花のカタログが届いた。
綺麗な花のカタログが届いた。毎年二回、園芸家には楽しみなイベントである。 世は家庭園芸ブームで、量販店の店先での花卉販売も増え、店頭品との値段の格差は大きくなる一方である。高級品や珍しい品も、店頭に出回るようになったので、通販業者はたいへんだろう。小生も最近は、カタログで買うのは種だけだ。 カタログの方は、デザイナーや花卉専門家、写真家を動員して毎年色鮮やかにリフレッシュされる。だが、ネット上での取り引きはあまりメリットがないのか、大手の通販種苗会社のHPは、ありきたりのものでしかない。バーチャルガーデンに力を入れる余裕も金もないように見える。http://www.takii.co.jphttp://www.sakataseed.co.jphttp://www.miyosi.co.jp/http://www.yamatonoen.co.jp/ しかし通販が、その宣伝材料として顧客に配布するカタログは、実はバーチャルガーデンそのものだ。 その仮想のお花畑で、いかに巧妙に顧客を魅了するかどうかが、販売額に直接跳ね返ってくる。HPの出来栄えがアクセス数を増やすように、読み直す気になるような立派なカタログの出来栄えが、顧客の園芸意欲を掻き立てる。バーチャルガーデンのアッピール度が、売り上げに直結するはずなのだ。そしてバーチャルガーデンに人々を誘いこめるのは通販だけだ。店頭販売では、仕上がったガーデンそのものを準備せねばならないのである。手を抜けば逆宣伝にしかならなくなる。 大手の花卉通販業者が、楽天のような、人を集める仮想庭園を提供しないのはナゾである。ガーデンコンテストや個人紹介コーナー、アフリエイトなど、園芸好きの人々をHPに呼び込める策はいくらでもあり、花のような、装飾やデザインのしやすい商品は、バーチャルガーデンの格好の材料だと思うのだが。「購買意思のある登録者しか相手にしない」では、小生の文字数の多い、くそ難しいページと同様の効果を招く。(つまり、誰も近寄らない。) カタログという既成のバーチャルガーデンを利用しているのに、新世代のバーチャルガーデンが見えていないように思えるのである。 カタログの語源はギリシャ語のカタロゴス。これはホメロスに、トロイ(ハッチ側の言葉ではタルイシャ)攻略に布陣した侵略同盟軍の軍船一覧表として出てくる。ログ(航海日誌)の連なりではない。英語の意味のロゴス(神の道とか宇宙法則とか)でもない。分類され、論議されるべく整えられた領域の一覧のことを言う。範疇と訳されるのが普通だが、共通の検討の場、早く言うとpcのホルダーの一覧表がカタログですな。 楽天のバーチャル商店街も、カタログの一種である。その商店街の周りに広がっているバーチャルガーデンは、もともと商売には最適の場所なのである。