2011年04月の記事一覧 | ちくでん村　mugibatake専用別館 - 楽天ブログ

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2011年04月の記事

全47件 (47件中 1-47件目)

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歴史上のif (坂本龍馬が居なかったら）

　彼の役割は将軍家に大政奉還を決意させ、同時に薩摩と長州の同盟をもたらしたことである。武器商人（つまり死の御用商人）としても暗躍していたふしがある。土佐藩は外様でありながら将軍家には忠実で、その擁護にこころを砕いていた。同時に起こった尊王攘夷思想との板ばさみで、山内家は動けなかったのである。　裕福な商家に生まれて自由に使える大金があり、身分の低い郷士である坂本が、脱藩までして日本中を駆け回った様は、どことなく怪しい。　とても、彼１人の思惑で、しでかした事のようには思えない。彼の商才、交渉能力を買った土佐藩の有力な人士、いや藩を上げての、後押しや秘密命令がいろいろあったのではなかろうか、と思うのである。岩崎などはそれで財を成した。　ともあれ、坂本が若くして亡くなり、その活躍がなかったらどうなっただろう。　大政奉還はいずれ起こることだろうが、時期が大きく後の時代にずれ込むだろう。　鳥羽伏見の戦いで幕府軍が勝利し、さらに幕府と欧米の艦隊が連合して長州を砲撃して、ことによると長州藩は早期に壊滅していたかも知れない。　薩摩藩も西郷に切腹させて幕府に和解を申し入れるが甲斐なく、西南戦争にも似た状況のなかで取り潰しと相成った可能性が高い。　暗殺者集団から出て出世した土方が主戦派として取り立てられ、穏健で全てを見渡している勝海舟の出番は、やはり、無い。　更に薩摩長州攻めに欧米列強の力を借りたため、列強から琉球王国租借の申し出があったとき、幕府は断りきれない。　更に下手すると下関・門司の一部にも、ゴアやマカオのような租借地ができてしまったことだろう。　あとは推して知るべしである。中国やインドやリビアと同様の運命が待っている。　土方は、頭の固い幕府の権威に嫌気がさしてクーデターを決行しようとして失敗。海軍とともに北に逃れ、北海道共和国を仕立てて五稜郭に立てこもるが、討ち死に。　これを機会に、積極的に動いて幕府に海軍力を貸したロシアは、北海道に念願の不凍港を得ることとなる。　やがて、九州共和国、四国共和国、中国近畿共和国と、狭い小国は、ますます分裂して小さくなっていく。　そのそれぞれに、欧米列強が宗主国として居座るのである。　亡命先の無い孫文の革命は起きず、ロシアのツアーリ権力も安泰で、ロシア革命も起きない。　インドは独立せず、オランダ領インドネシアも、仏印も、アフリカも、ずっと後まで植民地のままである。　不可解な世界。

2011年04月30日

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倫理・道徳とは何か 41

ミュトスである道徳が（実在の）カテゴリー化されるようすを（庭園論で）具体的に描くこと。　論理が論理として働く様子を（時間論で）具体的に見ること。　そのようなモノとして、倫理が求められ、探求されているのである。　但しカッコ書きの部分は小生特有のモノであって、人様々である。　庭園論と時間論の哲学は、小生がバーチャル・ガーデニング大全で目論見し、やってきたことでもある。　まっとうなガーデニングではなく、人の認識が、その認識を、入れ子状態で基礎に持っているバーチャルだと、仮置きの仮想のモノだと言わねばならなかったのは、倫理学の体系を探求したかったのではなくて、哲学として探求したかったからである。　メー・オン（無）が見たいわけではない。現存に問う最高の問いがメー・オン（無）であることを確かめたかっただけである。　構想力をもって構想力を問うことはできない。　これは光をもって光を測れても、問うことが消えてしまう（できなくなる）のと同様である。　しかし無知を持って知を問うことはできる。天上のリングの光を仰ぎ見て知を問うことは不可能であるし、メを潰されてしまうだけである。そこに無が無としてあることすら見えなくなるということである。　倫理がまさに、そのようなモノである。　洪範九疇といった政治のための範疇なら、ありうる。しかしそれ自体が実在と言えるような、カテゴリーなどは、本当は存在しないのである。当然、私たちが普段使っている範疇という言葉も、倫理と同様の、ロゴスという名の時間つぶしのリングが支配する洪範九疇、つまり政治のためのカタ枠ロゴ組みなのであって、価値化なしには使えない。カテゴリーとしての公平な采配の意味は持ちようがない、ということである。　範疇という、公平で無価値な理念は日本語の建前にしか存在しない。洪範九疇があるだけで、無価値なデータがありえないのと同様である。　「アリストテレスは常識的時間の枠組みをカテゴリーと名づけ、カントは純粋悟性概念の図式という先験的な時間の枠組みをカテゴリーと名づけた。」　つまりここには政治的な意図があったわけである。哲学の地位のためにロゴスの支配を確立するという政治的意図である。　しかし実は、ミュトス的な倫理の枠が、単なる対象的認識においても、純粋悟性概念の図式の働きにおいても、陰で支配している。権力の意志が働き、倫理や論理を組んでいる枠である時間を潰して見えなくしてしまっていると思う。

2011年04月30日

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倫理・道徳とは何か 40

　現存に問う最高の問いがどのようなものになるかについては、ハイデガーがあれほど精緻にかつ明確に論述したにも関わらず、誰もハイデガーを読まなかったとでも言うのだろうか？　Warum ist u(ue)berhaupt Seiendes und nicht vielmehr Nichts?　ヴァールム　イスト　ウイバーハウプト　ザイエンデス　ウント　ニヒト　フィアミールニヒトス　なぜそもそも一般に、あるもの（の有）なのか。そして、むしろ無、では「ない」のか。　日本語に直訳したらニヒト志向は消えて何の意味も読み取れなくなってしまうが、これはライプニッツの形而上学を裏返しに問うた実存論的なニヒリスムスへの問いなのである。有に関する最高の問いを裏返して、ニヒリスムスを明確にしているわけである。　ハイデガーは結局、憂慮としての時間から基礎的存在論を照明する手立ては不可能であることを明確に示し、伝統哲学において形而上学として歩んできた部分の終焉を、事実上宣言した。　ハイデガーは、投機ー企画とか、現存在（人間のこと）の憂慮、という言い方をするが、無知の知の立て組みを、その内部から示した、というべきだと思う。　つまり、現存に問う最高の問い、形而上学を内部から、時間論から照明したら、何も無かったのである。　倫理・道徳どころか、神学も、心理学も、社会学も、宇宙論も、その実は何も無い、ということである。存在者の存在が、じつはメー・オン（無）だというのである。　　ハイデガーが至った思想の方途には、その言葉の組み立てをみるとわかるが、ドイツ語の枠を超えようとしているところがある。無に無を重ねるような使い方で、既存の欧米言語の枠を超えようと画策している様子が伺える。　言わば膠着語で考えるような思惟の方向も、模索していたふしがある、ということである。先生に、日本語を教えるべきだったと思う。　九鬼先生や三木先生をはじめとする日本人が、欧米人と違ってハイデガーの哲学に馴染みやすかったのは、その言語特性によるものだと小生は思う。　欧米では、ハイデガーの思想はカント同様、誤解されていったのでは？と、考えるしかない。　先生の思想は、ニヒリスムスにどっぷり浸かった実存主義などというまやかしモノと成り果ててしまったし、倫理という形而上学の粋が、未だにアカデメイアで探求されているからである。** ついに専門家までが逃げ出した。　　http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110429-00000079-jij-pol　まっとうな人なら、やめざるを得ないだろう。内閣官房参与となった放射線安全学の専門家が逃げ出した。提言しても無視されるのでは、後々の責任転嫁に使われるのが見えみえ。逃げて正解だと思う。

2011年04月29日

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風評被害？実被害？報道操作？

　朝のＴＶのニュース途中で、突然アナウンサーの報道が中止され、別のスポーツ番組に切り替わってしまった。明らかに報道規制である。当局によるものか、局によるものかはわからないが、伝えたいニュースキャスターと、それを阻止しようとする権力の意図が感じられた。　冒頭で切り替わったので、詳細まで聞き取るほどの時間がなかったが、千葉県内で基準値を大きく超える放射能地帯が見つかったという内容だったと思う。いくら規制しても、いずれ漏れ出てくる。　風評被害を恐れて操作したのか、被害を恐れての操作だったのかはわからない。いずれにせよ被害の全貌はわかってくる。そのとき、裁かれるべき人は逃げ出していて、被害者が泣いて終わるだけである。風評被害で終われば、東電が泣くべきだが、裁判になってずるずるいくかも知れない。　千葉県の農家の怒りは相当のもので、予想される被害額も大きいし、今後の首都圏への健康被害も大きい。基準値を超えたホウレンソウなどは回収もされずに消費済みで、今後このような農産物は次第に増えてくると思われる。　近県被害で終わると思ったら大間違いである。台湾などもすでに被害地域を予測していて、放射能ベルトにすっぽり入ってしまう地図を公表している。今後、海外からの被害請求も覚悟すべきである。　ひとたび放射能が検出されてしまえば、それは風評被害ではなくなる。そして本当に怖いのは健康被害なのである。　早う首相のクビをちょんぎって、過去どころか自分の足元も見ていない原発擁護派を全員しょっぴけ！

2011年04月29日

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いつもの愚痴と遊山会の案内

お前の人生むちゃくちゃにしたる、と暴言を吐いて脅迫し、自白を強要した警察官がわずか罰金３０万。なんじゃろね、これは。　裁判所もグルになって、脅迫や冤罪を認めているようなもの。給料は安泰やから、もっとやれ、てか。　問題のヤクザ警察官も、裁判官も、公衆冒涜の罪で、まとめて即座に公衆撲殺死刑にすべきだ。　身内に甘いというより、親方日の丸の思想が今でも生きている。日本は民主主義国家ではないのである。　大阪府の知事が提案した関西広域連合の知事会でも、原発反対論者は大阪府と滋賀県の知事のみ、あとは全員、危険でも必要だ、論者である。こいつらも全員死刑。　あれほどの事故を経験していながら、その経験は他府県だと、よそ事だと思っているのである。危機感が無いというより、経験に学んで、これまでの頭を切り替えられない危険な頭脳構造の連中だと思う。こんな連中がトップに座っているのでは国が滅びるのも当然。選挙で選んだアンタが悪い！　すぐに基本方針や予定を変えるオイラも、世間では信頼されない軽薄モノ。　５月から農園開放して遊山やバーベキューに知人を招待するつもりだったが、雨が続いて準備が全く整わず、寒さで花も未だ少ないので、案内を延期することにした。　連休は掃除や食い物が間に合わないが、来たい人は拒みません。但し必ず小生まで予約打診のこと。　連休明けくらいから、案内を小出しにブログ上で出していこうと考えている。　例年、５月下旬－６月初頭がビンテージシーズンである。但し５月末の日曜日はすでに、別件予約が入っている。案内がなくても、予約は早いもの勝ち。　昨年など、さわち料理の準備をして数十人に案内出しまくって、打診あったのはたったの二人。しかも山には興味ないというので、結局料亭行きとなった。　今年はご近所さんにも案内状をばらまこうと考えているが、果たして来てくれる人が居るだろうか疑問。　直接小生を知らなくても、知人を通じてであれば、遊山会やバーベキューお問い合わせと予約には、いつでも応じます。　簡易トイレ棟、上水道、屋根つき休憩所完備。駐車場４台（小生のも含め）。野菜提供、１０人程度がバーベキュー可能。別途燻製つくり可能。切花山菜採り放題（あればの話）。　６月頃から、蜂やムカデやマムシがワンサカ出て来て、小さいお子さんなどは危険になります。強い雨の翌日には長靴が必要。　＊まばらで貧弱なチューリップ花壇

2011年04月28日

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　倫理・道徳とは何か 39

　倫理学は、決して科学技術であってはいけないモノである。　形而上学であってもいけない。自己の現存に、おのれのありかたの最高の問いを問うようなイデー（理念）であってはいけない、ということである。道徳という騙りモノはあっても、倫理などは、金輪際、無いからである。須弥山世界観はあっても、現存に問うことで得られる正しい倫理、などは無い。同様に絶対の論理も無い。　しかしこの世に倫理・道徳という名の教科書が実在し、社会的倫理なるものが流布されている。　それはアカデメイアの人々が哲学を不在にし、理想を掲げた形而上学構築に励んでいるからである。言わば、論理・倫理探求に邁進しているから、である。　倫理観は確かに個々人のうちにある。無ければ彼は社会的人間とは言えない。しかし倫理一般などは、無いのである。教科書などはありえない、ということである。　倫理観が個々人の内にあることを、なぜ言えるのかと言うなら、コンセプトがあるから、である。たとえば須弥山世界観がある。　仲介とか媒介の力は、必ずそのような仮置きのモノである。　政治の必要性があって、人倫というモノが考え出され、人々の支配に使われた。　コンセプトが与えられた人々は、それぞれのこころにその　洪範九疇　を刻み、人倫に外れまいとして社会が成り立ってきたのである。　実在のカテゴリーを見出し、常に最高の問いを問うことで成り立ってきたのではない。　つまり、洪範九疇は形而上学が目的ではない。政治が目的なので、ニヒリスムスではないと言える。　しかし形而上学をもくろむ、倫理のカテゴリー化（論理形式化といってよい）は、これは唾棄すべきニヒリスムスである。　　形而上学への問いは、無知の知を立てて哲学として中庸に問うなら、メー・オン（無）に至って安泰に終焉するのかもしれない。　しかし分裂したアルケーではなく実在のカテゴリーを見出して科学技術の方法で問おうとしたら、恐怖の時代が始まる。　マルクス（経済学者）や、キルケゴール（宗教家）や、ニーチェ（文献学者）といった、およそ哲学者らしからぬ人々が、失われかけていた哲学を自ら再発見して、その危機を警告したにも関わらず、哲学不在の恐怖の時代は幕をあけてしまっている。　アカデメイアに居座る人々までが哲学を放棄し、科学技術を使って、たとえば倫理学という形而上学を探求しているからである。最高の問いを現存に、しかも社会操作という不純な目的を隠して問うている。　　＊故障の結果の芸術写真？

2011年04月28日

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歴史上のif （大王アキラが長生きだったら）

マジャル人が移住して来る前のハンガリアの祖王アキラは、西洋世界ではアッチラとして知られている恐怖の大王である。　406-453の時代を生きた匈奴系の騎馬の民で、マジャル人同様、ウラル・アルタイ語を話すモンゴロイド系（黄色人種）の王族であったと言われている。　ブルグンドをはじめとするゲルマン系の諸族を次々と征服し、民族大移動を引き起こし、東西ローマ帝国を危機に陥れた。　４５１年、ガリアのカタラウヌムで姦計にはまり、ローマの将軍アエティウスに敗れて撤退した。　翌年にはイタリアへ侵攻し、諸都市を落として一時はローマに迫る勢いであった。　しかし軍はポー川を越えることなく、４５３年、酒宴の席で血を吐いて倒れて死んだ。　病死説が一般的であるが、一服盛られた可能性もある。　王たる者、進んで義務と責任を引き受けなければならない、という箴言を残している。　悪い報告をした部下を褒めよ。悪い報告をしなかった部下を罰せよ。という、目を見張るような命令もあったようである。　ローマ人プリスクスは、フン族の統治をローマの支配よりも賞賛した。アキラの陣営に居座って、祖国へ帰ることを望まないローマ人なども多数、いたようである。　北欧では特に人気が高く、サガやゲルマンの伝承、ニーベルンゲンの歌に、偉大かつ聡明で寛容な王として登場している。　この大王アキラがローマ征服を完遂し、長生きして、ヨーロッパ世界の大王として収まっていたらどうなっただろう。まあ、英雄は短命なのが普通だが。　モンゴルの支配に見るように、宗教、経済活動、文化活動にはごく寛容、言語なども郷に入れば郷に従えのやり方であっただろう。ローマとは正反対の統治法である。軍も支配階級の貴族の私兵ではなく、全て帝国直属の全体主義的な細胞と化す。　個人主義や何々家のといった貴族主義は廃れ、言語も、たとえばラテン語が帝国の正規言語となるといったようなことは起こらない。　肌の色の違う諸民族やその言語が入り混じった帝国の先例を、私どもは古代小アジアのハッチ帝国（ヒッタイト）に見ることができる。　純粋な言語がその純粋さを磨いていったような、現代ヨーロッパの諸言語は消えただろう。支配者の言語と被支配者たちの言語がそれぞれ違っていたので、今日のヨーロッパが生まれたのである。　ハッチ語のように、公用文書にまで諸民族の言語や文字が混在して使われ始めると、民族のアイデンチチイなどは成り立たなくなる。　民族も、消えうせたかも知れないのである。　しかし神々は増え、利用する文字の種類は増える。　そして諸民族は融合して、地域地域で全く異なる文化的特徴をもったまま、ただひとつの部族と化してしまうのである。アキラ族。

2011年04月27日

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倫理・道徳とは何か 38

さて、倫理の円環を仮にであるが完結させておこうと思う。捌庭（サニワ）の科学技術などというモノを、将来にわたって決して成立させないために、である。　ロゴス的なモノやミュトスに導かれて、私ども人間は道徳的現存の中に最高の目的を本質への問いとして問う。そのことにより、さにわの場に至る。　実在のクラスカテゴリーが（カタログ・ロゴスが）神聖なロゴス（論理（倫理））として組みあがるのである。　目的も、目標も、過去も未来も、そしてアイデンチチイもない大いなる真昼の、不安の影も見えない中に、あらゆるものが整然と予定調和のように組み込まれてしまうのである。　捌庭は、人間の暗いこころの権能のことである。　私ども生命がこころで捌き、あらゆる物事を処理して生きている、そのありさまである。　これを頼りに、私どもは対話や認識を支える論理を見出し、社会的な構造を支えるべく倫理を見出し、そして合目的認識を支える技術を見出してきた。　言わばウーシア（実在）に対する巨人の戦いの場であった、というべきかも知れない。　あるものと、ないものをより分け、実なるものと虚なるものをよりわけ、そして神をより分けてきた。　古代ギリシャ人は、そのより分ける場である庭を見なかったが、それは彼らの言語の特性がもたらしたものだったと思う。そのかわり、彼らはイデアとイデーの乖離を見据えて、論理を見つけた。これは実は、倫理でもあるのだが、その両者が関わる暗い部分は、彼らの言語では見えない。　無いからである。（メー・オンである）　こころという庭において、時間という直感の形式であるクラス（方枠）が立て組まれる。　帰納法は、量と様態が関わる（単一性、多数性、全体性）のクラスが導き、　演繹法は　質と関係が関わる（実在性、否定性、限界性）クラスが導き、　弁証法は、関係が関わる（実体性、因果性、相互性）といったクラスが導き、　中庸法は、様態が関わる（可能性、現実存在、必然性）のクラスが導く。　倫理学は、このような整然とした形而上学的規範を求めて探求されてきた社会構造に関する「無知」なのである。そして「無知」が見えないままに、哲学を追放してしまった。　道徳的行為への最高の問いが、その問いとは何かを自らに問うて無知に至らず、合目的論理（倫理）へと立て組まれることをのみ、求めたからである。　この一見整然と見えるカテゴリーの「コンセプト」つまり仲介者あるいは媒介が持つ、「倫理のコスモスが構築する美」。それこそが哲学の放棄であり、唾棄すべきニヒリスムスの本体である。　このカテゴリーのコンセプトは天上には祭らず、捨て去って踏みつけにすべきモノだという事である。　倫理学（エチカ）はまた、美しきモノを描くエンターテイメントではない。　つまり、モノとこころの空無な隙間を埋める仲介の試みは、科学技術や哲学がなすべきことではなく、文学や技芸がやるべきことである。ムーサの仕事なのである。　詩は、言葉を組んで、そのような仲介者を降臨させる、こころの小異な反復をもたらす試みであり、音楽も同様の構造をもっている。そして絵画や小説や漫画などは、方法は異なるが、バーチャル・リアリティーを現出させておこなう、仲介の技芸なのであろう。　

2011年04月27日

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倫理・道徳とは何か 37

　世間の誰もが認める当代随一の文献学者だったニーチェは明確に、それは権力への意志であると結論付けた。　ほしいものは権力なのである。すべてを支配したい。愛は惜しみなく奪う。それだけだと。　ここには善悪も無い。善悪の彼岸で、その運命的な愛は語られる。　善悪という道徳の概念をよりわける規範的な力が倫理学なのであるから、その倫理学が善悪に支配されていたのでは身動きが取れない。究極の美という超越論的な観念論で捌くしかないのである。こころを支配する力を捌くのである。　つまり、倫理学というのは捌庭（サニワ）の科学技術の試みなのである。　哲学の裏道の泥沼。そこからの脱出を目論んで書かれた、小生の拙いバーチャルガーデニング第二稿を読んでいただいている方なら、哲学の裏街道を頼りない足で（三村先生に過分なゲタをはかせていただいて、何とか卒業させてもらったりはしたが）歩いて薄暗い庭にたどり着いた小生が、なぜ倫理学を取り上げたのか気づいていただけると思う。　倫理学というのは捌庭（サニワ）の場を見出そうとする哲学ではない。捌庭の科学技術構築の試み、つまり形而上学の試みなのである。　これは哲学の否定でもある。　カテゴリーを見出す努力ではなく、新規に究極の目的への問いをカテゴリーのように構築し、しかも科学技術として立てる努力なのである。　多くの天才たちが関わり、時間つぶしのリングが立ち、世の中の文化人たちは芸術主導で動いている。グローバルな西洋世界は、審美的な段階にあると言える。　美や芸術に囚われ、メ・が眩んでいる限り、現実に起きていることは見えないままで終わる。　すでに哲学は世の常識から押しのけられ、まっとうな哲学徒に世間の表街道は歩かせてもらえない状態なのである。哲学専攻の同窓生でも、うだつの上がっている人は、親の七光りの無い人には皆無と言ってもいい。哲学が社会から完璧に見失われているので、そんなものを学んでも、社会の役には立てないのである。ましてやカネにもならない。誰も本気で読まないので、本さえ出せない。　キルケゴールの読みが当たっているなら、やがて倫理・道徳の社会が来る。その時、哲学徒は冤罪でぶち込まれることになると思う。すでに兆候は見えている。　ナチズムなどは明らかに審美的な道徳観を持った団体であり、倫理の時代を先取りした先走り、だったのである。ハイデガー先生などは、時代を読んでいたからうまく立ち回って、いち早く党員となり、学長の座をせしめたのだが。下手をやった人がほとんどだった。　危機を想定し、警告したまっとうな科学技術者は、失職するしかなかった。技術への哲学的態度を捨てないのが仇となった。　空虚な美が社会を支配し、クンストがアートに豹変してしまうと、隠れたデータが有効な情報に追いやられる事態となる。もともと無用な哲学などは監獄行きであるのみならず、そこで密かに毒殺される。　捌庭（サニワ）の科学技術などを成立させてはいけない。これは未来への警告である。

2011年04月26日

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倫理・道徳とは何か 36

　さて、ちょこまかとうわべばかり回り道をしてきたが、倫理・道徳とはナニカ、薄々にではあるが、見えてきたようにも思う。　これはカテゴリーの範疇には無くて、ミュトス的な語りモノ、つまり騙りモノである。倫理・道徳というモノは、法学や経済学、社会学同様のシロモノである。実在というモノを研究する哲学では無いのである。自然学（哲学）ではない。　他人がアリストテレスの名前を騙って作り上げた、エチカという古い時代の著作があるだけ。それを復活させた人物は、エステチカ（感性学＝美学）としてこれを哲学の中心に据えようとした。この、エチカという学問は、カテゴリーの範疇にはないのに、ミュトス的な騙りモノの中に、イデー（個人理念）を頼りに、それ（カテゴリー・実在）を見出そうとする、超越論的な観念論であると定義することができると思う。　オイラが倫理だ、というわけである。　道徳の概念（じつはコンセプトという草案）が騙りモノとして対象提示されている。　玉石混交の、語られているそれの真偽をよりわけて、正解の規範を見出したい、というわけである。　よりわけるのは実在のアルケーではない。オイラなのである。オイラの知的直感である。　そのオイラは、しかし天上のイデア（美）に庇護されている。美が普遍的にすべてを仲介し、ロードオブザリングの強力無比な、頭上に輝く指輪の力を発揮している、というわけである。　この、とんでもない、いかがわしさが、あなたには見えないだろうか。　個人のアイネ　エチックが、学であるエチックを入れ子状態で包摂している。だからエチック（エチカ）は人倫の学なんだと。道徳の教えを紐解いて、それを確かめていくのだと。

2011年04月25日

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倫理・道徳とは何か 35

　「問題なのは、資本主義的生産の自然諸法則そのものであり、鉄の必然性をもって作用し、自己を貫徹するこれらの傾向である。」と、彼は述べる。　つまり、経済学という、見えない形而上学自体に異議を唱えているのである。自己を貫徹する自然諸法則なるものの把握より、フィシカの方が、見えている矛盾が大切なんです、と。　ここでちょっと脱線して、ついでに経済学の裏事情を、その基礎定義から覗いてみようと思う。実は小生、経済学は一般教養でもロクに学んでいないと思う。忘れてしまっているのかも知れないが。ウイキの覗き見なので、これが現代の定義だとは思わないように。これは誰かの書いた定義にすぎない。＜１：アダムスミスの国富論　経済学は人々に益を齎すようにする方法であり、結果として人々と統治者を豊かにする手立てである。と述べている。＞　要するに経済学とは、儲ける技術の研究模索だと。　実に明快で、よろしいではないか。これ以上の定義が必要なのだろうか。　＜２：エンゲルス　経済学は、最も広い意味では、人間社会における物質的な生活資料の生産と交換とを支配する諸法則についての科学である。＞　目的を隠した偽科学、形而上学の主張が、ここに歴然とある。　彼はマルクスとともに語られることが多いが、これは反マルクス思想だと言っていいと思う。最も狭い意味で、生産と交換とを支配する諸法則を体系化しようとする科学技術であると述べるなら許せるが、この定義はダメである。科学技術の意味を履き違えている。　科学技術が、対象の物質を操作する技術であると同時に、人の倫理や道徳をも形成していく、こころの技術でもあることは確かである。だが、人間は、その社会的な企画ー立て組の中で自由に考える獣でもある。自然の諸法則に支配されるだけの生き物ではない。鉄の必然性をもって作用されても、無謀な革命を起こす。＜3：ライオネル・ロビンズ　他の用途を持つ希少性ある経済資源と目的について人間の行動を研究する科学が、経済学である。＞　こちらはもっと遠大に、目的を隠した形而上学の企画に見える。要は人間工学をやって、社会システムや儲け話の全体像を構築し、儲けの技術工学体系に取り込もうというわけである。科学技術の本性を読み取って、人間の目的までもが、その研究課題に入っている。完璧に、形而上学の主張なのである。　先読みして儲け話に取り込もうというのであればわかるが、儲け話が出てこないというのが、まるで無知を見せない哲学のようにイカガワシイ。　要は、儲けの技術研究企画開発が、経済学なのである。　それが結果的に精神活動を行う人間社会全般を対象に投資企画され、集団や個々の人間の行動を研究把握する技術にまで発展し、効率的な資本投下と回収配分を目論む、壮大な形而上学にまで成長しているだけである。　但し図体がでかすぎて、しかも目的が優先して、常に建前の基礎をおろそかにするので、現代の経済社会の中では十全に機能していない。経済がグローバル化しているのでという言い訳をするが、実際には逆である。形而上学が肥え太りすぎているのである。　仲介者として、全くの架空なカネというモノを提示して儲けを計ろうとするので、そのカネの定義を有効需要だとか、無効だとか、ややこしいことこの上も無い。　　個々の儲けの企画開発や実践には大いに役立っているから繁栄して、なおも肥え太りつつあるのであるが、基礎の経済自体を全く把握できていないので、経済動向などは制御できない。　有用な電気は起こせるが、あえて想定外除外した事態では暴走を食い止められない、というわけである。　完全冷却という理想は常に見ているが、それが儲けにつながらない美人局なので、制御効果の方がサッパリなのである。　むしろ、経済学の基礎研究とは、儲けの技術研究企画開発に伴う経済の動向の歴史記述と、対象化された範囲での工学理論であるとしたほうがいいくらいなのである。 * 最近ちょくちょくあるが、曜日を１日間違えていた。もうダメだ。耄碌した。

2011年04月24日

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農園通信（あわただしくキャベツ）

　昨日頭に来て、予定の農園日誌が書けなかったので。　雨の前土曜日に、あわただしくキャベツを全部植えた。といっても、たったの１ケース、40株。それ以上作っても、自家消費にはムダ。　今年は無農薬をあきらめて、双葉の頃から危険で強力な薬漬け。モンシロチョウは乱舞していたが、おかげで未だに、ちっこい穴の一つも無い。完璧に、ホームセンターで売っているやつと同じ。１株６０円として、買えば２４００円の価値ある代物。　これが無農薬安全品だと、商品としては無価値になるという不思議さ。　これが、今後どう豹変するかである。さすがに結球した製品までを薬漬けのままで作りたくは無い。売るのではなくて、自家で食うものだからである。すでに植えたブロッコリや、未だ植えていないがハクサイも同様である。　カリフラワーはすでに発芽の段階で失敗して、植えた数が半分以下で、少ない。　昨年はブロッコリは全部鹿に食われ、カリフラワーは花にカビが出て腐った。今年は何個採れるものやら。　　西園ではナバナの摘み取りが最盛期。北園では冬越し早池峰菜が収穫期、南園ハウスではチマサンチュが、柔らかくて大きくて、最高の仕上がりである。　かたや西園の冬越しサラダナは、いじけてダメ。小さな葉っぱばかりで立ち始めて、じきに花が咲きそうな気配。除草剤でも残っていたんだろうか。　ニンジンとホウレンソウとカブを間引く。　大きくならない、針のように細いタマネギの畝の草引きをしていたら、となりのジャガイモがボコボコ芽を出していた。今年は網をかけて、更に細かい鳥網で覆っていたので、ネズミかハクビシンかタヌキか、アライグマかわからないが、そいつらに畝を耕されることは防げた。　但し新芽の多くが霜で焼けて痛んでいる。　今年はマムシグサの花も遅く、やはり昨年より寒いようだ。　ナスはやっとポット上げしたが、トマトとカボチャ、キュウリが出てこない。　猫の額（加温温室）で蒔いたペッパー類も、発芽数が少なく、ハウスで蒔いたやつは未だに発芽皆無である。サルの出る北園には、ハバネロとハラペーニョと韓国風のトウガラシ、タカノツメをびっしり植えるつもりだが、出てこんことには、どうしようもない。　西園にはパプリカとジミイナルデロス、マクワにメロンも、更にスイカも、もくろんでいる。単二の乾電池が、継続して手に入ったらの話。

2011年04月23日

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倫理・道徳とは何か 34

　資本主義的な、魔術的観念論の経済社会の中にどっぷりと漬かって生活している私どもは、それでも社会が理想的な方向へと向かっていることを信じようとしている。　しかし、社会が理想的な方向へと向かっているというその考え方が、すでに形而上学的なのである。哲学は、決してそのような安心立命の考え方をしない。　実際には、見えていないモノに、立て組まれていっているだけであるのでは、と、必ず不安な無知を先に立てて警戒する。更に求めるのは常に中庸である。理想は求めない。　これは小生が承前で述べたカテゴリーの、４つ目の所以である。　マルクスが見ようとしたモノというのは、そんな哲学特有の中庸の不安の中に置かれた、経済の歴史という立て組み、だったのである。　それは騙りモノの偽りの「モノ」ではなくて、歴史（ヒストーリエ）という記述されモノ化された時間に炙り出されてくる、言わばクラスの図式だったのである。　未来ではなくて、過去からの時間経過が照明するクラスの方である。史的唯物論の由縁である。　カテゴリーは明るい視界を提供するが、経済という相手は実在ではないので、容易に対象化し難い。既存のカテゴリーは役に立たない。　経済といった、この手の魔物を対象化把握するには、その最小の価値のクラスを把握し、時間経過が示す歴史が物語る、クラスが語る弁証法に頼るしかなかったのである。　弁証法的唯物論を主張したというのも、誤りである。唯物論という名の形而上学を主張したいわけではないからである。

2011年04月23日

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放射能地帯立ち入り規制に怒り心頭

被災者をいじめてどないやねん！　誰が立ち入り禁止を言うとるねん！　さっさと東電潰して役員を全員しょっ引け！　これ以上人災を増やさんように、早うダメ首相のクビをチョン切れ！　ノロい政府や東電の人を馬鹿にした対応もそうだが、地元住民を法律で縛って何とかなると思っている連中を、早うに、どうにか始末できんのか。　立ち入り規制区域の設定にいたっては、怒り心頭で目が回る。何考えとんねん、アホ、ボケ！　お前らの運転が危険で間違っとるから、放射能地帯ができたんじゃろが。誰もハラも切らんと、この上、更に被害者住民の方の規制にかかるんかい。そのうちに、ぶっつ殺されっど。　被害拡大に手を貸した総理がノコノコ見回りにきた時に、なぜ取り囲んでズタボロにせんかったのか。　東電社員の２割給与カットなども、今やることじゃねえだろうが。　役員全員すってんてんになってから、迷惑をかけた国民にお伺いをたててから、やれ。東電には組合もないのか。抵抗する社員はおらんのか。　ただでさえ労務環境が厳しいなかで、過労に耐え、電気の復旧に尽力している社員を何様だと考えているのか。会社所有の持ち物とでも、おもっとるんか。　むしろ過労手当てを割増しすべきなこの時期に、勤労意欲をなくさせて、停電を頻発させるるつもりかい。　前代未聞の危険行為を黙認続ける検察もだが、ハラが煮えくり返って気分が悪い。限度を超えると土佐弁は皆目消えて、関西風の国籍不明言語が出てくる。　これで東電へ国の融資などと言い出しおったら、その場で、言うやつをしばきたおしたる。

2011年04月22日

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倫理・道徳とは何か 33

　ここまで過激に述べても、誰も足元の不安を見出す人は居ないだろう。　それほどまでに堅固に、私どもは捕らえられ、立て組まれて追い込まれているのである。　唐突であるが、ここでマルクスの史的唯物論を思い出してみたい。革命がやりたいのではない。立て組みの影を、浮き上がらせたいだけである。　人々はこれ（史的唯物論）を、経済という実在について対象化把握し、その人生行路の諸段階を革命家として読み定めたのだ、と逆読みした。　人々の労働が支える経済という実在のモノがあり、それが原始共産制から封建社会となり、より複雑な資本主義社会へと脱皮し、さらに社会主義が起こって共産主義へと至るのだと。　経済というミュトス的な魔物を、マルクスが無産階級の労働という基本的な人間の存在理由を見出して、実践参加という思想から捉え直したのだと。　この読み方には致命的な誤りがある。　経済というモノの実体は無いし、実在でもない。実際には、無数の商売取引とそのための生産活動、分配活動があるだけである。秩序を測りかねて、カネに仲介を託し、統計的に理論化しているだけである。　経済を支配しているのは媒介の力だという思いが念頭にあって、カネの価値をどうやって計るかに苦慮しているのだが、経済はミュトス的な魔物であるに過ぎないことを忘れている。媒介の力という発想が、もともと間違っている。　マルクスが述べたのは経済理論という形而上学ではなくて、無知に至る哲学である。資本についての、ヤブニラミで革命的な、無知の知なのである。　シェリングのような観念論で考えずに、具体的な「モノ」を見て考えましょう、と言っている。これは幸い、小生と同じであるので馴染みやすい。　そのモノというのは資本主義理念の美的商品などではなくて、個々の人が労働によって得ている、いわば個々人の労働と等価というモノなのです、と。社会における労働の価値化は、ここで起こっているのですと。科学技術的な運用ができる対象把握の最小単位を楚定しているのですと。　考える、そのモノに商品価値があるのではなくて、個々人の実践する労働と等価という意味に過ぎないのだと。そしてこの対象化された労働の評価が、資本という立て組みの正体なんだと。　この、価値が立て組まれる魔術的観念論の社会では、ミュトス的な魔物が一人歩きをするので、その姿は歴史というクラスの形でしか見えてこないのだと。　実在ではないので、カテゴリーは無用の長物。時間枠のようなコンクリートされた記述で認識するしかないシロモノなのだと言っている。歴史記述的な（ヒストーリエとして）ものとして概観できても、実践参加でしか理解できないモノなのだと。　現代の資本主義社会は、ただ、商売のモノの歴史として見えているのだと。　やがて高度な資本主義社会が来るだろうが、その資本主義社会は、労働する個々人を疎外して、労働力という価値として立て組み、搾取することで成り立っている。この社会の延長であるから、いずれ革命が起きてしまうのだろうと。　マルクスは富裕層の中にあって、キルケゴールと同様、人生行路の諸段階を、不安を持って概念化せんとしているだけなのである。資本の実在や、無産階級の権力の実在について主張し述べているわけではない。権力がほしいわけではない。　ましてや、経済学という名の形而上学を構築したいわけではないのである。資本という魔モノについての（不安な、つまり中庸な）哲学的考察があるにすぎないのである。

2011年04月22日

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　歴史上のif（１機の代替機が飛んでいたら）

　世間に同じ発想をする人は数多い。先日、歴史上のifという、過去のオイラのブログと同じテーマの歴史番組をやっていたので、興味を持って長々と見てしまった。　パネラーで出ていた黒鉄ヒロシが、高知の酒場で坂本龍馬をネタに、ただ酒を飲んでいたことを知った。　酒場で龍馬論を大声でぶっていたら、別席で誰かが必ず、おまさんそれは違うぜよと言い出し、あとはその人の意見を聞くことで、ただ酒が飲めたというのである。そういう手があったのかと、感心した。　確かに土佐人は、そういう理屈っぽいところがある。いごっそう、という。　県外に出たオイラは、カネが無いので、外では全く飲めなかったのである。賢い人は、どこか違う。以下は過去の歴史上のifブログ。探せばもっとあるはず。http://plaza.rakuten.co.jp/tikudenmura2/diary/200506290000/http://plaza.rakuten.co.jp/tikudenmura2/diary/200506210000/http://plaza.rakuten.co.jp/tikudenmura2/diary/200506100000/　ともあれ、歴史上のifに、些細な一節を加えることにした。　重巡洋艦利根の水偵が発進できなかった時、１機の代替機が飛んでいたら。　カタパルトの故障というのは、実に些細な出来事なのである。　実はこの事故には、不可解な問題点がある。イカガワシサが、あるのである。　南雲提督の航空戦指揮が稚拙なのは、すでに真珠湾で明らかになっている。　第二次攻撃隊の発進を許可せず逃げ出したことを見ても、それは明らかである。それにしても、何百機もの攻撃機を擁する機動部隊の幕僚たちが、なぜ誰も代替の偵察機を出そうと言い出さなかったのか、不可解でしようがない。　目隠しをして戦争しようというのだからである。日本人には、システム運用上の、こういう致命的な欠陥が、体質的に、あるのかも知れない。　ifの歴史では、利根の水偵が未発進の報告を受けたあと、代替の９９艦爆が１機、即座に赤城から飛び立つ。予定通り暗殺剣の方角へ。そして空母ラシキモノを発見、と打電してくる。　４隻の空母上では、索敵の情報を待ちわびている。未だ陸上攻撃を準備前である。空母は居ないのではといった意見を吐く、アホな幕僚も居る。敵は２隻しか動員できない。米国人は、孤立したアラモを見捨てるだろうと。　見捨てるのは、日本人だろう。ペリリューも、トラックも、レイテも、硫黄島も見捨てた。　機動部隊は艦隊進路を即座に変更、攻略予定のミッドウエーから遠ざかる方向に舵を切る。島より大物が居るのである。　続いて偵察機は、２隻目を発見。艦載機が飛び立っていることを報告してくる。　南雲中将は、戦闘機を含む第二次の威力偵察部隊と200機の攻撃部隊を発艦させる。　相前後して、機動部隊も敵に見つかったことが判明。　数十隻の護衛艦隊が空を弾幕で染め、１５万馬力のエンジンをフル稼働させ、３０ノット近い高速で、４隻の巨大な空母が円を描いて逃げ回る。　上空直援機が、かろうじて敵の襲撃を撃退しているころ、圧倒的に数に勝る攻撃部隊は敵のヨークタウン級2隻を炎上させている。珊瑚海会戦の満身創痍のまま駆けつけたヨークタウンは、イ６８潜が仕留めた。ホーネットも９７艦攻の航空魚雷で撃沈。雷跡の残らない酸素魚雷という、当時の世界最高の魚雷である。　戦勝に沸き立ち、帰還する攻撃隊を待つそこへ、突然に第３の空母発見の報告。　これには赤城艦上の誰もが、うろたえる。想定外だからである。　いくら数えても、敵は２隻しか残って居ない。３隻目はドックに入っているはず。たった３日で、出てこられるはずはない。　直後に赤城はドーントレス機の急降下爆撃をくらい、甲板に大穴が開いて火災が起こる。加賀も同様、続いて蒼龍も火災を起こす。　しかし甲板上に付け替えた爆弾ゴロゴロという状況ではなく、片付いている。格納甲板もからっぽで、燃料満載の艦載機もいない。よろめきながらも、３隻は持ちこたえる。　飛龍の山口少将が、帰還した１次攻撃隊を次々と収容し、すぐに爆装して燃料補給し、発艦させていく。　そして３隻目の、奇跡を起こした敵艦、USSエンタープライズｃｖ－６の撃沈。　　飛龍は着艦した機体を次々とその場で海に投じ、次の機体を待ち受ける。やがて甲板はどこもスクラップの山のような状態になるが、飛行兵たちは無事だ。　アリューシャン攻撃隊の鈍足空母群を離れ、瑞鶴が復帰合流する。ドック入りしていた翔鶴も復帰する。数百の航空機を失うが、歴戦のパイロットは、ほとんどが健在である。爆弾をくらった３隻も、３ヶ月もあれば穴を塞いで復帰できる。　合衆国はやがて５万機のグラマンを揃え、次々と新型エセックス級１５隻を就役させてくることになるが、先の話である。正規空母の無い空白の期間が、この後しばらく生じるのである。　USSエンタープライズなき今、陸上基地のパイロット連度も士気も、すでに問題にはならない。何十隻も突貫工事で製造されている鈍足な護送空母など、装甲もなく、鈍足で、脅威にはならない。　明治生まれの金剛以下４隻の巡洋戦艦を露払いにして、３５ノット近い高速で驀進する、６隻の攻撃空母で編成された帝国機動部隊を阻止できる戦力は、すでに世界中のどこにも無い。

2011年04月21日

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倫理・道徳とは何か 32

　経済学はもっかのところ、経済をまったくもって、管理できていない。　近代経済学も、マルクス経済学もである。それどころか、悲惨な事態を酷くしているだけである。大勢の失業者を塗炭の苦しみに落とし、自殺者や強制労働で死んだ人の山を作っているだけである。　早い話、経済学は、社会の経済の仕組みとは完璧に別物なのである。　これは時間つぶしのリングに騙された、形而上学の一種に過ぎない。頭脳明晰な学者たちが多数参加し、高度なアルゴリズムや数学を多用するので、人々がその魔術に惑わされているだけである。実態は、魔術的観念論なのである。　法学も同様である。　私どもは法という騙りモノを使って社会の秩序を運営し、理想へと導いているという誤った魔術的観念論に取り付かれている。頂点に立つ法相や検事総長があのざまでは、社会の秩序や理想の出自が知れる、というものである。　ローマ法の時代から、帝国の強大な軍事力をもってしても法的秩序などが全うされたことはないし、その権力を保障するモノも実は無い。いまや実態は経済の僕なのである。カネを集めて使うために法律がある。　膨大な法学の体系がある。あれらは、騙りモノの形而上学的体系なのである。惑わされている人々がいなくなれば、無意味なものである。　法に、淵源や実体があると考える学者は多い。　いや、むしろ、それに淵源も実体もなければ、カタリモノによって正義が全うされ、悪が裁かれ、社会が理想的な方向へと、その秩序を構築していくはずがないではないか、と。　社会が理想的な方向へと向かっているというその考え方が、すでに形而上学的である。　実際には見えていないモノに、社会全員で立て組まれて、がんじがらめになっていっているだけである。

2011年04月21日

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甘い想定３

　関西に住むオイラには放射能など関係ナイ。他府県の人には売れない京都の水は、安全どすえ。　そう考えているアンタは甘い。　確かに列島には上空のジェット気流というのがあって、西から東へ流れている。天候も西から東へと移っていく。しかしこれは季節によるのだ。風向きは季節で変わる。　海流も、黒潮は確かに西から東へと流れている。しかし、これはかなり沖合いを流れるのである。沿岸部には別の、複雑な流れができる。　早い話、東から西への強い流れができている。放射能はもう、沖縄まで来ている。　韓国でさえ気を尖らせて測定しているのに、関西の各県が、なぜ沿岸部の放射能測定をちゃんと公表しないのか。　　もし間違って検出してしまったら、海産物が売れなくなる、農産物が売れなくなる、風評被害が広まる。あげくの果ては、検出者が責任を押し付けられる。　学校予定地にウッカリ見つけてしまった、古代遺跡のようなものである。教育委員会側で封印して、コッソリ破壊するしかない。　遺跡なら、過去に用済みなので、バレない限り、それでコトは収まる。　そう言っているうちに、子供たちがバタバタと死んでいくことになる。　棺おけに片足つっこんだようなオイラたちの世代は、もう関係なしである。　子供たちの世代の寿命が短くなり、孫の世代には奇形が増え、英孫の世代にも、その次の世代にも、それは引き継がれてゆく。日本人といえば、ああ、放射能人種ね、となる。　広島、長崎の悲劇を背負った日本人が、更なる業を引き継がねばならなくなる。いや、もう、なっている。１億総被爆者の時代。人口密度でチェルノブイリと比較すると、それ以上であることになる。　健康被害がわかってくるのは、ずっと先のことである。これをマスコミの誰も指摘しないのは、不安を煽って風評被害を広めたと、言われたくないからである。　オイラも築地魚市場の株主である。魚介類は危ないでっせ、などとは口が裂けても言いたくない。魚を食うのも、やめにしたくはない。ましてや国産のコメや野菜を食わずに済ませるなどは、金輪際できない。　甘い想定というのは、こういう自分のことを言うのである。　次の東南海地震で中部電力の原発は間違いなく崩壊し、沿岸部の一帯のみならず、広範な地域で人が住めなくなるだろう。　同時期かその次の南海地震で１５ｍ級の巨大津波が起こり、大阪や四国各地の平野は壊滅して、平野全体が水没するほどの被害が出るだろう。水は川を遡っていくらでも奥地に入り込む。海抜１５ｍ未満の地域は全滅となる。死者数を推定していただきたい。三陸とは比較にもならない。　それがわかっていても、カネが惜しい。だからマグニチュードは、可能な限り低く見積もる。想定外の被害には、国や市町村も経費負担免除で済むからである。役場や市庁舎が残っておればであるが。　甘い想定とは、そういう自分のことを言うのである。

2011年04月20日

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倫理・道徳とは何か 31

　ミュトス的なものは、実在とは無縁だが社会が存在する限り存在し、そのバーチャル・リアリティで人を惑わし、楽しませる。　美術や芸術なるモノも、その仲間である。そして、善も、徳も、倫理・道徳も、である。これらはロゴスとは違った意味で、社会的仲介者であると言える。　これらのカタリモノに、ロゴス以上の信頼を置いている人々のブーイングが聞こえそうである。しかし更なる、無謀に見える追い討ちをかけたい。　芸術や美のみならず、社会規範とされている諸々、倫理道徳のみならず、経済や、法や、諸々の趣味や、流行や、歌や、文学、これら全部が同じ仲間である。　ミュトス的な反ロゴスの陣営に属し、仲介者であることを目論む「騙りモノ」であって、それ以上のものではない。　天上に類似の「時間つぶしのリング」がちらちら見えるので、誰も彼も、それに騙されてしまっているのである。かなり過去に、サークル活動として論じていた魔術的観念論のリングである。　常識的には、そんなことが最もありえないと思われるだろう、経済学を例に考えてみよう。　これは社会を実働させている価値管理の学術システムでできていると、誰もが考えている。科学技術なんだと言われ、それを信じきっている。　倫理・道徳が人間相互の人としての社会的なありかたを規範化しているように、貨幣経済の流通とその相互のシステムを司って、需要と供給、そして資源と配分を科学し、人々の暮らしを支えているのだと。　とんでもない危険を孕んでいる、誤った形而上学的定義だと思う。　倫理・道徳という誤った形而上学が人々を不幸に落とし、経済という誤った形而上学が、人々を不幸に導いてきた。

2011年04月20日

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甘い想定　2

　1986年のソ連当局には少なくとも、それら全てがわかっていた。冷戦中で、危機感もあった。　だから手持ちの資金や技術力を総動員検討した結果、作業者や国民の安全確保は不可能と判断し、あれほど広い、しかも多くの国の連合体であるにも関わらず、国土の汚染地帯を増やさない代わりに、国民を動員投入することにしたのである。情報も封じ込めた。甘い想定はしていなかったが、想定どおりとなった。　次々と封じ込めの作戦で狩り出された作業員は８０万人にも上った。暴走する原発相手の戦争で、結局５－２５万人死んだという推定もある。現在も３００万人の被爆者がいるという。これらの人々が人命で危機を封じ込めたのである。３０キロ圏内のみならず、数百キロにわたって点々と、危険で立ち入れない村や町が今でもある。　この事件は結局、ソ連邦解体の一因となり、封じ込め作業は、ウクライナ共和国で今日もまだ続いているのである。最近はカザフスタンなど外国からの移住者が危険地帯に多いらしい。　倒産を目前の東電には、こんな回収のあてのない分野にカネを回す余裕などはないと思う。ソ連ほどの、思い切った手は打てないということである。　退職する役員への法外な報酬は出せても、倒産すれば現場の下請けは見殺しにするつもりなのである。そんなことがわかっている連中になぜ、いつまでも危機を丸投げで任せ続けるのか。　最悪の事態が起きてしまっているのである。至急に、何百兆円かかろうとも、これ以上の放射能が撒き散らされることのないように、今後の爆発や漏出といったことをこそ、カネをかけて、知恵をかけて封じ込めていかねばならない。　それにはまず、世界中に頭を下げて専門家の総動員とプロジェクトチーム化が必要である。現場の作業員の待遇改善などから手がけるべきことなのである。現場に入るものには英雄年金と十倍の給与保障くらいの手立てが要る。　東電はさっさと潰し、持ち株はすぐに全部売却すべきである。連鎖倒産が無数にでるだろうが、賠償金の一部や、対策費の一部が、すぐに出せるだろう。　役員は全員しょっぴいて個人資産凍結の上、東電は体力のある債権者管理の別会社にし、資産切り売りと営業利益で賠償金に当てさせていく。　原子力部門のみ政府管理として切り離し、他の電力会社からも外国からも専門家を集めて、政府予算の予備費や埋蔵金全部つぎ込んで、他の事業全てをあきらめても対策を先にすべきなのである。　対策費税新設もいたしかたない。電気代値上げもやむを得ない。消費税２０％、重油税、ガソリン税、軽油税も。特に年金の一律最低額へのカットや高額給与への増税など、どうだろう。　国債は暴落し、株は暴落、超不景気と超インフレが、同時にすぐに来るだろう。　政府はつぶれ、とっくにクビにすべきだった総理や大臣は間違いなくクビになる。そのかわり、これ以上の領土減少と、将来にわたっての人命への被害拡大は防げるかもしれない。　小松左京氏は、離散する人々をありありと描いている。人災で国土が崩壊していく惨状ではないが、描きたかったのは自然の猛威などではあるまい。カネや地位を惜しんで破滅する人々など、描きたくもなかったと思う。

2011年04月19日

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倫理・道徳とは何か 30

　小生は逃げ道を作っておいた。　哲学の正面玄関からは追放する。しかし裏口からは招き入れるのか。　そのとおりである。　裏口からは招き入れ、ヤブニラミに料理して捌き、倫理・道徳とはナニカ、考える材料にして悪いはずはない。これまでにもカテゴリーにはまらない身体の延長であるモノを考えるために、バーチャル・ガーデニングというのをやってきた。　更に、道徳的論述が騙る、倫理という相手がすでに、実在のモノではない。　リリシズムや善や倫理の、何であるかを、哲学が語って悪いという法律はない。　実際に西田先生も、章を割いて善の解析をやっている。読んだのは高校生のころで、小生には全く理解できなかったが。　小生が述べたい要は、”哲学の教え”としての倫理学だの、美学だのは無い、ということである。西田先生の善の研究も、”善の教え”では、ありえない。もしそうなら唾棄すべきモノであって、そんなものは哲学ではない。　シェリングは天上に仰ぎ見るリングの力と一体化して、哲学者としてやってはいけないことをやっているのである。一種の魔術的観念論の科学技術化である。　魔術的観念論に魅入られた詩人や文学者は世に多い。というより、無数に居るだろう。　ノヴァーリスの名で知られるフリードリッヒ・フォン・ハルテンベルクなどは、シェリングより過去の人（1772～1801）だが、その代表だと思う。「青い花（ハインリヒ・フォン・オフターディンゲン）」などは、小生の愛読書でもある。

2011年04月19日

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甘い想定１

　東電福島復興案が出た。　３ステップで線量を減していく９ヶ月対策案のようだが、破局への時間稼ぎに見える。　炉心爆発といった、これ以上の危機事態の押さえ込みも、シナリオにはない。避難させた人々へのプランも皆無だ。本当は全く、メドさえ立っていないのではあるまいか。　少なくとも今の下請けばかりの作業体制では、１年でカタがつくなどというのは、はためで見ているド素人にもわかる、津波防波堤以上の超甘い、うそっぽい安上がりな想定。　安心させておいて、破綻したそのころには、コレコレが想定外でした、あるいはカネがありませんでしたと言えば済む。後は国に任せて、オレタチ役員全員札束持ってとんずら、というつもりなんだろう。　東電からカネをもらっているこいつら、役員もウソツキの教授連中も、さっさと全員しょっ引け！。獄中で、押さえ込み案を練らせ、自分たちで現場作業をさせるべきである。オレがオレがというくせに丸投げする首相は、朝から晩まで、福島県産の食い物ばかり食ってろ。　メルトダウンが起きて、自然に存在するはずのないセシウム１３７を漏らしてしまっているのである。これ以上の危険行為があるだろうか。３０年後にやっと、その放射能値が半減するだけである。完全冷却の方は、現状の把握や作業員の安全確保、冷却体系の再構築などの足場つくりだけで何年もかかるだろうし、放射能の漏れの危機的状況もまだ続いている。炉の温度も安定して押さえ込めているわけではない。　どうなっとるのか、ほとんどわからん、ほとんど推定、状態なのである。　今は少なくとも炉心爆発といったことが起きないように、いくらカネをつぎ込んででも、安定化を図らねばならない。それには特に、あらゆるデータを公表して専門家の知恵や各国の装備品を出させ、危機管理プロジェクトとしてベテラン人員とともに応援してもらって投入することと同時に、作業者の安全確保や労働条件改善こそに法外なカネをつぎ込む必要があるのだ。でないと優秀な技術者が集まらない。応援も呼べない。　データを隠蔽し、人員やカネとともに出し惜しみし、小出しにして人心操作にばかり気を取られている人々に、それがわかっているのだろうか？　ロボット投入なども何台規模ではなく、何千台で即座にやるべきだ。　国内総動員規模で、使えそうなヤツは全部赤紙召集し、即刻投入すべきである。少なくとも手塚マンガは、そうだった。

2011年04月18日

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倫理・道徳とは何か 29

　さて、浅学軽薄短小な、うわべだけの哲学史はそのくらいにして、ミュトスの追放に取り掛かりたい。　真、善、忠、孝、美、などのエンターテイメントを、哲学の世界の正面玄関から追い出したい。　　そんな無謀な、と思われるかも知れないが、これら真、善、忠、孝、美は、ミュトスである。　ことごとくナニカの”語り物”であり、対象認識における実在ではないからである。　対象を持つ主観という、むしろ「違和感」や「影」にも似たナニカを、むりやり対象認識に持ち出そうとした特殊なクラスだからである。　アリストテレスの述べたカテゴリーにはない。パラス・アテナとともにあるロゴスの陣営には属していない。反ロゴスの陣営にある、言わば”騙りモノ”なのである。　叙情、美学、趣味、倫理・道徳、善、芸術、そしてこれらを操る美というシロモノは実在しない。　実在するモノは、ことごとく具体的な対象を持つモノであり、そこに歌や、美や、趣や、道徳観、よきこと、技芸を見出すのは、私という個人の、実在とは無縁な一期一会の感性であるにすぎない。感情を導き出すモノ、身体的感受性のクラスといって、いいかも知れないが、それとして対象化し反省したモノは、どこにもないe-dinの庭と考えていい。ロゴスの法の陣営には無いからである。　これらは”語り物”として、ムーサの仲間として天下る天才であると同時に、エンターテイメントとしての”騙りモノ”である。　人々を楽しませ、人の注意を引くバーチャル・リアリティーだ、ということである。　洪範九疇にはあっても、対象化済みの現実には属さない。つまり政治には属しても、実在の形式であるべきカテゴリーではない。　その身体的感受性が良しとする表象像・言語は、スピノザ先生によると、じつは単なる身体の運動である。繰り返すが、対象的実在では無くて、身体の延長である。　この説には大賛成である。実は小生も、庭の定義に身体の延長を利用している。　早い話、耕すことや、集めること、歌うこと、ほめること、・・・舞うことや、描くこともあるだろう。「能の所作」を、考えていいと思う。　現実の所作ではなくて、仮面をつけて行う仮想の所作、なのである。エンターテイメントだということである。　能は、だからわざと仮面をつけて、これが幽な（つまり隠れて見えない）仮想の現実であること、実際には一期一会でしかありえない現実への玄関に過ぎないことを、くどいくらいに告げている。　現実や実在を問う哲学が、仮にも仮面をつけてバーチャル・ガーデニングをやることはあっても、バーチャル・リアリティーをやって、これが現実である、実在であるといった、形而上学を述べることはありえない。　哲学は無知の知であって、エンターテイメントではないからである。

2011年04月18日

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倫理・道徳とは何か 28

　ついでに、といっては失礼にあたるかも知れないが、シェリングより重要な過去の人、スピノザについてまとめてみたい。シェリングの美的直感は、かなりの部分をスピノザに学んでいると思うからである。　スピノザは、「エチカ」を書いたことでも有名である。　彼はデカルト的な、我のロゴス的な自由を認めない。心身合一論の立場から、むしろ人間についての無知を探求した人なのである。エチカは、その成果ではなくて、哲学の理由なのである。「精神は、それ自らおよび身体を、永遠の相の下に（sub aeternitatis specie）認識するかぎり、必然的に神の認識を有し、みずからが神の中にあり（in Deo esse）、神を通して考えられる（per Deum concipi）ことを知る」（ネット上の解説から借用）　と、彼は述べている。ここに、シェリングの理論の基礎がある。実は、キルケゴールの思想の基礎も、ここにある。　但しこれはスピノザのエンターテイメントなイデア論ではなくて、バーチャル・ガーデニングなのである。つまり概知だと思われている精神と身体についての無知の知の表明なのである。　そして問題の、Ethica ordine gometrico demonstrata。　ユダヤ教を破門されたオランダのスピノザは、Ethicaを書くに足る十分すぎる理由があったはずである。その中身も、形而上学、心理学、認識論、感情論、倫理学、の５部で成り立って、定義と公理、証明、がなされ、ユークリッド風であるといわれる。（実は小生、読んでない）　外見だけだが、見てのとおり、倫理の教えを記述したモノではなく、道徳を研究して倫理を見出し、体系化しようとしたモノでもない。　これは、社会的人間として自己の足場を探す虐げられた人が、実体、神、自然、というアルケーを見出して始める、切実な哲学なのである。　彼は神の力で、欲望、喜び、悲しみの三種類から構成されている感情を制御したいのである。　「すべて高貴なものは稀であるとともに困難である」といった論調からわかるように、高貴とか美徳とかには、すでに目が行っている。　社会的価値観やその規範にはすでに囚われているのだが、直観知を獲得して自由人となること、が目的なのであるから、社会的価値観やその規範に囚われたいわけではない。　エンターテイメント要素は皆無であると思うし、哲学としては不純な動機とは言えない。　そしてこの著書も、実は生前に出版されたものではないのである。エチカという題名も、彼が意図したものかどうかは怪しい、ということである。　表象像・言語は、その実は単なる身体の運動であると考える、この先生は侮れない。　著作もまともに読んだことはないし、これまで興味もなかったが、これをきっかけに勉強（まねし）したいと思う。

2011年04月17日

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　倫理・道徳とは何か 27

　シェリングは、超越論的哲学の体系において「我の前史・我の超越論的過去としての自然」という構想を得たと言われている。露な自然ではなくて、我の超越論的過去としての、（神の力を持つ）自然である。　カントが述べたトランツェンデンタール（先験的な）という意味を、無知の知である哲学の導き手ともなる人智のアルケーとしてではなく、完璧な天上のロゴスとして理解してしまっているのである。つまり、先立っての哲学の放棄である。　シェリングはフィヒテに学んだが、我について(Vom Ich) で、我のアイデンチチイを制約の無い自由だ、としている。物(das Ding)に対し、無制約者 (das Unbedingte) としての我は「 Dingにされないもの」となるという。　Dingにされなくても、Etwasなものはモノだと思うのだが、欧米語では対象でない建前としての能なモノの概念がないので、この理屈が通るのだろう。　小生がシェリングの思想を先験的観念論と呼ばず、超越論的観念論だと述べるのは、超越論では哲学ではなく、形而上学だと、思うからである。　小生は形而上学を、伝統の哲学だとは最早、思っていない。（過去にはそう、考えていた。）　むしろ哲学を倫理学や美学に貶めてきた根源の理由だと、今は考えている。　先験論と超越論の違いは、日本語に翻訳して初めて明白に出てくる問題である。カントが述べた、同じトランツェンデンタールの訳である。　理想社のハイデガー訳の多くも超越論を使っており、小生もこれを使っていて三村先生に再三疑問指摘されていたのだが、当時は気がつかなかった。最近になって致命的な、その不具合に気がついた。先生の方が正しかった。　つまり、実在や現実の物事と哲学的思惟の接点ともなる入れ子問題がここに述べられているのに、超越してしまうと、それが見えなくなるのである。超越論では媒介の力の方が表に出てしまい、哲学の座は無くなる。神学や宇宙論になってしまう、のである。　つまりシェリングの場合、哲学が美を探究し、見出したのではなくて、彼の出会った形而上学的な全知全能の時間つぶしのリングが、超越論的観念論という哲学風の理論を立てさせたのである。純粋直感という名のリングである。これは哲学ではない。　唾棄すべきプロチノスのようなプラトン主義者に見られる一般的な傾向だが、特に彼の場合は酷いように思う。　ロゴスの場であるカテゴリーの成り立ちをも無視し、どこにも無い神の美や神の倫理に、哲学を従属させてしまったのである。　彼の哲学は美的直観だと良く言われるが、実際には、真、善、美、そして倫理や趣味や芸術までが一体の、偉大なライプニッツとはまた違った意味で、ロゴスもミュトスも包摂した、究極のイデア論なのである。　これは倫理学や美学を世に広める推進力と、なったのだろう。　現代の人の多くも、シェリングには魅了されているのだろうと推察できる。カント先生より、はるかに馴染みやすい。キルケゴールより先に読んでいたら、小生もまちがいなく魅了されてしまったはずである。　キルケゴール先生などは、はっきり言って馴染めないイヤな人物だからである。常識では相手できない。　恋焦がれて誘惑した婚約者を、平然と突き放すような人物である。　究極のイデア論という、エンターテイメントが嫌いだったからである。　世のロマンチスト（不倫好み者）は、エンターテイメントがお好きである。　哲学を人生論や認識媒介の理論だと考える人の多くは、シェリングに影響されているのだろう。　反ロゴスの陣営にあったミュトス的なモノをことごとくイデア論にまるめこみ、ロゴス化して、主客対立からも、モノと心の乖離からも自由になったように「見える」からである。　これはしかし、哲学の完成ではなく、放棄だと思う。

2011年04月16日

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　倫理・道徳とは何か 26

　しかし社会には、エステチックサロンが大流行し、倫理・道徳が学問分野にまでなって探求されるのだ。しかもその倫理や美が、どうやら哲学の伝統を脅かしている張本人である。この不思議さに分け入らないで済ませる理由は無い。だから本稿が取り組まれた。　ここで、美を哲学の中心テーマに据えた、シェリングに注目してみよう。伝統哲学の終焉を宣言してしまったのは、この頭のいい哲学教授のエンターテイメントの仕業ではないかと、薄々であるが、思うからである。　「自然は知覚の対象になりうる精神であり、精神は知覚の対象とならない自然である。」と考える彼は、詩人ヘルダーリンと実に良く似た自然観を持っていたようである。常識的自然観ではなく、もちろん古代ギリシャ的なそれでもない。理想的自然観。　オイラが自然だ、というわけである。　そのオイラが考えた超越論的観念論の体系で、芸術は超越論的哲学の系列の終極に位置づけられる。そして哲学の真の、また永遠の証書であり機関である、とされるのである。　どういうことか、というと、ささいな、素朴な疑問であるアルケーは捨てたのである。　同時に、主客という自己分裂や人間ー自然という分裂も捨てた。　壮大なテーマや最高の真理こそが求められ、人間社会の芸術というシロモノまでが、逆に哲学のアルケーに据えられたのである。　ロゴスより、ミュトスに魅入られたのだ、といっていいと思う。但し人が語ったミュトスではなく、自然という絶対神＝オイラが語ったミュトスである。　彼には目的があったのである。形而上学である。　「神そのものの生成と自己展開の歴史としての世界叙述」などといったテーマを見ると、背筋が凍る思いがする。人の分限を超えようと画策しているのである。　しかし同時代には、誰も彼の哲学を理解しなかったという。　若いキルケゴールは期待して講義を聞いてエンターテイメントの筋書きを読み解き、深く失望したのである。　１００年後、シェリングのテーマは復活を遂げ、脚光を浴びる。そして、現代は彼の時代である。エンターテイメントとしての芸術が、美が、神となって世界を支配したのである。

2011年04月15日

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水のペットボトル買占め

　これは古代ギリシャのえらい先生も手がけた世渡り術である。誰だったか忘れたが。弁論術家業なんぞやっていてはもうからんだろうと言われ、豊作のぶどうの収穫前にタルを買い占めて大もうけしてして見せた。　オイラも見習いたいが、株では大損ばかり。　この先生の例では、買占めの重要な決まり事が表されている。　先買いであること、そして徹底的に大口で買うこと、それから目的を絞り込んだモノを意図的に、悪意を持って狙うことである。　スーパーで乾電池がなくなったとか、ペットボトルが無くなったなどというのは、誰かがごそっと全部買っていったとしても、それは買占めでも何でもない。単なる群集心理の狼狽買いなのである。オイルショックのときは、トイレットペーパーから砂糖から、しょうゆまでが狼狽買いされた。個人個人が違うことを考える外国では、ありえない話だろう。　買占めは、小売店頭から先の話ではない。前もって、買わねば買占めではないし、相場を左右できるような大口でなければ意味が無い。そして、買い占めて誰かを困らせ、儲けなければ何の意味も無い。　先物でなければ意味がなく、ペットボトルの水なら、それは水源を押さえるか、ボトルを押さえるということである。早い話、先物取引や、おろし前の話であって、流通機構に普通に乗ってしまえば特に儲けも無い。　たぶん、賢い先物バイヤーたちは、今回も大もうけしたんだろう。　これを規制していたら、自由な先物取引などなくなる。自由経済ではなくなって、資本主義の理念がつぶれ、硬直した社会主義計画経済となってしまう。　京都市水道局が、東北や関東圏からの注文を断りペットボトル市民限定販売にしたというけったいな話もある。　あれは単に出し惜しみ、というやつである。京都人の姑息な性格がにじみ出ている。一種の貴族主義で、自分らだけ、いい目をしよう、というのである。　むしろ今は損害を出してでも増産体制を取り、東北や首都圏優先で販売するべきだろう。

2011年04月14日

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倫理・道徳とは何か 25

　人の感性は実在しない、と言うつもりなのか。　そのとおりである。オシャカ様も、明確にそう述べている。個人が死んだら全てワヤで、オシャカだと。輪廻転生などは無いと。　公共のモノとしての感覚も、感性なども、実在しない。それは公共のモノとしては空虚なイデーであり、単に伝達を目論んで語られたモノにすぎない。　主観的な評価が感性であり、時間のクラスなのであろうが、過ぎ去った時間や痛みとなった感性を反省できても、それらを実在すると、対象立てて述べることはできない。　カテゴリーに照らして、哲学が実在を確認することはできない。　感性は、およそロゴス的なモノではないからである。感性のみならず、叙情、　美学、　趣味、　美、　倫理・道徳、　善、芸術、全てがロゴスとは無関係であり、むしろ反ロゴスの陣営に属している。　したがって、実在するかどうかは、カテゴリーに照せないので、皆目わからない、のである。つまり、哲学が扱うに足るモノが一切、ない。哲学の範疇には無い、のである。　この範疇を超えてしまうと、それはバーチャル・ガーデニングですら、なくなる。　このわからないモノを、必要があって哲学の論議に持ち出すというのは、実に大変なのである。　哲学は無知の知なので、概知の知を批判して無知だと指摘するのは得意だが、もともと人々が無知なモノを論議に乗せるというのは、並大抵のことでは不可能である。誰もがわからない、しかも既存のロゴスでないモノだからである。　誰もがわかっているモノしか、普通は論議には乗らない。　美しき人を論議に乗せるのは簡単だが、美は不可能である。感性もまた、実在しないから不可能である。それらはコンクリートされた時間製品として個人的に見出され、バーチャルに入れ子状態で存在するだけである。　実際の哲学は、人の感性という実在を勝手にイデーとして予想して、論議に載せた。　それはしかも、詩論であった。詩は語れるし、論議もできる。小生も目論んでいた。しかし詩論として哲学論議は出来るが、美という不純な目的は、語れない。　倫理学（エチカ）も同様で、個々人が倫理観を持たされているのは確かだが、個々人の時間を抜きにした倫理一般などは無いので、哲学としてのエチカは、実体が無いのである。　個人的な処世術の披露でしかない、ということである。せいぜいヘーゲルのように、社会一般の弁証法的な成り立ちを想定し、ヤブニラミに、その社会現象を定義立ててみることができる程度である。　アリストテレスのような、社会的に成功した人なら、人生論を語ってもそれなりの意味はあるが、落第生の小生が取り組むべき課題ではない。　社会規範のように見えるナニカはあるのだが、人の倫理、なども、実在しない。カテゴリーに照らしてクラス化できない、からである。

2011年04月14日

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農園通信（葉モノがやっと採れ出した）

　最後になって、まともな大きさのホウレンソウが採れた。　但し花が出かかっているので、出荷などできないやつである。差し上げるにも無理。自家消費しかできない。　真冬にちゃんと日があたっておれば問題ないのだろうが、１２月１月は日当たり皆無の時期もあった。なんせ南側と東側に、ヒノキの巨木が林立しているのが痛い。　その日陰をあてこんでワサビを植えたが、これも最近は日が高くなってきて、午後の西日に炙られている。葉っぱが日焼けしてきたのでダメかもしれない。寒冷紗が必要かも。　今日はベニバナと念願のスイートコーン（ここ数年で１個も食えていない）を蒔いてから、先日植えたブロッコリやカリフラワーに鶏糞の設置。　すき込むと根っこが枯れる。近づけすぎてもアンモニアで枯れる。離して置くと、成績がいいのである。　それからじゃじゃ馬のような手押し式こううん機で、長大な畝のこううん作業。　片方の車輪が駆動力と切り離されており、１０ｃｍの窪みで動けなくなる。おまけにこううん爪が地面を掴んでしまうとすっ飛んでいく、自重70ｋｇのとんでもない機械である。われながら、よくこんなのと付き合っている。　それでも、人力よりはるかに、はかどる。あと２回もやれば、２番囲い南側の２００坪近くが畝たてできるようになるだろう。昨年は草の根っこ起こしで膝を痛めたが、一度立てた畝を耕すのは実に簡単。　午後は北園で水遣り、南園でも水遣り。今年も水遣りで走り回る予感がする。　サルがぼこぼこ網に穴をあけていったシイタケ園にもみずやり。明日にでも春の二回目が採れるだろう。サルは悔しさのあまり、そこらじゅうの鉢を全部こかして行ったようだが、被害は皆無。　種まきとポット上げも忙しくなってきた。　今日蒔いた花苗は、シャスターデージーとアスター２種、発芽中のプランターがすでに10個あまり。　野菜はズッキーニを蒔いて、ベビーリーフとコマツナを確認。先日ポット上げしたキャベツに肥料を置き、ハクサイポットを間引き、それから腰をすえて、結球レタスを２ケース仕上げた。　更に鉢を崩してフウロソウとミョウガの株分け。途中で飛び出たムカデに悲鳴をあげつつ。未だ柔らかくて小さいが、10ｃｍはある。夏場にはこれが30ｃｍ近くになる。　３番ハウスの復活したチマサンチュをいやというほど摘み取って、ついでに屋根の半分無い２番ハウスのロケットとスイスチャードも摘み取って帰宅。ここの屋根はサルが剥ぎ取っていったのである。　当分の間、サラダには困らない。

2011年04月13日

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倫理・道徳とは何か 24

　近代美術のすばらしい成果をけなすのか。　そうではない。　美は対象の中にのみ見出せる時間的なナニカである。岡倉天心を先頭に、そうそうたる巨人たちが美しき絵を完成させていった、そのエンターテイメントとしての成果を貶めるつもりは無い。　問題は、彼らが広めた「美という概念」に、あるのである。それは独自の時間を持たず、空虚だからである。　芸術家なる人々が更なる美の哲学を次々と主張し、この空虚を増大させて、結果的に哲学を貶めていった。　美という空虚なカテゴリーは、実在しない。その時間的なクラス（方枠）にはアルケー（始原）が無いからである。　アイデンチチイを立てることにより、対象化のうちに見出され反省される反ロゴス的なナニカにすぎないのに、これをカテゴリー的なモノと、つまり実体が関与する実在と考えていたのでは、実在をあんよ紐にする哲学が空虚な観念論に落ち込むしかない。　美は実在ではなくて、人の感性がもたらす個々人の価値評価にすぎない。だのに、それを公共のモノとして、あたかも時間のように語るからである。　黄金分割などの公式を盾に、自然界にも美は実在するといったことを、まことしやかに言う人がある。　しかしその、”あんた”の時間が、美しいと思うコトをやめたら、美は何処にもないのである。黄金分割の公式など、美しくもなんともない。つまり、観念論なのである。　コンセプトという言葉にあるような仲介や媒介の概念と、時間潰しのリングを使ってエンターテイメントが目論まれているだけであって、美という概念は実在しない。　美しき人はおり、美しい絵はある。シンメトリイや黄金分割の数学的公式はある。実在ではなくて、実体でもない。人の認識の別種の形式として、ある。　人の認識の領野には暗い庭があるだけで、しかし純粋な美そのものなどは、人々の観念（イデー）以外には、何処にもない。　そしてイデーは、イデアではない。

2011年04月13日

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ド素人集団日本丸。

ドイツの金融当局者が、震災の及ぼした経済効果が日本のGDPを3-５％近くも押し下げ、今後も放射能次第では予測がつかないと推定したらしい。ド素人の予測ではない。　震災と津波そのものの被害は0.6%という推測が出ていたので、後手後手の人災がそれを何倍にも押しさげたということである。　官房長官が熱心に会見する様子は好感が持てるが、どうも彼は重要な情報をまったく知らされていないのでは、と思うようになってきた。ド素人ではないのか。　こういうとき、外国の情報のほうが、より公平に事態を把握している場合が多い。　風評被害、風評被害というが、風評には真実が含まれるということである。情報管理を意図的に行ってきた国の場合、特にそうである。今回も諸外国の判断が正しかったわけである。　未だに日本には検閲がないと思っている人が居るようだが、無編集の外国のtv放送をじかに見られないのは世界中で日本だけである。意図はわからないが、受像機の中に機械仕掛けの検閲機構があって、一切の外国放送がシャットアウトされているらしい。　北朝鮮の人が中華なべをこっそり立てて日本の放送を見ているのに、こちらでは北朝鮮の宣伝報道を一切受信できないのである。検閲機構を外すか、もともと外国専用の機器であれば、３０局程度受信できるようである。但しこの世界もオイラド素人なので確証は無い。　まあ、近隣外国語もロクにわからないド素人のオイラでは、いずれにせよ無理なのだが。　地上波デジタル化の推進で、今後検閲はますますひどくなる。というより、その目的でのデジタル化なのだろう。NHKの法外な受信料を上げられるだけでなくて、キーワードを使っての、情報の前もっての選別が可能になる。即刻中止せよ。　話は変わるが、東電の役員に、まともな原発専門の技術者はいないようだ。　推進派の政界からの天下り連中などが居るだけで、政府のド素人事情とあんまり変わりはない。専門家は過去に、ほとんどクビにしたらしい。そのかわり東大の関係機関の研究者たちに研究費名目でカネを払い、下請けの権威付け顧問みたいな連中がいっぱいいるようである。これって、汚職じゃないんだろうか。　要するに、権力やカネにハナの利くだけのド素人集団が舵取りをしてきたわけである。　外交もド素人、軍事作戦もド素人、原子炉もド素人。　オイラの学んだ三村先生は本物だったが、中には怪しい先生も居た。最近の哲学教授の世界はどうだろう。気になってきた。

2011年04月12日

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倫理・道徳とは何か 23

　西洋哲学が未だ社会に導入されていなかった江戸時代のころ、わが国では歌も趣味も、そして仁義道徳も、美などとは無縁なモノだった。憂慮の範疇には無かった。　ミュトス的なモノではあったかもしれない。そして、わび、さび、いき、更には艶なるものではあったかもしれないが、陳列されて共通体験させられる「美」ではなかった。　うつくしきモノ、美しき人、映奇しき注意を引くナニカではあっても、主観主導で語られる個人的なモノに、社会全体が引きずられる必要は無かったのである。　江戸期において、エンターテイメントの方は極めて盛んだった。　人々は勝手に判官びいきをし、歌舞伎役者や能楽師、さらには黄表紙の作者までが、時の人としてもてはやされた。　真、善、忠、孝、美、仁、義、徳、などのエンターテイメント的な、しかし空虚な概念がもてはやされたのも、このころからである。歌が流行し、趣味が栄えた。　時間つぶしのリングを受け入れる素地は、十二分に出来上がっていたと考えていい。　当時の江戸は世界最大の人口を擁し、そして治安も社会組織も識字率も庶民文化も、文字通り世界最高の都市だったのである。　そして文明開化。要するに西洋の科学技術と、立て組み化された思想（イデー）に出会ったのである。資本という概念や民主主義という理念、法的秩序も同じ仲間である。　その社会では、最高の目的が課題として常に問われて崇拝されていた。まぶしいほどの課題だった。　日本の美を作り上げたのは、岡倉天心を中心に集まった、絵の巨匠たちのグループだったと思う。　エンターテイメントとしての伝統の日本画も、浮世絵も、すでに技法は完成の域にあり、西洋の絵と比べても、なんら遜色はなかった。　欠けていたのは西洋風の「美という概念」のみだった。美をネタに、人々のこころを操作できるナニカが欠けていたのだ。彼ら絵師は、憂国の義士だったのである。　哲学者ではない人々がアイデンチチイもないままに、この空虚な概念を作り上げたのである。それを補完していった偉い芸術家たちは数多い。彼らは世間に認められ、その美学で、世間を、いわば教化していった。日本は審美時代に入ったのである。　一門の九鬼周造は西洋哲学史の全貌を教えていただいた先生なので敬愛するが、西洋列強と居並ぶために岡倉天心がこころをくだき広めた「美というイデー」は戴けない。

2011年04月12日

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倫理・道徳への愚痴

　総員退艦！　消耗品の駆逐艦などは別にして、軍艦ではそのとき、艦長と提督は艦に残る。　これが、わが国の掟である。民間船の場合でも外国と反対で、船長の退去は必ず最終であると決まっている。　美徳とか、単なる無意味な伝統ということではない。武人らしく切腹して、失策の責を取るということである。　そんなの理不尽でイヤなら、艦長や提督になるな。オイラには無理だと辞退しろ。　栗田中将が、その稚拙な指揮行動で事実上連合艦隊を葬ったのである。部下は犬死させて葬ったのに、戦後も、のうのうと生き延びた。同類に牟田口という人物や、辻正信という、国会議員にまでなった人物も居る。さすがにラオス方面で消されたが、彼らは武士ではない。　同じ稚拙な指揮をして大勢の若者を悲惨な死に追いやっても、乃木将軍は神となったが、彼らは恥となった。　　トップに立つということは、武士になって切腹する、ということである。　西洋にも類似の伝統がある。騎士道精神というやつである。イスラーム社会にはモジャヘディン精神がある。　民主主義社会は、この貴族の伝統を貧民の個々人に強制し、富裕な支配階級の安泰を図る思想である。義侠心のある連中をアラモ砦に立てこもらせて、民衆を動かす犠牲の羊とする思想である。　米軍の海兵隊を見よ。　貧しい階級出身の彼らは、例え訓練中にガラガラヘビの巣の上に伏せよと命じられても粛々と命令に従って死ぬ。　軍隊という恐怖組織の命令は絶対であり、これは今日の企業においても同様である。反逆罪は死刑。社会からも、基本的人権からも永遠に葬られる。　これを利用して部下に切腹を強要し、自分は逃げ去ることを学んだトップたちが多すぎる。　問題は、国の運命や国民の運命を背負った異常な責任を持たされているトップの者たちに、その倫理・道徳の自覚が皆目ない、ということにある。　軍隊においては、しばしば不遇の１兵卒が国の運命を背負う土壇場に立たされる。　今回の福島においては、安月給で働く下請けの作業員や、応援の消防、自衛隊員たちが、軍隊同様、国家と国民の命を背負うことになった。　国家のトップは地震に政治生命を救われ、この機会を逃すまいと、オレがオレがといって事態を混乱させ、対策を遅延させた。米国やフランスの申し出も次々と断った。　発電所のトップは国民をほっぽって総員退艦を申し出、会社の組織のトップは雲隠れしたのである。今ごろ謝りに出てきても遅いわい。オイラが知事でも、そう言うだろう。　結果として原発は次々と吹っ飛び、核攻撃を受けたように放射能がバラまかれた。　未だに多くの情報を握りつぶし、隠し通そうとしている始末である。　電力関係からカネをもらっていない、いわば利害関係に無い専門家の多くは、尾行されたり脅迫されたりしているらしい。　迅速な対策を進言してきた米国の関係者は苛立ち、こんな連中との同盟はむしろ危険だと、今は心底思っているだろう。　これらを見ても、いっこうに動き出さない検事たち。彼らが何者であるのかが、よくわかる。法の番人ではない。カネをもらって吼える、権力のイヌなのである。　運転をしくじった下賎の者はすぐ逮捕するし、上司になびかない厚生局長も逮捕してから罪を仕立てる。　しかし日本国を破滅の危機に陥れた人々は、野放しにするのである。　これが亡国の倫理・道徳というものなのである。　

2011年04月11日

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　倫理・道徳とは何か 22

　私ども人間の欧米風の認識ー伝達が、ロゴスとミュトス、この二つに分裂してしまっていることは明白である。どちらも伝達を担う。　ロゴスは（語り）ー伝達としての「言語」であり、語ることのうちに目的や価値観は無い。ましてや美や倫理は無い。むしろそこにはメー・オン（無）がある。　ミュトスは語りー（伝達）であり、騙ることが目的の「言葉」なのである。審美ー伝達や倫理ー伝達の目的が明確にある。美や倫理は最高の問いとともに隠れているが、日本語で言う「とく」として居座っている。隠れた神なのである。　　情報として「語ることー伝達」を考えてしまうと、この分裂は見えないだろう。というより、分裂を見えなくするために情報というエサが与えられたと考えた方がいい。　しかしロゴス的認識と、ミュトス的認識として考えると、これは同じ、私という個人の「語ることー伝達」を担っている認識の現実を、それぞれ客体主導で、あるいは主体主導で、表現しただけのことであるとわかる。　現実というモノは主客に分裂しており、そのどちらでもないというのが正しい。両者を仲介する情報、などは本当は無いのである。それはイデー（観念）の別名に過ぎない。　そして主体も客体も、言語構造のクラスを、（その時間構造の方枠を）述べているだけで、現実におけるロゴス優位やミュトス優位を告げるものではないのである。　ただ明白なことは、真善美に関わらず、　叙情、　美学、　趣味、　美、　倫理・道徳、　善、芸術、これら全てはカテゴリーとは全く異なる別種の、ミュトス優位の主観的なクラスに所属している、ということである。　その中に、エチカ（倫理学）やエステチカ（美学）が入れ子状態で入っている。　そしてそのクラスは、古代ギリシャの過去からあったのではなく、ごく最近仕上がってきた新参モノだということである。　（楽天の、ブログ・カテゴリー分けというのは新参モノでもなくて、単に用語の使い方が現代風の無知なだけである。ミュトス的私見のカタログとすべきなのである。）　神話は、古代ギリシャにおいても、社会的に重要な役割を担っていた。　古代ギリシャ人自らが、半神の英雄ヘラクレスの末裔、ヘラス人であることを主張するほどに、堅固な社会の基礎構造を支えるモノでもあった。　しかし神話は、彼らにとって演劇やスポーツ競技といった、言わばエンターテイメントでは無かったのである。社会自体が、ミュトス的なクラスに関わりをもって考えられる必要はなかった。演劇のテーマにはなっていたが、現実体験のテーマではなかった。　現実を考えるのに、バーチャル・リアリティは不要だった、ということである。　実在を示すカテゴリーも、庶民的なエンターテイメント、ミュトス（語り）には無用な、無知の知を言い表す言葉（ロゴス）だった。　権力におもねるプラトン主義者が、「天上のイデアとは美だ」、と言い出すまでは、である。

2011年04月11日

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農園通信（ブロッコリ植えた）

　やっとこさ西園１番囲いにブロッコリを植えた。わずか１ケース。あと半ケース残っている。　猫の額でタネまきをし、南園のハウスでポット上げして育成してきた揃いのいいやつ。若干徒長気味ではあるが。　実はこれまで、植えても植えても失敗してきたのである。　北園は日当たりが悪い上に土質が悪く、鳥やサルが暴れて話しにならない。まとも採れたためしはなく、やっと西に植えた昨年は、鹿に全部なめ取られて全滅だったのである。　トウ立ち気味のホウレンソウが、ほぼ最終、あと１回分くらいを残すのみ。　タケノコハクサイと赤カブ、チンゲンサイ、タアサイ、子持ちカンランは花が咲いた。タネが結構高いので、そろいの悪い自家タネというのもいい。　２月に蒔いたニンジンは、やっと一斉発芽、なんとも小さい。　ひよわなナバナと、堀残しのゴボウを見つけて収穫。ゴボウはいい、掘れる時期が長いし、なんといっても被害ゼロだから。獣も鳥も虫も食わない。　と言っていたら、畝の底に、モグラのどでかい穴を見つけた。　午後、南園のシイタケ園を囲った鉄筋メッシュを覆っている強靭な網にも、どでかい穴をいくつも見つけた。　しかしどうやら小猿が成長してしまったらしく、内部のシイタケは無事。　雨の効果はバツグンで、１週間後くらい先だと思っていたのが即効で巨大化していたのである。　北園であきらめかけていた早池峰菜も、食えそうな大きさになってきたし、日当たり条件のましな畝に植えたにんにくが、今年は調子がいい。ある日行ったらなくなっているとは思うが。　野菜はほぼ、あきらめて、抜かれても抜かれても、せっせと花を植えている。　今年は初期に咲く花も多いので、５，６月いっぱいは見ごろになりそうである。　例年案内を出しているが、来訪者は極度に少ない。今年の案内はネット上で出すので、場所をご存知の方は、ぜひ来ていただきたい。

2011年04月10日

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倫理・道徳とは何か 21

　美を片付けようと思ったら、このミュトスを片付けねばなるまい。　そして、このミュトス的な反ロゴスの陣営にどっぷりと地位を占めて、同時にロゴスの輝きを手中に収めてもいるのが、「詩歌」なのである。　ミュトスは普通。神話として対象化認識されるモノである。ウイキによると、（人が語る“ものがたり”や“お話”全般を指す）のである。この定義には大賛成。　カテゴリー（簡明に言ってしまえば、実在の無味乾燥なカタログ）とは全く異なる、活きた真、善、美、を伝え体験させるための「語るエンターテイメント」なのである。　では、ロゴスのカタログが伝え、体験させる認識と、ミュトス的なエンターテイメントが伝える認識は、どこが違っており、どこが同じなのか。　常識的知識では、ロゴスは言葉が構築する真理のレゲイン（輝き）であり、ミュトスはロゴスの輝きを持つに至らない、神話世界の叙情的なものがたりを導いて、糸杉の森の隙間から射す、か弱い光にすぎない。　その同一性と差異性は何処にあるのか。そもそも私どもの認識に、その二通りの認識があるというのか。　ロゴス的認識と、ミュトス的認識の違いは明白である。　ロゴス的認識は、その認識に立ち会うことが強要される輝きであり、これは数学や論理として、客観化しかつ公共化できる類の認識なのである。その仕組みはわからないにしても、言葉が意味を伝える、その機能の照明評価なのである。　ミュトス的認識は違う。こちらは認識に立ち会う主観が評価している認識であり、客観化しかつ公共化できる類の認識ではない。神話世界の叙情的なものがたりに立ち会ったとしても、誰もがそれを同じ物として受け取るとは限らない。　では、同じ部分はあるのだろうか。　ロゴスは言わば論理ー伝達の担い手であり、ミュトスは言わば神話ー伝達の担い手である。どちらも人間の認識には必ずつきまとう「語ることー伝達」を担うのである。　仲介の情報を担うのではない。伝達を担うのである。

2011年04月10日

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株の極小ポートフォリオ現状（惨状）

　震災前の最悪時期に組んだ極小ポートフォリオの現状である。見るのも嫌なほどの損害だったが、最近ちょっとマシになってはきている。前回の底をもう一度狙いに行って、その後も放射能しだいとなるだろう。セシウムやプルトニウムの検出が増えればアウトである。コード　　銘柄　　　　　　　　　現在値　買値　　夢6788 (株)日本トリム 2,132 1,793 ５年後 25008039 築地魚市場(株) 100 120 ３年後 3004218 ニチバン(株) 274 301 ２年後 4002217 モロゾフ(株) 266 279　　　６ヶ月後　3402790 (株)ナフコ 1,395 1,445　　３ヶ月後 16003331 (株)雑貨屋ブルドッグ 157 212　　　３ヶ月後 250 ダメが出た平和不動産を差し替えて、7000+86100 の赤字で、現在稼いでいるのは日本トリムのみという酷さ。これはすでに購入後一度2500を達成してしまったので、相場水準がそこまで行くのも近いと思う。５年ではなくて、半年くらいか。　ナフコもこけているが、九州地盤で過去に無い増益なので、近く必ず暴騰する銘柄。損切で雑貨屋ブルドッグを突き落としたフィデリティが絡んできているだけに、いやな予感はするが。ここ数日の酷い下落も、それを嫌気してのウリかも知れない。　ニチバンとモロゾフは要するに不人気だけで、待ちくたびれ銘柄。　築地は放射能次第で、下手すると只同然になるかもしれない。だが、いずれ持ち直すと踏んでいる。年寄りばかりとなる日本人から海産物を奪ったら、タンパクシツとカルシューム食品が何も残らない。　雑貨屋ブルドッグはフィデリティが去ってトップがシャンとすれば、持ち直すでしょう。但し、今回の震災で、夢は３年後になってしまった。

2011年04月09日

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倫理・道徳とは何か 20

　先にも述べたが、これは、エサなのである。　エンターテイメントとして仕組まれてしまった、カルトに至る、極めて特殊なエサである。目的はバーチャル・リアリティー（仮想現実体験）であり、リングの輝きを観て、そこへ至るための特殊なエサなのである。誰かがそれをエサとしてばらまき、社会全体で、それに食らいついていったのである。　日本の近代化は、美への目覚めとともに始まった。　それまでも美しきモノや美しき人はあり、ナントカ屋の太夫という、智才兼備で世に名だたる、旦那衆の憧れの美人も、もちろん居た。大金を積んでも、なかなか同席できなかった。　しかし、美、などは何処にもなかったのである。哲学的真理なども、なかった。アナロギア（類推）も、ゲノス（類概念）もなかったのである。　ミュトスとロゴスの違いもなかった。　もう一度、カテゴリーとは何かを思い起こしてみよう。これで三度目である。　アリストテレスは、ごく単純に対象認識の照明機能をカテゴリーと呼んだ。　実体、分量、性質、関係、場所、時間、位置、状態、能動、所動（受動）　ミュトス的なモノは、何も無い。ここには純粋な実在の形式が、あるのみである。　ハイデガーは、ここに常識的時間解釈の影を見ている。その推測は正しいのでは、と小生も思っている。　カントは、純粋悟性概念の図式（のクラス）として、つまり人間の持つ直感の形式である時間が形成するクラスを、悟性概念としてカテゴリー提示した。　量（単一性、多数性、全体性）　質（実在性、否定性、限界性）　関係（実体性、因果性、相互性）　様態（可能性、現実存在、必然性）　ここでミュトス的なモノは、全く問題外なのである。ミュトス的なモノは反ロゴスだから、図式（シェーマ）とは関係があるかも知れないが、悟性概念とは無関係なのである。　そして「美」は、今やミュトス的なモノを代表する寵児である。　人々はどうやら、美に時間の影を感じ、それを「憂慮」しているようにも思える。

2011年04月09日

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倫理・道徳とは何か 19

　立て組まれて、人間界に入り込んで来た、この美という未知のアナロギアの力を、エチカもエステチカも積極利用するのである。単に利用されるのみならず、それらは仲介者となって人間界に君臨し、影の支配者となってしまっている。　カテゴリーよりもっと強力な、社会に普遍性のある規範を持とうとしている。　それが、倫理・道徳という名の、新手の社会規範なのである。　審美的なモノに目覚めてリングの力を予見し、やがて倫理・道徳を見出すという具体的な段階へと進む。そして最後に出会うのは、宗教というカルト社会の完成なのだろう。　キルケゴール先生の述べた、この人生航路の諸段階批判は、類概念が立て組まれて組織化されていく様態の実存論的論理である。言わば、不安の論理である。　これをキルケゴールの実存の教えだと解説した偉い翻訳者がいて、やはり学生時代に、あきれ返った記憶がある。　キルケゴールは例外的単独者としての宗教家だが、これらの著作は哲学である。　バウムガルテンが詩論として述べ、カントが批判として述べ、ヘーゲルが弁証法として述べた、哲学なのである。エチカやエステチカという名がついていても、それらは美そのもの、倫理そのものについての「形而上学では無い」のである。　社会の流行や趨勢という様態を解明する哲学の提示であっても、社会規範を形成する宇宙論的真理などでは、断じて無い。　私どもはモノ自体を認識する術が無いように、美そのものを認識する術も無い。そのようなモノは、もともと、無いからなのである。キルケゴール先生が述べるとおり、野のゆり、空の鳥を見出すに過ぎない。　自然があり、社会があり、美しきモノがあり、流行がある。　それだけなのだが、カテゴリーにも似た人相互の社会規範が、美というイデーを巡って出来上がってしまっている。　それだけではない。この規範にも似た立て組は人々を組織化し、自動機械と化して驀進している。　その先には究極の美が、イデアの理想がある、というわけである。　キルケゴールは、それらの社会的な立て組みと戦っていた。具体的には、コールサール誌という新聞社の情報-伝達機構や、デーンマーク教会というカルト組織と。　負けて、討ち死にしたが。

2011年04月08日

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倫理・道徳とは何か 18

　壮大な時間つぶしのリングは、カタログ化してみるとよくわかる。まるで一つのカテゴリーを形成しているように見える。　特に日本人にとっては、美という名前のカテゴリーのようなモノである。　もう一度、アリストテレスの述べたカテゴリーを思い出してみよう。　実体、分量、性質、関係、場所、時間、位置、状態、能動、所動（受動）　10個であり、これらはフィシカの実在を論議する上で無視できない対象的認識の単純かつ強引なカタログなのである。美は、このすべてに当てはまるようにも見えるし、関係ないようにも見える。　カントのカテゴリーも思い出してみよう。純粋悟性概念の図式である。　　量（単一性、多数性、全体性）　　質（実在性、否定性、限界性）　関係（実体性、因果性、相互性）　様態（可能性、現実存在、必然性）　様態の一部、現実存在のみにあてはまるようにも見える。　ついでに、プラトンの述べたカテゴリーも。　　存在、同一性、多様性、変化　存続　これらをプラトンは魂のあかし、と見なしたという。多様性と存続が当てはまるように見えるし、イデアが美であれば、全部当てはまる。　しかし、カテゴリーとしての美など、どこにも述べられて無いことにお気づきだろうか。　プロティノスの宗教的な美についての哲学論考や、シェリングの美的直感についての哲学はあるが、カテゴリーとしての美など、どこにも無い。　つまり、時間的なモノのクラスに囚われた者は居たが、カテゴリーを美に頼った哲学者などは、帰納法で言うと、居なかったということである。美で類推し、ひっくくろうとした哲学者も、居なかった。　なのに、今日の哲学者は美に囚われる人が多い。プロティノスやシェリングは美の先達者だと思っている。　そしてカントの判断力批判を、美の形而上学だと思ってしまっている人もいるのである。

2011年04月07日

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倫理・道徳とは何か 17

　この類概念にも似た空虚なリング（その空虚なイメージ）を、「時間つぶしのリング」と、わざと卑小に名づけようと思う。アナロギア（類推）ではない。日本語だけに通用する、翻訳の過程で出来た空虚なクラスの概念である。　壮大な分類のクラスで形成され、その集合した途方も無い輝きで、そこにあるクラスを形成する時間を全く見えなくしてしまっている。まさにディンギル（e-din に居る光り輝く神々の力）のごとき輝きが、そこにある。　あえて違和感を与えて、クラスを、その二重性を見えやすくすべくカタカナで書いているが、これを日常の日本語で書くとどうだろう。　リリシズム、エステチカ、ホビー、ショーンハイト、エチカ・モラル、グート、アールト　叙情　　　美学　　　趣味　　　美　　　倫理・道徳　　　善　　　芸術　このカタログからナニカが読み取れないだろうか。　そう、共通項があるのである。日本語では、どれもこれも美と関係がある、ということである。　もともと、美を念頭に置いて、言わば西洋の価値判断の代表を念頭に置いて、作り上げていった、新しい日本語だからである。　もちろん、歌の叙情はこれまでもあっただろうし、趣味も道徳もあった。完璧に新しい言葉は、美学と美と善、芸術くらいだろう。　しかし既存言語の意味合いは、違っていたと思う。中国風の仁義道徳や、江戸期の理解できない趣味の数々だった。　それらは、決して美しくなかった。　マツバランの変容や、奇形植物のコレクションの数々には、現代の園芸好きの美的感性では、とてもついていけない。中国の仁義道徳は、なおさらである。　過去に、この江戸期の趣味が疑問でしかたがなかったが、それは今日の私どもが美に囚われているからだと、今更ながら、わかる。現代のこれらの言葉のクラスには、美か、それが無いことが支配しているのである。過去の列島の文化である、「ヤマト部族のおはぐろ」や、「アイヌ部族の口周りの刺青」なども、グロテスクで美しくないから、時代劇の過去からも追放したのである。　先に、徳を翻訳したら　バーチュとなり、バーチュを翻訳したら美徳になると述べたが、美があるか、それが無いかで評価しないことには、欧米のこれらのクラスは、存在できないからである。人の現実が加わらないと、クラスにはならない、ということである。　現代の日本人にとっても、そうなってしまっているのである。

2011年04月06日

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また株が下がった。魚が売れない、野菜が売れない、犯人は誰や。

東京電力が、東北のみならず首都圏へも、他の企業にも与えた被害は大きい。　今後、関西へもその被害は広がる。風評被害だけでなく、放射能の直接被害も広がってくる。　未だに資金を惜しんで、仮設プールを作らずに海水へ放射能を垂れ流ししている。この被害は未曾有のものとなるだろう。　すでに最大２５兆円という試算は出ているようだが、今後関西の漁協関係や農業者からも、民事訴訟が相次ぐことを覚悟すべきである。　愚鈍な政府は放射能拡散シナリオの公表を隠蔽しているが、すぐに表に出てくる。　東北各地の不動産価格の値下がりも出てくる。福島や茨城の不動産は、やがて只同然になる。半減期の長いセシウムなどが、すでに見つかっている。　電力の供給ストップも含めたら、今後、被害総額は数百兆になるかもしれない。東京電力の株が、未だに値段があるという事自体が不思議なのである。　オイラが僅かに持つ、東電に融資した三菱UFJにも値が付いているのが不思議なくらい。　巨額の融資は、所有株式同様、ドブに捨てたも同じ、だからである。　　今後出てくる被害総額の９５％が、東京電力の与えた人災被害となるだろう。　想定が甘かった震災の被害ではない。原子力技術者たちが引き起こした人災である。　コストを惜しんで、その結果が、これである。　更に今後、電力需要をネタに政府が東京電力を国有化するというのは、最悪のシナリオになる。　日本の数多い貧民が、その借金でチョンボをやった人々を支え、更にその給料や法外な退職金まで支えることになる、ということだからである。電気をカタに、貧民には払えない法外な借金まで背負わされる。　金持ちが払ってくれる？　その人の良さが貧民の性である。　未曾有のインフレを生き延びたら、あんたが、今後強制労働で払うことになるのである。　原発の危機を支えてきた現場の人々には、このさい法外な英雄年金を創設すべきである。それだけの必要も値打ちも、あると思う。反対者も出ないと思う。　しかし、原発推進派や東京電力の理事者だった人々には、偉い大学の先生方も含め、このさい臭いメシを食わすべきである。株主は、すでに責任を取ったあとだからである。　ここはむしろ東京電力を倒産に追い込み、役員を全部はき捨てた上で全員監獄にぶち込み、政府主導で、融資した企業に苦労を背負わせて、別会社に仕立てるべきである。

2011年04月05日

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倫理・道徳とは何か 16

　リリシズム、エステチカ、ホビー、ショーンハイト、エチカ、モラル、グート、アールト　この仲間はすべて、翻訳すると微妙にずれる。つまり意味が違ってくるのである。　グートに至っては財産だし、アールトは流儀や種類である。善とか芸術の意味など、皆目無い。欧米には、善という、判断前の、具体的に価値化されていない言葉は無いのである。禅も膳も、そして前も、然も無い。　これらの言葉の翻訳は、誰かが苦悶してうなって、無理やり当てはめていった、似ても似つかぬカタログ的な意味の言葉なのである。　その同じ欧米でも、芸術は過去のドイツ語ではクンストという。　どちらかというと技芸の意味であって、アールトという今日のアートの意味ではない。アートは主体性主張や価値評価を含んでいるが、クンストでは逆に、制度を表に出して、高度な技術の評価や技能を持つ人間の方は隠してきたのである。その伝統は、ドイツでも失われつつある。マイスター制度は崩れつつあるのかもしれない。　美というのは、美しさのコトであり、具体的な対象物の形容に過ぎないのである。　つまり、私という感性の感受する形式の評価に過ぎない。美そのものなどは、もともと無いのである。　しかし現実に美しきモノはある。個々人の見出す主観評価の中に、その美しきモノはまぎれも無くあるように思える。　この美しき「モノ」がクラス化されて、社会に普遍性のある分類がなされ、やがて壮大なリングが形成されたのである。「時間つぶしのリング」と、いってよいが、これは美ではない。個々人の見出す主観評価でもない。

2011年04月05日

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　ソン・テハ

　ソン・テハという朝鮮時代の英雄の、韓国時代劇ドラマに、最近はまっている。1600年代の話の現代風脚色のようである。　独特の風俗で違うところも多いが、社会の基本は日本とよく似ている。陰で噂話をされたら、くしゃみするのも同じだと知った。　清に囚われていた不遇の王族の子に仕えていた高名な将軍が、部下の武将ともども姦計で奴婢に落とされ、やがて王の孫を擁立する革命の物語のようだが、オンニョンという美女が主役のようにも見える。　ソン・テハ将軍は追われながら、ヤンバン（貴族）の美女に救われ、その美女も追われているらしく、手助けして共に逃げるうちに愛が芽生える。　吉永小百合級の、このヤンバン美女に化けたオンニョンがまた清楚で、綺麗で、慎み深くて高潔で、しかもどうやら過去は奴婢なのである。その奴婢時代の愛する過去の主人が、どうやら科挙をあきらめ、奴婢狩に落ちて、彼女の後を怨念で追っているヤンバンらしいという、ややこしさ。この人物の存在感がまた、いい。　一見粗暴に振舞う、社会の底辺に落ちた奴婢や奴婢狩たちが、誰も彼も、高徳で誠実で、卑下心は微塵も無くて、自尊心と希望に溢れているのが素晴らしい。　悪役らしき官製追っ手のヤンバン役もまた、事情のある養子身分のようだ。　ソン・テハを倒す任務に失敗して負傷し、養父に理不尽な仕打ちを受けて、ポリオ後遺症らしい身体不自由な妻へ、鬱憤を仕返しする様がなんとも人間くさくて、いい。　関西への配信は、これからが、逃亡奴婢を追うチュノ師という朝鮮独特の賞金稼ぎたちの、見せ所となるようだ。　人間の怨念と仁義道徳に満ちた、国内モノには無い面白さを持った物語である。

2011年04月04日

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倫理・道徳とは何か 15

　この、まっとうに見える哲学の歴史に、どこか問題があるんだろうか。　おおあり食いである。特殊なエサが見える。　エンターテイメントの詩論が趣味や美的判断と結びつき、それが立て組まれて道徳となり、更に古い時代のエチカと結びついて、ここに存在の円環を完成させたのである。アナロギアの完成である。　類推は類概念にも似たe-dinの輝く神々の力となり、まさにロードオブザリングの強力無比なリングが完成したのである。美の方が簡単だ、などと言ったのは誰だ。　気が引けて、この壮大な力に立ち向かう勇気は、とても出ない。　だが、西田先生の主著が、もともとは「善の研究」ではなくて、「純粋経験と実在」に関する哲学、であったことが援軍になる。　日本人の哲学徒にとって神様のような存在である先生のような方でも、「純粋経験と実在に関する哲学」では、出版社が相手にしてくれなかった。　出版を果たすために、哲学書をエンターテイメントに貶める、しかなかったのである。　リングが見えたということは、そのクラス（方枠）である立て組みの一環も、ここに見えているのである。現代という人間社会に君臨している、叙情、感性、趣味、美、道徳、善、芸術、という、壮大なリングの立て組みである。　小生が30年浸かってきた構想力の問題の泥沼から、わずかでも這い上がることができたのは、その一角、芸術への疑念がきっかけだった。　今、叙情、感性、趣味、美、道徳、善、芸術という壮大な形而上のリングを見出すことができて、これらは同類であったことが確認できた。言わば、詩論を書く意味が、あらためて確認できた、ということである。詩が一切書けなくなっている理由も、解明できるかも知れない、ということである。

2011年04月03日

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　倫理・道徳とは何か 14

　但し倫理・道徳と哲学の怪しげな関係にさらに深く切り込む前に、先に「美」を片付けておこうと思う。こっちが簡単そうに見えるからである。　エステチカが感性の学なのに、なぜか美学と訳されている。　美というモノなど、金輪際どこにもないのに、私どもはそのモノは美しいといい、これを扱う学問、エステチカまで仕立てたのである。　日本人は特に美がお好きである。一流の文学者までが、美しい日本の私、という、わけのわからないことを言う。　それはついに美術という、芸術の別名の領域まで作ってしまった。　哲学にもこの美が入り込み、美の本質を問う学問が美学である、などと、まことしやかに語られてきた。　哲学の世界では、バウムガルテンの1750年の著作、エステチカが有名である。　これはもともと、詩論だったのである。「詩の美学的価値の原理的考察を思考する学」とされていたらしい。　これによって、欧米でもエステチカは哲学の一分野だと見なされたわけである。　　カントが1790年に出した判断力批判が、美学なるものに更なる決定打を与えた。　特に美と崇高というテーマは人々に好んで受け入れられ、「美はいわば道徳的なるものの象徴である」といった記述に至っては、富裕層の座右の銘となった。　これが哲学書であり、特に人間の持つ高度な判断力を批判する「哲学論議の提示なんだ」という部分は、どこかへすっ飛んで消えてしまった。　肝心な部分は読み飛ばされ、無知の知には至らず、人々は逆に美の実在を信じてしまったのである。逆読み、されてしまっているのだ。　エステチカは不動の地位を確立し、後継者のシェリングもヘーゲルも、公共機関の哲学教授である以上は、これを無視するわけにはいかなくなったのであろう。

2011年04月02日

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トップがダメだと国は滅びる

廃炉を恐れる東電の初動対策の遅れと隠蔽体質に加え、危機感の皆目無い首相の視察行強行が蒸気ベントの開放を何時間も遅らせ、破滅的な危機に決定打を与えたことが明らかになってきたらしい。　特に危機対策や補給体制などに関して、米軍が格段に優れていることは常識である。　勢力下の重要な国が危機に陥っているのに、手をこまねいて見ているわけにはいかないのは当然だろうと思う。日本側の判断が後手後手で遅いので、イライラしていると思う。　その手助け申し出も次々断って、首相は、オイラが指揮者、と言っているのだろうか。　地震直後の株の値下がりも横目で見ていたオイラに危機感が無くて、首相になったらむしろ危険だというのは確かだ。　停年になって失業し、地上げ屋の方から来てくれんかとは言われたが、短期の記憶力の低下がひどいので、チョンボをやりそうで、怖くて断った。自治会の仕事さえ家内に押し付けている。　しかし傍目で見ていると、首相の方がもっと怖い。　　原子炉以外にもいろいろ、ある。先の領土問題で、政治判断を検事総長に丸投げしたとき、すぐクビにすべきだったと思う。　特に軍隊を分散投入したなどというのは、指揮官として最初から大敗北宣言したようなものである。途中で規模を増やして勝った例は無い。読みが間違っていたということだからである。１度の間違いは、必ず２度間違う。　だから、株の世界では、ナンピンすべからずと言う。　危機管理だけでなく、情報把握が最初からできていないと言うことである。たぶん、原子炉の危険性もオイラ以上に知らなかったのだと思う。　嘆かわしいことだが、亡国は加速進行している。独立政府のような、東電の社長も雲隠れしているらしい。　運転を誤った危険な運転士は、その場で逮捕されブチこまれる。　もと巨大なモノを動かしている運転士がチョンボして、勲章もらっていいはずがない。

2011年04月01日

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