものは形だ。伝統の文化が受け継ぐものもまた形である。　その形を求めて、およそあらゆる技能、技術が拠り所とするものは媒介である。つまり形のないものを利用して、形を目論み、形のための型枠を作ってゆくのである。　媒介は、型枠の素材となることで私達の目に停まり、型枠となることで道具となる。　現代は、型枠万能の時代である。（つまり科学技術の時代である。）目（メー）ではなくて、型枠が全てを規定し、型枠が全ての価値観を判定し、型枠が心を操る。というのも、優れた唯一の芸術作品といえども、それを作るのは優れた型枠だからである。　パイデイア（陶冶）ということの解釈をめぐって、教育学の先生の意見に異を唱え、落第点をもらった過去の記憶を思い出す。小生は、当時すでに、教育には型枠工事がつきまとう、という風に考えていたのだろう。形のない土くれの原料をこねて優雅な壷を作るような具合に教育を考えることは、教育者の思い上がりであり、個人人格のある生徒への冒涜だと思っていた。　パイデイア（陶冶）という考え方の上で最も大切なのは、人格をこねて型枠にはめて作り上げることではなく、優れた型枠、優れた文化の見本を提供することなのである。メーについての試論承前

2005年04月02日

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密やかな嘆きの備忘録

通勤路では、木々の小枝が、まるで煙るように見え始めている。早春の枯れあがった木々が芽吹く間際の、印象的な景観である。　まもなくミヤマキケマンや白いケマン草の花の群落を、そこいらの山道の壁面に見ることが出来るはずだ。毎年少しずつ位置を変えて、それらの群落は出現する。立ち止まってしみじみ眺めてみたいと、いつも思うのだが、駐車のスペースもない危険な山中の道なので、うろうろしていたらひき殺されるのは必定。この道では、過去に悲惨な事故現場や、幽霊の類いを何度も目にした。今日の世相そのものの通勤路である。　しかしことは通勤路だけの問題では無い。われわれの住まう時間そのものの問題なのだ。立ち止まってうろうろしていたら、間違いなく、ど壷にはまる。振り返って感慨にふけっていたら、あっという間に浦島太郎である。誰も背後を振り返らないので、後ろが本当はどうなっているのかもわからない。　時間というのは、そういうものだ。時間を前にしたわれわれは、それが流れてくる方角をいつも注視し、千載一隅のエサが流れてくるチャンスに飛びついている小魚の群れのようなものであるしかない。　その餌が擬似バリであることに気がついても、時を注視するあまり、余裕が全く無いので、簡単には吐き捨てることが出来ない。戸惑いながら、密かに嘆くしか無い。

2005年04月01日

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