農園通信(趣味的農業の赤字解消初期構想)
やはり腰が痛くて、休日農業二日目はサボった。前途多難だが、実践はおあづけにして、構想だけ、することにした。趣味的農業の構想である。 昨今は、まともな農業では食えない。よほど大規模に機械化して作業集約してコストを下げるか、逆に施設園芸で手間隙かけて高付加価値を狙うかである。 機械も農地もロクに持たないリタイヤ組には、どちらも無理。要するに農業では食えないということである。 農業では食えない。つまりカネにはならない。だが、出来た作物は野菜なら食える。 昨年一年間の野菜収穫を、スーパーなどでの小売市場価格に換算すると、ざっと6万円だった。種にまわしたものや贈物、捨てたモノも多かったので、実際には10万程度の食えるものを作ってきたということだろう。施設費や諸経費はこれ以上であり、これだけを見ても、つまり赤字。自給分さえも稼げないわけである。 熱心にやればやるだけ赤字が膨らむというのが、小規模零細農業の特徴なのである。 今年から、軽トラ、小作料という経費負担が増え、年間の諸経費はざっと30万近くになる。ハウス4棟分の材料、水道施設、防獣施設、種苗費、堆肥・肥料・農薬代、こううん機、農機具類、ガソリン代、などを耐用年数で割ったものである。 せっせと食えるものを提供しても、ほとんど野菜を食わないわが家の年間の野菜消費は10万程度を超えることはたぶんないので、差引き20万以上は純赤字が出ることとなる。 農業で収益というのは、このさいあきらめるにしても、この赤字を何とかしなくてはならない。 そこで旬の減農薬野菜詰め合せを少量作り、予約やメール受注で細々と販売して、この赤字を減らそうと努力してみる事にした。 1パック5ー8品目で、千円くらい。数もせいぜい20パック程度、年10回程度で、20万である。箱代とガソリン代と梱包代が出て行くので、こんな計算にはならないのだが、年間200箱以上出せたら、なんとか原点というところか。予約固定客を20人つかんだら、赤字は減らせそうである。 最初のパッケージは5月頃か。葉付きダイコン、ラデッシュ、早生そらまめ、結球レタス、チマサンチュ、ロケット、あさつき、さやえんどう、などの詰め合せになる。但しサルの暴れかたしだい、天候しだいで品目が変る。 農家が市場出荷するさいには、期間を長く、量も出さねばならないので品目を絞る。規格品をそろえるために、収穫品の4割程度は必ず捨ててしまわねばならない。農薬も多用する。 趣味的零細農業は、逆になるべく多品目を扱い、どうせ技術が伴わない、ブランドにはなりえない代物なので、見栄えのための農薬を使わず、規格外品も捨てずに量で勝負して安価にして直接消費者に届ける。 出荷時期も、二週間くらいの期間幅をいただき、20ケース限定、しかも出来次第ということで、バラバラでいいわけである。技術が向上して収穫が安定し、無農薬の痛みやすさを克服さえできれば、楽天のこのページでも通信販売できるかもしれない。 構想中のものは、これ以外に、同様の切花パッケージと、ポットものや鉢物がある。なるべく経費をかけず、安定した多品目がいかに維持できるかを試験・実証中。タネの自前化と堆肥や土の自前供給次第である。 今年は確実に赤字。 *秋の記憶、ノブドウ。これの盆栽も作って売出してみたい。