2023年02月の記事一覧 | ちくでん村　mugibatake専用別館

哲学史６　疑似哲学史部分、オッカム

オッカムは「科学のみが神を唯一の存在論的必然物とみなすことができる」と信じていたそうだ。　宗教家で、かつ科学者なのである。哲学者ではない。　哲学徒を主張するオィラの意見にも、どこか似てる点はあるんだが。この先生の哲学なるものは、無知の知でもなければ執着愛でもない。　知への徹底した修辞学なのである？　いいや。　超越神の形而上学を否定する。　が、一神教でしか有効でない科学を語る宗教家。　独自の形而上学を展開するのだ。　形而上学は、哲学やおまへん。（オイラの最近の持論）　「信仰と理性は矛盾しない」と、言ってたらしい。　ものごとを簡素化して考えるタイプで、スコトウス先生よりずっと自然学的なのである。　そう、どことなく哲学というより。　対象の知識重視の自然学。　そしてそういうより。　より明確な目的を持って、有効性を探っている。　科学的認識論だと言える。　ほめて言ってるんではない。　オイラよりはだんぜん賢いんだろうが、哲学者やおまへん。　「神と被造物とを同列の〝存在〟にし、人間が神を認識する道を拓いた」？。　ウソくさ。　「哲学の領域から閉め出されていた個物そのものについて考察することであった」、と、みなすほうが、まだましだ。　個物そのものなんて自然学臭いんだけど。　wikiも、もうだめだと思う。　（共有形式には）認識できない普遍、本質、形相といったものはない。　と、この人物は断定。　「うふぉ」話なんてのは見いだされへん？　UFOだとかダークマターなんて、どないなるんやろ。　共有形式のこっちは、単なる名で片付け。　個物の（享有）のみが、存在するもの、だとした。　そういう人。　本人曰く。　「普遍は人間の心が個物を抽象して生み出したものであって心に外在する存在ではない」からだとか。　共有形式は神には属さず人の側の空想モノだから、自由にいじれまっせ、ということ。　こころにあるものは、個物以外はぜんぶ偽物や、という説。　唯名論の開拓者とも言われる人らしい。　「形而上学的な普遍が実在することを否定」。　つまり、神は見ようとしても、みえまへん。　これはそのとおり、なのだが。　みえんので個物の形而上学やろうとする。　名だけの存在利用して？　何を利用して？　心理も宇宙も神も、個物以外はぜんぶ偽物やから、利用できまへんで。　「むしろ概念論の唱道者とみなされることもある」そうだ。　普遍は名前に過ぎない？　共有ブツには、存在する実在物があるんじゃーではなく。　むしろ「言葉があるんじゃー」と、唯名論者は考える。　概念論者は、「普遍は心的な概念である、つまり名前は概念の名前であると考える」。　この人は前者、後者？　実はそんなこと、どうでもよろしいのである。　哲学とは無関係の、形而上問題にすりかえられとるのやから。　この人はカテゴリーの意味も変えたし、アリストテレスの課した制約も取っ払った。　哲学史では、こっちの歴史的事実が大事。　つまり彼は、哲学が学問研究者に課した倫理的制約をとっぱらった、とんでもない人物なのである。　「論証の過程で当然問題とすべき概念や対象を取扱うことなしに，他の類や他の領域に属する概念にとりかかる論理学的誤謬、のこと」を「メタバシス」という。　誤謬であって、アリストテレスの戒め、なんだが。　彼は、このメタバシス垣根を取り払った人物。　　数学では（個物の）「現実」において量を数値化して成立している。　（抽象化、数字化する）　だから数学が有効な存在論上では確かに、量のカテゴリーは、いらなくなる。　数学というカテゴリー（とみなすもの）があれば、それでいいからだ。　そうは言わずに。　実態や質のカテゴリーは必要とするが、量のカテゴリーは「数学に不必要である」とした。　カテゴリーの意味の、すり替え、やっとるのだ。　数学の存在論が扱う現実を、共有の（彼がありもせんとみなす）現実に持ち込んだ。　これがモロに、メタバシスなのである。　彼は「共有の現実をみとめん」から、必然的に起こることんなんだが。　カテゴリーという意味の「範疇化」、も、ここで起こしてると思う。　どことなく広範九疇的、なのだ。　数学的現実というのは確かに、人の現実の数値化。　仮想化、みなし化。　なので、確かに、その数学が有効な存在論上では、量のカテゴリーはいらないように（一見）見える。　ほんとうは「数学化される」、のだが。　そのモーメントを逆に使う。　しかし当然問題とすべき概念や対象を取扱うことなしに、数学的現実が絶対的となってしまって、いいものだろうか？　逆転させても、いいもんだろうか。　逆に言うと。　「人の現実が数学に置き換わっていいものだろうか、という、問題が」　生じてまへんか？　無視して、ええんか？　想定してまへん、というやつ。　想定外でした、といってすぐ逃げる。　科学者はすぐ、コレを言いたがる。　この原因を作ったのが、まさに彼なのだ。　アリストテレスは、哲学でこれを戒めたのである。　彼は哲学でない宗教家なので、形而上学を哲学だと言い張り。　これを（哲学を）無視した。　これによって数学的な存在論が、その特有の現実を持った。　独特の無責任な形而上学が立ち。　その基礎の上に、今日の自然科学が成立しているのである。　「学問上オッカムは一神の一意信仰と、対象的認識ブツの諸々を認識する理性は、矛盾しない、という説を採る」というが。　神への信仰と、人の側の知識、知恵の一致だと。　これは宗教上の、形而上学問題。　つまりスコラ哲学なるものを学問だとした、無責任仕立てるウソなのだ。　　彼は宗教家にして修辞学者。　というよりは自然学者なのであるが。　より徹底した「科学者」、というのが適当、かもしれないのである。　いや、適当だろう。　理性に、矛盾や誤謬を認めないからだ。　さらに数学を自在に操る。　そもそも無知の知を認めんのだから、「絶対に哲学者ではない」のである。　つまり絶対知は認めるが。　「人の側の無知」とか「先験的誤謬」なんかは一切認めず。　（これは「哲学創始者」と、後の時代の「カント先生」のお言葉）　唯名論というらしい形而上学を立てる。　その立ち位置は、先に述べた。　「スコトウス先生の論議を継承した」、とwikiはいうが。　ぜんぜん継承してない、やんか。　その路線の人じゃない、のである。　哲学史に、とんでもないウソがあるのだ。　バーチャリターなど認めない、科学的認識論のハシリ、というべきもの。　これをオッカムが始めた、のである。　修辞学的であっても、哲学とは、まったくの別物なのである。　こｔれを科学哲学と呼ぶへんな風潮もあるようだ。　正しくは、「科学技術的認識論」、というべきものだ。　オッカムが始めた。　独自の個物優先の存在論、形而上学を展開して、キリスト教では異端ともされた。　しかしその異端を押し通した。　反骨の人物なのであるのは、まちがいおまへん。　一意の理性信仰や命題と、理性上でズレがあっては、科学技術は成立しない。　この人みたいに一致させないと、科学技術はホント、ダメなんである。　成立しない。　多神教的な科学なんぞは、自然認識に特有の一神教性格も持ちこむので、必ずグノーシス主義に落ちるし。　悪魔的にもなる。　しかし一神教の唯明論では、「メタバシス」になり、「非人間的になる」のである。　理性優先のみの、エリート主義にもなる。　エリ－ト以外の人間不要、と、平気で言い出したりする。　もろ、非人間。　これが過去に無視されてきた。　命題にこだわって、それをもてあそぶ心理学、宇宙論、神学といった、目的の定かでない形而上学を産むことにも、つながる。　要は、オルガノンの誤解から来るのだとは思うが。　現代の、一神教と科学の怪しげな関係では、先々破滅しかない。　そのようにオイラ思う。　かといって、多神教に対応してる科学なんて、ありえしまへん。　科学は、目的がないと成立しないし。　これを、「予定」に、「アジェンダ」にしちまったら、もっと現代の危機が見えて来た、というわけだ。　現代は形而上学の時代。　その上に立つ、科学技術の時代。　危うい世界像の時代。　（これはナチスのハイデガー先生の予言やった）　そして、ニヒリスムスが、もはやニヒリスムスとも気が付けない時代だ。｝（これは文献学者ニーチェの予言）　　案外、このオッカムという人は、諸々の予言の存在論的ゲシックや宗教的ニヒリスムスを生み出した、張本人かもしれない。　のちの心理学、宇宙論、神学といった、パラダイム的形而上学の、生みの親かも。　つまり、現代で言うマトリクスの。　オッカムがこう言うのを、もう一度、聞きなはれ。　「（共有の）普遍概念は、人間の外部に存在する実在物ではなく、それ自体を理解することによって生まれ心の内で心がそれを帰するものを「前提」する内的表象としての対象を持つ」。　この「実在物でない、モノの認識形式」。　これがオイラのよく言うイメージ、あるいはサクラに似ていることに注目。　つまり、それはさしあたって自身が表す「物の場所を持つ」のであるが。　つまりアルケーを示す、のだが。　オッカムは、実在物では「ない」、という。　あえて消してしまうのだ。　それは「心を反映する行為を表す術語なのであるが」。　「現実のモノやおまへん」、という。　心を反映する行為を消して、中性化してしまう。　現実から排除、にかかるのだ。　オイラの描いてしまう、このイメージは、イ・メー・ジやない、非現実なんやと。　つまり彼の場合。　「現実」の意味がバーチャリターではない、からおこることなのである。　ドゥンス・スコトゥス先生を、まったく継承してない。　オッカムの現実は、名ざしできるもの、それも個物のみだ。　その理性は、自分由来の誤謬を持たない。　へんなものだ。　たぶん、自分が誤る、なんて考えたこともない超エリート人、非人間なのだろう。　まちがっても上司にはしたくないタイプだ。　たぶんドケチだろうから。　カミソリでそり落とす、ドケチ理論もあるらしい。　しかし科学技術は、ドケチでは成り立たないのである。　１４世紀に出たこのドケチが、その技術に数学的お墨付きを与え、倫理的軛から科学技術を解放したんだとしても。　悪魔を解放して、原野に放った。

哲学史５　ドゥンス・スコトゥス

さて、スコラ哲学というのが大手を振って、今も世にある。　が、これは哲学ではないので、ハナから無視。　アカデメイア、リュケイオンといった伝統、そして聖アウグスチヌスの哲学を受け継いだのは、中世の「スコラ学」の方である。　右総代で、名前が若干怪しいのだが、ドゥンス・スコトゥス博士にお出まし願う。　スコットランドの方の人らしい。　神学ではない、学校代表。　スコラ哲学とスコラ学は、全くの別物、なので注意されたい。　スコラ学、の方のみが哲学だとオイラは主張。　修道院での偽哲宗教カルトがはびこる中で、教会・修道院に付属する学校では、地道に学問が学ばれていた。　修辞解釈や文献批判といったその中でも、無知の知やアルケーへの佇み、といった哲学　（多神教）の重要な部分は、受け継がれ続けたのである。　もちろん多神教としてではないが、佇みから薄々感づかれて迫害されてた。　「愚鈍」と、蔑称で呼ばれても毅然と対応してたようだが。　最後は殺された疑い、すらある。　　唯一の神という命題に拘ると、先生のような「人間を神への愛に導く実践的な学問」なんぞは、まったく佇めなくなる。　もともとバーチャリターな、つまり実質の時間・空間を失うからだ。　前の「」は、ドゥンス（愚鈍）・スコトウス博士が述べた。　宗教ではなく、学問。　という名の哲学。　誰かさンみたいに、自分の任ン指揮をあっさり超越してしまうと、一般的にも、個物すらも、認識できなくなるからだ。　中途半端な産婆術師の立場でないと、哲学にはならん。　これを「啓示と理性（信仰と知識）の＜2種類の真理が並存する＞」というふうに考えてはいけないのである。　どこで併存させるつもりかはわからんのだが。　スコラ哲学では、それをやっちまうのかもしれんが。　所詮ウソ神学。　真理というのは、経験的知識の同義反復的、享有時空の実質把握、本質の確認、なのだが。　知識が知識だけでなりたたん。　そのように、無知の知という先験性の部分がなければ、バーチャリターな現実は、一般的にも認識できない。　信仰と修辞知識なんぞで、哲学が騙れる、なんぞと思ってもらいたくない。　むしろアッシジのフランチェスコにみられるように、要らん修辞知識捨てたら、宗教家でも哲学が語れるんかも。　この人も面白そうだけど、宗教家なので世俗のオイラ遠慮。　当時の学校で重視されていたのは、多人数参加の「レクツィオ」（読解）と「ディスプタツィオ」（討議）だったらしい。　リュケイオンの伝統が復権していたのだ。　そのアリストテレスは、「享有する実在」においてのみ、諸々の物事の本質が「ある」、そのことを明確に哲学として述べていた。　実質があることを述べて。　つまりオイラが一意に観察することで、実在が、その本質を、オイラに見せる。　ある、には共有の部分は見えずのままだが。　「個人の時空の一意もの」のみが、「現実として、実質見えてる」んだと主張。　スコトゥス先生はここで、聖アウグスチヌスの、「オイラが誤るんなら世界はある」を更に徹底したんだと言われている。　必然的なものである（神の）被造物と、必然的なものでない（意思の）自由をわけて考」えた、とされる。　だが、それは一神教徒特有の教義が騙らせる、ウソだ。　一神教徒には、二元論的になる、ここ。　ここで先生は、自分の認識時空を、ウロボロスに実質へと反転させる。　神々の世界へ、つまり哲学へと、自分が入ってゆく。　これはもっとあとのほうで騙りたいんだが。　ヴァーチャリター論議なので。　一神教の世間では、神、意思、と、存在をすべて一意にして対象化する。　さらにこれらを神から考え、捉え直し、しようとする。　だから、享有世界に潜む共有は、どうしても二元論的になる。　「知性は個をとらえる」と、「神の世界から（共有）修辞されてしまう」のだ。　しかし修辞の前に、あらかじめすでに、認識があるんや、おまへんか？　自分という時空が必ず、あるのである。　超越なんか、しまへん。　その場合の知性は、「いいかげんな人の知性」でいいのである？　一方は必然で、他方の自由には、必然でない？　偶然が関わるように見える。　不可解だが、ここで共有が、ミステリーになって出てくる。　これらは享有側からの時空認識なのに。　どうしても共有が先験的にあることになる。　この問題を、正しく哲学の問題として追及したのが愚鈍先生なのだ。　（神の）被造物と、（意思の）自由を、一意にごった煮にせず。　分けた。　これを、「神々」、「我々の」、としてみれば簡単でいいのであるが。　もとの曖昧な複数系のままに源泉注視できるんだが。　一意にすると。　ミステリーになりようがない、＜時間と空間の秘密＞が、浮かんでくるはずである。　「神々」の被造物と、「我々の」自由。　二元論にはならない。　源泉が、アルケーとして見えるだけ。　コレをオイラは、在るケー？と呼ぶ。（冗談やけど、真剣）　スコトゥス先生は、その「時間と空間の秘密」に踏み込んだのでもない。　時間と空間相手の思惟はまちがいないが。　先生はキリスト教徒なので、決してオイラみたいな多神教徒じゃない。　そこで佇んだ、つまり哲学した、だけなんである。　存在が、個物においてのみ成り立つ（「知性は個をとらえる」）と考えたのだが。　先生の場合、「存在も知性も、佇みにおいては実質、ウロボロス的」なのだ。　一意じゃない。　唯一の神と言えるような、絶対精神見出してるんじゃない。　ましてや、できそこないの神なんか見てない。　人の認識はそれほど、神の世界を認識できるほど、精妙じゃない。　先生を精妙博士と言って馬鹿にしたらしいが。　「知性は個をとらえる」。　つまり一意にあってこそ、みつめ（られ）る。（これはオイラの意見）　神と被造物とを同列の〝存在〟にし、人間が神を認識する道を拓いた？。ウソくさ。　「哲学の領域から閉め出されていた個物そのものについて考察することであった」、と、みなすほうが、まだまし。　先生が見つめてるのは、多様な世界ではなく、一意な「自分」。　（られ）の方なのだ。　自らの分言、その自分に由来する自由。　在ることにおいて、知性や絶対の神といった命題に捉われず、アルケーが自分の自由に由来する、ことを見出した。　これを（神の）原理が人間精神を創造、なんて修辞学的かつ宗教的に言い出したら。　まるで１８０度違う意味になっていることがわかるだろう。　同じ、「知性は個をとらえる」の解釈である。　これがスコラ哲学を騙る偽奴隷銘柄と、本物の学校の違いである。　そしてここからが超大事な部分である。　一神教徒では一切理解できない部分なので無視されることが多いのだが。　バーチャリター論議に入ろうと思う。　仮想論議ではない。　実質論議に入りたい。　バーチャルというのは、「つかみどころのない対象の実質的な」、という意味である。　現代はへんなものに書きかわっちょるが。　ヴァーチュで「徳」「得」。　感性の認識がもたらす智の共有枠の、形容詞的な部分。　実践動詞の様態と言うべきか。　オイラたちは個人を騙るが、他人見て、自分も人に属すると気が付く。　その個人はしかし、オイラだけのものである？　他人は無関係？ですむ？　いいや、普遍的な個体性＝「このもの性」という形で、知性（のようなもん）が把握、見張っている」と、先生は主張するのだ。　そこで形而上学的濃度差うんぬんを主張しても、無意味なんだと。　濃度差主張、個体差主張にはなるかもしれんが。　ましてや時空超越して何スんねん、と、エセ哲学を批判。　スコラ哲学とは戦争状態にあったようだ。　享有の個人を神から騙りたいおいらたちには、共有の認識が、じつは先験的に備わっている。　これは自分に由来する・・・である、ことの、「自由な個人認識の内に、すでに」ある。　認識の対象を選び出す、その前からある、認識の型枠。　これこそが「源泉」なのだ。　哲学のアルケーは原因じゃおまへんよ。　源泉。　「汝自身を知れ」は、だから知識を得る、その前からあるロゴス。（哲学の優先）　経験的認識は、先験的認識が先行しなければありえない、ということ。　そして先験的認識はまた、経験なくしてはありえなかった。　という実質的な論議。　人の現実の存在認識は、この「（ウロボロスな、かつ実質的な）現実に基づく」のである。　それが＝「バーチャリター」ということ。　この論議は、現代でも目の敵にされて、意図して消されている。　それが証拠に、この重要な語句がネット検索できんなってる。　なんと、オイラの昔の、わかりにくいヨタ話が出てくる。　昔はいっぱい出て来たのに、消されている。　ヴァーチャリターという、超重要な用語。　これは現代用語の、「仮想の現実」などでは「ない」、のだ。　機械仕掛けで詐欺やって現実を騙すことが、バーチャルだ、などと言われている。　ヴァ－チュ（徳）が詐欺で得られたりは、しまへん。　高位の人が持ってるとは限りません。　中世の、学校の先生が述べた「現実（の時空）の実質形容の様」。　それがバーチャリター。　これは、表現しがたい「現実」、その「実質」を個物表現する動詞形容の様。　そしてこの「時空の現実を、親しくレクチャーするために哲学が」あるのだ。　神を絵騙りするために、邪な目的企画して仕立てた疑似哲学の（形而上学として）あるんじゃない。　アジェンダとは無関係。　アリストテレスの哲学において「形相」や「質料」、が重視され個物は哲学の領域から閉め出されてしまった。　そこに個物を戻したのが先生、とする説もあったが。　これは、修辞学や神学を哲学と間違えてるだけの話。　ドゥンス・スコトウス先生によってはじめて、哲学史から、修辞学も神学も脱ぎ捨てられたのである。　＊＊　まだまだ不十分な未定稿なので、今後いじると思う。　やがて哲学の中興の祖となる、放蕩児が現れるので早く顔見たいので次いきたい。。　そのまえにもう一人、偽モノを片付けにゃならんのだが。　こいつが結構大モノなんで、次節、も非哲学部分史になる。　超越するやつなんぞは、でてきまへん。　コピー利用自由です。

哲学史４　聖アウグスチヌス

「神が、人の方には降りてこない」、としたのが、新プラトン派の宗教家プロチノスだった。　宗教家であることを隠して哲学を主張？。　いんや、彼がやってたのは「修辞学」。　これにだまされる。　哲学ではなく、修辞学による「宗教」活動やってた。　それに対し。　「おらあ悪人だったんだべさ」、と自ら悪人であることを強調。　懺悔して修道院に籠ったのが、聖アウグスチヌス。　同じ、宗教家。　彼は修辞学者としても有名だった。　だが、本物の哲学者だった。　なぜかというと。　善なる形而上学を一切語らず、悪の側の「時間を熱心に騙った」からである。　時間論議やったことで有名。　善の、形而上学の主張などは、やってない。　宗教家でもあり、優れた修辞学者でもあるという。　その、宗教や修辞学に、オイラ、見事にだまされていた。　もちろん、騙していたのは聖アウグスチヌスだけではなくて、「哲学史」なのだ。　西洋哲学史が、修辞で宗教を騙る。　なので、まるでこれらを哲学だと、オイラが勝手に思い込んでしまったのだ。　自分で修辞学をより分けるまで、「修辞」と「哲学」の違いすら、気が付いてなかった。　ましてや、宗教が哲学とは「路線違い」、だなんて思ってない。　おそらく、西洋世界の誰も、完璧には気が付いてない？　みんな薄々、怪しい、とは思ってはいるようだが。　一流と言われてる先生方にも、この区分見えてない怪しげな人いる。　ローマ帝国が哲学を受け継いだ時に、その誤った、怪しい歴史が生まれたわけだ。　多神教徒の哲学が、一神教徒の「修辞学」や「宗教」と、ゴッタ煮になってしまったのだ。　一意の神が「存在者の存在」なので、存在論深掘りすると、この怪しさは出てくる。　これらは、明確に分離されるべきもの、である。　　全く別の分野の、学問と、組織教儀だからだ。　宗教はそもそも、学問ではなくて、組織における実践教義布教活動でしょうが。　儀例であったり、義を唱えたり。　その、個人信仰に基づくカルトの諸々に奉仕。　１：哲学は哲学という学問。　（無知の知の享有、産婆術の共有、目的不明確な享有佇みの学問）　従事者をフィロソフォスという。　２：修辞学は修辞学という、やはり学問　（目的を持つ、理解や解釈による、一意知識における学問）　従事者を、他の対象認識諸学や自然学などと同様に、ソフィスト（知恵者）という。　３：宗教は宗教（レ・リジョン、個人信仰が支える組織教義の、一意化カルト活動）　従事者は教父であったり牧師であったり、信徒であったりと、まちまちに呼ぶ。　ゴッタ煮にはできないものを、二千年近くも。　三つ巴で、ごったごった、煮てきた。　オイラの哲学史は、これを分けるためのサニワ作業がメインである。　掃き清め作業とも言える。　地と、精霊と、天の区分の掃き清め。　そう、これの区分は、聖アウグスチヌスが煮込んで、ぐちゃぐちゃにしたものだ。　一体に煮込ンで。　聖アウグスチヌスが本物の哲学者だったと言えるのは、彼が時間自体を「わからん」とハッキリ述べたからだが。　無知な者（愛知者のこと）に、時間・空間は、わかるはずはない、のである。　自分が認識に使う形式だから。　わかりようが、ない、はず。　無知を悟らされる、イデア界の入り口にある、その魂だからだ。　実体がない、先験性のワクだから。　時間は、「それ自体では実在しない」んだから。　これはアウグスチヌスが述べている言葉。　モノ自体がないように、モノの構成ワクなんだから、ありようがない。ある、そのことを仕立てる、人の側の認識の枠なんだから、どうしようもない。　人は経験的実在認識ができる。　だが、それだけ、でしかない。　先験的認識能力は表現できない。　無知の人には、先験性を自分ンで立てることなんぞ、ムリなのだ。　必ず他力的源泉が要る。　だからといって、神が・・・にはなりませんよ。　神々が・・・にはなるかもしれんが。　因果性や形容、力関係を、ありもせん時空に想定すれば、つまり自然学やれば、客観存在するように（一見）見えるが。　実は、カテゴリーを騙っているだけだ、と、自分で気がつくはずなのだ。　自分が一人だと、当然一意になる。　気がつかない人が、「聖アウグスチヌスは、この時間論議に逡巡し、三つの時間を見出した」、などと言うのである。　また、想起、現存在、予定という一意の思惟の上に、神を呼び出して利用しようとしたりもする。　この「精霊と地と天」を、一意の思惟のもとに、人の側じゃなく「唯一の神に帰する」。　それが、宗教家アウグスチヌス。　哲学徒アウグスチヌスと矛盾しているように、見える。　これがどうしてもナゾだった。　宗教家と哲学徒と、悪人特有のその場しのぎで使い分けてることに、オイラ気が付いてなかった。　彼がこう言うわけではないが。（だから以下はオイラの修辞）　１：精霊というのは、過去を持つ想起世界のことで。　すでにないがあった、真実が示す枠組。　理解を伴わない、神話や伝承、未判断の空想。　２：現存在というのは、今ある感覚の世界のことで。　必ず身体を伴う一過性の、現実。　３：そして天というのは、理想のイデア界のことで。　一神教宗教に属する未来のもの。　ぜんぶ哲学とは無関係な、＜一意の思惟のものだ＞という先入見が必要。　思惟において、これらは＜カルトの共有もの＞だ、ということ。　地というのは、人間界の修辞対象となる一般知識のことで。　実務目的を持つ「共有」。　精霊というのは、個々人の「魂が相手する、個人領域の判断の場」のこと。　ありてあることの認識とも言う。　オイラはこれを「享有」と、区分していう。　この享有・共有を宗教企画した一意ものが、天だと考えていい。　聖アウグスチヌスはさらに宗教企画で、この三者を一意にする。　「一体と、みなす」わけだ。　哲学で見なしてる、わけじゃないのである。　これらは「宗教教義」なのだ。　ちなみにプラトン哲学では、地上は煉獄だし、イデア世界と人は切離されてて、一体じゃない。　精霊世界が想起されてるだけ、だ。　アリストテレスだと、想起すらも予定も、未知の命題に捕まっているわけで。　神々が、そのように一意に命題で捌かれるなんて、予想もしていないと思う。　聖アウグスチヌスは、「テオドシウス1世がキリスト教を国教として公認した時期に活動し」。　「後の時代に（カトリックの屋台骨を作ったとして）、聖人に祭り上げられた人物」である。　思想家のアウグスチヌスは、ほかにも居るので、聖を付ける。　哲学史で大事なことは、そんな宗教的事柄なんぞじゃなくて。　彼が、哲学と修辞学と宗教をごった煮にした張本人、哲学史上の大悪人である、ということの主張のほうだ。　実際にドゥンス・スコトゥス先生が出るまで、彼のように「本気で哲学と取り組んだ」悪人は少ないだろう。　一神教徒でありながら、彼は神の従順な奴隷としてではなく。　「哲学という悪を告白した」のである。　これも、彼が？＜本ン物の哲学者であることの証明＞となりうる。　告白というのは神に対しての信仰、個人もので、人相手の、ものじゃない。　それを無数のダイモニオン相手にやってのけて。　哲学の、悪の世界にいるんだと示しているのである。　一見宗教的だが。　「告白の中で」こそ、（悪の）時間論は、その真実は語られる、のだ。　多くの人が、これをもって宗教の優位を騙るのだが、まるで逆なのである。　悪の時間論は哲学の優位を語る。　形而上学を騙ったんであれば、救いようのない悪人であるが。　彼が告白して語ったのは、まさに「無知の知」だからだ。　つまり「自分という認識悪」を語った。　神の言葉で。　そうやって、宗教に依存している立場も同時に示すのだが。　依存部分は、彼の「享有でしかない信仰」なので。　決して騙られないし、他人には、一切わからない。　わかりようがない。　時間の秘密は、他人には、わからない。　時間が依存しているのは、神に基づく因果関係といったものではなく。　それも悪の側の。　「人の感覚的認識だ」、ということなのだ。　これが哲学の部分。　つまり神の恩寵の前にいる、悪人が、みつめ（られ）ている。　ここに哲学が、「ある」のだ。　個人信仰より先に、源泉に、見いだされてある、ということ。　アルケーが実に明確。　この理屈は、宗教的立場や自然学、修辞学では、出てこられない。　無知より強力な時空はない。　「もしオイラが誤るなら、オイラはそれゆえある、と言える」。　と、そう、確かに言える。　彼はこう述べて、時空とともに無知を悟ったことを、悪びれず言い訳したのである。　弁証した。　但し同時に、彼は宗教家なのである。　また優れた修辞学者だった。　宗教は個人の信仰に留め、修辞は論駁に留めればいいのだが。　ここでは彼の悪人さが、それらを邪魔した。　先にも述べたが、宗教が使う「サクラメントの有効性」を、修辞で世に示してしまった。　これを哲学的に再修辞してみたい。　サクラメント（秘蹟）の有効性とは。　カトリックの超重要な宗教思想の一つ。　（秘蹟）は、「神の見えない恩寵を具体的に見える形で表すこと」という宗教教義。　宗教儀式の有効性において、その密議・儀式を採り行う人物の善人、悪人は、問われない。　秘蹟は、アウグスティヌスの場合「（聖なる事物のしるし）と定義して洗礼と結婚だ」というが。　要はミスティリオンという多神性の教義。　ミステリーじゃあ～、ということ。「ミステリーのゆえんは神々のものなので、人の善悪関係おまへん」、ということ。　ローマ帝国でこの重要な儀式やる司祭人に任命された人が、ヤバイ人だったらしくて。　「あいつ悪人じゃねーか」と、修道士間でモメて。　（王族間でモメた、ということ）　聖アウグスチヌスが「神のミステリーなんやから、善人、悪人、関係おまへんやん」と言い出し、さらにモメにモメた。　結局ローマ皇帝の裁可で、「悪人がやろうが宗教儀式の有効性は変わらんぞ」、となった出来事。　このサクラメント問題というのは、実は哲学の先験論議の問題、なのである。　後の時代のカント先生言う、ア・プリオリな共有部分。聖アウグスチヌスは、宗教と哲学の垣根を、ゴッタ煮で取り払ってしまってた。　　　人がミステリーを感じるのは、そこに「人の現実」があり、同時に、説明のつかない「先験性」が見いだされてしまっているから、だ。　時間的な（極めて個人的な）＜人の認識の側の享有もの＞なのに。　男女が出会えば＜共有の子供が生まれる＞。　これを性染色体がどうのこうので言い訳するのが科学だ、と思っている人がいるようだが。　子供が生まれるのは、オイラの享有認識からは先験的にあったものにあたる。　つまり共有のものだ。　おしべとめしべが、なんて言い出したら、生命活動に、もともとあったんか？と聞かにゃならんなる。　遺伝子がどうのこうの言わねばならんなって。　最後は、この共有は、ほたら何なんだ？となって。　絶句する。　まあ、そういう説明のつかん、「ミステリアスな」享有と共有の接点ものを選んで、宗教の儀式に利用したのが、キリスト教カトリック。　自分の無知を悟る親しいレクチャーの場にしようと、佇む、のが哲学のほうなんだが。　彼はこの佇みを導入しておいて、儀式に解決させて。　その義式母体を宗教組織として国家ぐるみの権威モノとし、未来投企したのである。　一意の、絶対精神の将来支配という、血なまぐさいキリスト教。　これに、イエス伝説といったマニ教の諸教義を持ち込み。　ミステリーを具体的な儀式に変えて、さらにそれらを国家権力に重ねるといった、実に重要な役割を果たした。　哲学的に言うなら。　先験的なミステリーを、具体的な国家権力機構の儀式に変えて。　人々の脳裏に、宗教というサクラの花を咲かせたのである。　花咲か爺さん役、やったわけだ。　その悪行のゆえんが、「未来投企」。　人の側の、悪である部分を、自分の不明分母に重ね、宗教の将来的な未知に委ねた。　この先験問題はだから、人の理性のミステリアスな神聖部分となってしまう。　哲学史に、へんな路線ができた。　つまり時間論議の佇みが哲学なのだが。　宗教が自分の教義に利用して、サクラにしちまったというわけだ。　このサクラは、だから後に、「ニヒリスムスの温床ともなる」のである。　ローマ帝国はキリスト教と一体となっていき、そしてやがて滅ぶ。　過去に、多神教の全体指向宗教ゾロアスター教が一神教化し、滅んでいったように。　哲学で、本当にそう言えるかどうか、探っている最中。　ハイデガー先生は、「ゲシヒテ」という概念を見出していた。　存在論的なゲシックへ命運化した、と考えていたようだが。　　歴史的に見て、一神教化が国を亡ぼす根本原因というのは。　ありえると思う。　個々人の時間は、その悪ゆえに、滅ぶべきもの、だからだ。　その時間を共有の運命に取り込めば、当然共有の国家も滅ぶ。　一神教化が、滅びの根本原因だと言える。　しかしキリスト教は自らを多様化させ。　病的な存在論どころか。　今や論理を無視して「出ー来」に特化して生き延びようとしている。　可能かどうかは別問題だし。　エリートのいない縄文時代の数万年と比較すれば、一瞬だが。*未定稿ですがコピー自由

哲学史３　似非哲学史部分新プラトン派

紀元前86年、ローマ軍がアテナイを略奪。　哲学世界は崩壊した。　アカデメイア派も、リュケイオン派も、消えた。　生き延びた奴隷だけが細々と、伝承や文献を受けついだ。　やがて奴隷の家庭教師に学んだローマ人王族の中に、ギリシャ語を自在に操れる人々が生まれ。　そこから、修辞学（文法学とも、文献学とも言われることがある）が生まれ。　尚武のローマ人は、学者にもなっていく。　「アリストテレスの講義草稿を文法学者のテュラニオンが整理し」、「ペリパトス派のロドスのアンドロニコスが、最初のアリストテレス全集として編纂した」。　という。　また、「1世紀初頭のティベリウスに仕えた文法学者アレクサンドリアのトラシュロスは、最初のプラトン全集を編纂した」そうだ。　彼らはともに、ローマの「修辞学者」なのである。　このペリパトス派というのはアリストテレスの講義録愛好家、みたいなもんか。　逍遥学派の由来は、アリストテレスが散歩しながら対話講義したゆえんだとか。　オイラの先生である三村先生も自分の先生（西田先生）真似て、痛んで穴ぼこある教壇をウロウロしながら講義してた。　稀に、コケてた。　ラテン語は哲学に不向きであるとする当時の通説に反論した、キケロのような（自分で考える）人が最初に現れ。　何百年もの後に、聖アウグスチヌスの本物の哲学へ、つながっていくわけである。　その直前に位置する、修辞、文法学者たちの特異な宗教家グループが注目される。　ここに、プロティノスを始祖とする神秘主義者たちがいた。　彼らはソクラテスの徒ではない。　つまり哲学の徒ではないし修辞学者でもないのだ。　古代のディオニュソスやピタゴラス教団の流れを組む汲むらしい、新時代の宗教家たちなのである。　この連中が、直に哲学の後継者を主張したというわけではなくて　後の世に、疑似哲学史で、修辞的にひっぱり出されただけの話。　やはり宗教家に、引っ張り出された。　哲学は、宗教とは、もともと無縁なものだ。　だが。　引っ張り出された。　その、「無煙さ」に「気（ケ）無理（ムリ）」を立てたのが、本物の哲学者。　聖アウグスチヌス。　彼は灰を撒いて、花咲かじいさん、やった。　つまり、ローマ皇帝を動かしてサクラメントの有効性を述べ、国の内外にシロ示した。　ここで、宗教が哲学を抱き込んでしまったように見えたのだ。　彼については、また別の節で触れる。　ここで述べる神秘主義者たちは、世に言う哲学者ではなく「宗教家」グループ。　哲学者にしてはいかんのだが、そうみなされた。　しかしこれで、後の世に引きずる形而上学的思考と、特にプラトン主義というへんなものが、この後ずっと尾を引く。　なので、事前に整理し、排除しておきたいわけだ。　後の時代の聖アウグスチヌスは、グノーシス思想などには、ひっかかっていない、が。　修辞学を伝えた、また後の世にグノーシス思想をもたらせたハシリの連中が、この宗教家グループでもある、からだ。　彼らの思想は、「ネオ・プラトニズム」と呼ばれている。　新・プラトン主義「哲学」だと言うが。　コレは真っ赤なウソである。　学問は正しくは、アリストテレスの教説をもとに、プラトンが論説利用したイデア論を解釈し直した「修辞学」。　哲学ではなく、あくまで「修辞学」。　宗教と、修辞学、この二重の偽装で、へんな哲学が産まれたことになったのだ。　修辞で何をやったのか、と言えば。　まず、時代を、ごちゃまぜにした。　歴史的隠ぺい作業やった。　無知の知、無視である。　過去の個人の「魂の主義主張」を、自分たちの「知識の共有主張」に、むりやりハメ込んだ。　使われたのが、アリストテレスの論理学や自然学批判など。　これを、一時代前のプラトンの教説に組み込ンで、解釈修辞した。　「ネオプラトニズムは、自分たちの学説にアリストテレスの哲学を取り込み、アリストテレスの著作に関する多くの注釈本を生み出した。」　と言われてきている。　哲学というのは、ウソ。　アリストテレス哲学にプラトン思想を持ち込んだのではない。　そういう、まっとうな解釈学でもない。　アリストテレス風の修辞学で、それ以前のプラトンの思想を修辞した。　時間絵を、間違った方向に導いたのである。　まあ、オイラがハイデガー先生の論説利用してデカルトを解釈するようなもん、です。　これを史観的に主張するとムリが生じる。　しかも目的が哲学ではなく、宗教利用。　コレが決定的にいかんのである。　西洋の哲学に、これで不純な動機が、入りこんでしまった。　アルケーのふりをして。　アルケー（源泉）が動機に化けた。　カント先生など、敬虔主義思想にどっぷりハマって、フリーメ－ソンにも参加して聖書読む会、やってたし。　ナチスのハイデガー先生ですら、神学やろうか哲学やろうか、迷ってたほど。　哲学の世界と宗教の世界が、ぐちゃぐちゃ。　ナチスというのは別名、「積極的キリスト教」、ともいう。　宗教が哲学と一体化してしまった原因が、ここにある。　修辞学と宗教の混入。　　これが、西洋哲学を破滅させようとした破壊工作者だ、と思う。　この二つを曖昧に扱う限り、工作者はスパイとなり破壊工作を続ける。　修辞学も、宗教も、哲学とは無縁、無関係のはずだ。　なぜかというと、哲学は必然的に「多神教的である」からだ。　カルトじゃない。　だから、工作者は必ず一神教徒のスパイ、なのである。　　さて、代表者プロチノスがやったことは、「プラトンの正しい解釈」の修辞である。　哲学なら、そんなの不可能とわかるんだが、彼は修辞学者。　後世には解釈なんて要らんのだが。　イデア論が正しい、と思い込む一神教徒の宗教家でもあったので。　必要だ、と、思いこンだ。　プラトンは、一神教の宗教家が見ると、二元論者に見えるらしい。　それを修辞で一元にしたかったのだろう、と（後世の一神教徒に）言われている。　太古の人の学問修辞なので、ギリシャ語の現代解釈がまちがっとるのだろう、と思ったとのこと。　プラトンは、自然学者パルメニデスを、前世代の知恵者（ソフィスト）として論説命題利用しただけ。　学問の動機が違う。　そもそも一神教的に理解しようというのが間違っとるんだが。　パルメニデス先生が説く「一意」なんてのは、「人が騙れん、神のイデアものでしょ」、と、「自然学を批判して」言ってるだけなんだが。　批判されてる側だと気が付いてない。　プロチノスは宗教家なので、この（自分への）批判精神をも見失っている。　自分が一意の神を信じる「イデア論の宗教家の立場」で、世界を見てしまう。　なおかつ、自然学と形而上学を「自分の信仰の一意で見てる」。　カルト思想家なので。　しかもアリストテレス風の（誤った）世界観で。　アリストテレスも一神教徒ではないので、二度、間違ったわけだ。　これだと、他人の論説批判のようなわけにはいかん。　自然学者のいう万物は、善のイデアから理性（ヌース）が流出させておるものなんや、となる。　宗教的に、一意の落としどころ、コレが必要になってきているのだ。　いわば、多神教徒であるプラトンを、一神教徒に置き換えんと、済まんなるのだ。　修辞名目で、むちゃくちゃ横暴なことやってるんだが。　「魂、物質などは、一者＝神（ト・ヘン）から流出したヌース（理性）の働きによるものである」（流出説）という、形而上学的な認識が、ここに、できあがる。　もとは、無知の知を伝えるための、プラトンの「批判」が目的だった。　それを、形而上学的「認識」だ、と思いこんだ誤り、なのだが。　この「修辞学的疑似形而上学」が、西洋の哲学の歴史にデーンと、居座るのだ。　カルトとして。　プロティノス自身に、新説主張の意識は、なかったらしい。　自分のやった横暴に、まったく気がついちょらんのである。　また彼の騙る形而上学に価値はないので、割愛。　美学のハシリがまあまあ面白いし、倫理観や芸術も出て来るのだが。　これらは哲学ではなく、修辞学的宗教思想。　自分の無知に切り込んでの、ものではなく。　宗教的審美観に切り込んで、の教義もの。　動機が不純なのである。　だから無視。　アルケーのありかが、まったく明確でない。　これは宗教家に付きまとう特徴。　哲学的思惟の明晰判明さを持てない「命運」、とでもいうべきもの。　ゲシック（ハイデガー先生の概念）。　哲学であれば必ず、アルケーを、その「思惟の源泉を明確に」する。　アルケーそのものは、まったく哲学でも不明確そのものなんだが。　主義主張ではなく。　論議の出どころを哲学は「明晰判明にする」、のだ。　目的が、親しい対話なので当然なのである。　常に論議のモトとなる分母のありかを確かめたいのが、哲学家。　この、分母を見せようとしないのが、宗教家だ。　主義主張にしたり、ミステリーにしたり。　オカルトも、この類である。　分母の出所が？？？。　論議の出た感性、特に（時間・空間）を曖昧にして。　神秘の煙に巻いてしまう。　彼らの落ち込む疑似哲学のその典型が、「グノーシス主義」なのである。　哲学ではない。　が、これについても少し述べておきたい。　捕まっている善人が多すぎだからだ。　そしてこれは、一神教宗教の哲学主張に付きまとう、厄介な魔女狩り問題の根なのだ。　グノーシス問題。　まずメッシーナ提案というのがあって。　これが研究者たちの共通基本認識となっているようなので、ムリがあるが利用したい。　紀元2ー3世紀頃のキリスト教グノーシス体系を「グノーシス主義」と定義し。　より広い意味での「秘教的知識」の疑似カテゴリー歴史を「グノーシス」と定義した。　その歴史で。　「自己の本質と真の神についての認識に到達することを求める思想」、がグノーシスである。　こういった「定義には、ほんんま馴染まん」宗教的魔女狩り的思想なんだが。　つまり、宗教思想、かつ形而上学的な、非哲学のものであるんだが。　（無知の知の哲学とは、全くの無関係なんですヨ）。　キリスト教徒やイスラム教徒などにとって、宇宙は、唯一の善なる神の支配領域。　サタンにそそのかされた、人の愚かさが悪の世界なんだが。（ウイキ）　グノーシス主義者にとっては「反宇宙的二元論」と呼ばれる世界観となる、のだという。　　その、キリスト教徒以外の不完全な神が、デミウルゴス。　「至高神の神性（アイオーン）のひとつであるソフィア（知恵）は、その持てる力を発揮しようとして、ヤルダバオート、あるいはデミウルゴスと呼ばれる狂った神を作った」と。　要は異端審問にすぎん、と思うかもしれんが、そんな単純なものじゃない。　これが出てくるのは、「自己の本質と真の神についての認識に到達することを求める思想」においてのみ、だからだ。　宗教思想においてのみ、出てくる。　新プラトン主義を真剣に学べば、必ず出てくる。　真剣で、真摯で、あればあるほど、ソフィア（知恵）を本気で理解しようとすればするほど、これは深刻な問題となる。　異端がグノーシスだと思っている人は、要するに、アホなだけ。　哲学は、自己の本質を「無知」＝悪霊による全否定、とするし。　真の神なんて、「神多すぎてわからんヨ」、というので。　もとより無縁。　しかし自分を、「善なる一意の宗教家だ」、とおもい込んでいる人には深刻だろう。　悪人宣言者には、宗教家であっても、もともと無関係となるんである。　だから聖アウグスチヌスなんかは、宗教家であっても無視で、スル－できた。　次節で、これを騙りたい。

哲学史２　フィリアと学問

哲学は、もともと多神教世界の学問。　ヘラスでソクラテスによって生まれ。　プラトンの開いたアカデメイアという体育系学校を中心に、花開いた。　プラトンなきあと、彼に見いだされてたアリストテレスは教師職をクビになったが。　すでに有名だったので、郷里に戻って王室の家庭教師やってた。　その教え子がアテナイを制圧してのち、文化の中心地にもどってきて。　師を真似て、リュケイオンという体育学校を建てる。　アカデメイアは最高学府だが、この新設校は、もっと基礎を中心に学べる場だったと言われる。　ありえること。　プラトンは、「万物流転」パン・タ・ライを相手にした。　しかし自分自身の探求だった。　クラテュロスに、ヘラクレイトス風の自然学を学び、のちにソクラテスにも学んだという。　壮大、かつ広大なカオス世界を相手に武者修行旅に出たようなもの、だが。　アリストテレスのほうは、役だたん自分の無知無能には問いかけはしても、未知のイデア世界探求ではなく。　もっぱら「学問の基礎、世間の世相の基礎を」ほじくってた。つまり修辞学的要素は、十分持ってたと言える。　哲学は、享有の自分が持つ、先験性の共有探求（これはカント風オイラ脚色見解）なのだが。　修辞学は、共有で役立つ処世術探し、なので。　この修辞学立場で見てしまうと、アリストテレスの狙いを見間違い易い、ようだ。　彼には、実務能力は無かったことで有名なのに。　なので処世術探しではないのに。　現世の英達や富、権力の確保、にも興味はなく。　教え子の世界征服にも同行しなかった。　同行してれば国の一つくらいはもらえたと思うが。　　王族のプラトンも、政治支配できんので哲学選んだんじゃない。　　イデア論というのは、世の本質を一意に言うプラトンの説ではなくて、当時のヘラス知識人の、流行思潮と考えるべき。　彼の哲学の論説にいっぱいでてくるが、それ狙いではない。　そもそも、そんなものに押し込められるような、中性的で堅苦しい論議する人物じゃない。　プラトンは巨人に見える。　エイドス、エルゲイア論議もまた、アリストテレスの本質論、ではなくて。　そういった見方もできまっせ、という程度の「命題提示」。　命題に拘ってはならない、は、アリストテレスの忠告にある。　哲学は「自分の無知を知ること」だから、世の成り立ちが一元論だの二元論だのなんかは、自然学者みたいには気にせんのである。　どうせ人の認識なんやから、どうでもエエこと。　この「自然学」と「哲学」の区分、超重要です。　西洋の伝統は、コレをごった煮にしちまった。　修辞学使って。　二人とも、膨大な著書がある。　どちらかというとプラトンは王族らしく、世界や国家や、その文化の理想を論じたという。　名も、本名ではなくレスラー名らしいんだが。　得意であったレスリングも、レスリングというより、パンクラチオンという。　命のやりとり、殴り合いの古武道だろう。　ヘラス人は、オイラたちと同様、濃厚なシュメール系の、オリエント特有のすもう文化をもってた、と言うべきか。　つまり、彼らはソクラテス同様、「多神教徒」なのである。　主義者、なんぞではありえない人たちなのである。　この「ありえない理屈」が、一神教徒には理解できないようだ。　主知主義であった事実もないし、理性を感性や意志と対峙させ、優先させもしない。　ましてや、神学、心理学は論外にしても。　文学をやってた、と言ったら投げとばされるだろう。　　彼がやってたことは、体育や道徳と一体となった、「哲学」である。　教育にも似た産婆術。　パイデイアへの奉仕。　アカデメイアで教えてたのは、天文学、生物学、数学、政治学、哲学だと言われる。　体育を忘れちゃ困る。　これが人集めのメインエンターテイメントだった。　それも実用に直結した、戦士のための古武道体術。　それに比べ、彼が哲学で教えたディアレクチークは、弁証法ではないし。　「諸天体は神々の知性（ヌース）によって動かされている」といった表現も、宇宙論・神学的描写では、ありえない。　あくまで「人の無知を、自分で悟らせる」ためのパイデイア的修辞。　実用の修辞でもない、のだ。　特に自分の栄達、カネ儲けには、まるっきし役立たない。　後の世に、彼の業績を悪用した、役立つ修辞がのさばった、のである。　オイラの論議も、似たような修辞になるしかないんだが。　プラトンはまた、政治的野心なども温めてはいたようだが。　師の死や、シラクサイで危険な目にあったりして、行動範囲は広いがあまり積極的ではない。　さて、プラトンはウイキによると。　１：（最高のイデアは「善のイデア」であり、存在と知識を超える最高原理であるとした）　　２：（この世界・宇宙は、善なる製作者（デミウルゴス）たる神によって、永遠なるイデアを範型として模倣・制作したものであること）　３：（法律では、諸天体が神々の「最善の魂」の知性（ヌース）によって動かされていることを説明）　以上が書いてあった。　オイラ、ギリシャ語は授業サボッてロクに読めんのだから、あんまり知らんのだが。　イデアが何であるのか明確でないのに、人が存在や知識で認識する？　そりゃあかんやろ。　人はイデアを通じて認識するだけの、無知な者。　なのに、それらを超えて、どうすんのサ。　「ドクサを抱くにすぎない者の愛の対象は（あり、かつ、あらぬもの）である。」というのは、確かにプラトン先生が言いそうなことだが。　善のイデア目指しての超越というアジェンダは、先生の論議には、ありえそうにない。　１：は間違い。　不完全な造物主デミウルゴスを、確かに述べた。　それは造物主といった不完全な誤謬に囚われないように、不完全な人間がイデアを真似たらこうなるよ、と言ってるだけの話。　グノーシス派の先導役じゃない。　自然学者ではない哲学なので。　そもそも世界像だとか宇宙論を述べているんじゃない。　これらは後の世の、へんな思想を混ぜてある見解。　２：も間違い。　３；は、善のイデア指向のモトがヌースにあり、それが法律である、と言いたいようだが、１：が間違いなので、この説明と見るのは、誤り。　プラトンが述べているのは、諸天体の秩序が、知性で観察したら確かに秩序あるように、みえるよナア、しかし・・・ということ。　こんなに数学的に秩序だって見えるのに、見出したヌースと見えてない魂（プシケ）の先験的な関係は、どないんなっとるんやろう、という、・・・佇み。　プラトンが示したいのは、佇み（エポケー）なのである。　人の側の、無知の知についで重要な言葉である。　法の、善のイデアなんかを示したいんじゃない。　それは、たてまえ。　そこに到達できん、無知の知の、人の現実が置かれたジレンマの方。　建前はどぅでもょくて（どうせデミウルゴスのサクラなんやから）。　無知の知が指向する（未来ではなく、経験的に演繹できる過去の実在）カテゴリーを、親しく共有論議できんもんか。　もちろん先生がこんな言葉を使うはずないが、そういったところだろう。　彼の場合も、死後に用語辞書が偽造されたりしてるんだが。　プラトンの場合、カテゴリー（ロゴスのカタログ）は、「魂のあかし」、でいいと思う。　アリストテレスは「実在の証」と言われる。　プラトンの場合も偽装された論説多くて、その用語定義集にも及んでいる。　ホロイの偽書なんてのがあって面白いので、ちょい脱線。　脱線。　ソフィアを知恵だとし、「無前提の知識。永遠にあるものについての知識。存在する諸物の原因を観想する知識」。とする。　これは、オイラが先験性持ち出すようなものでウソとわかるが。　エピステーメを知識だとし、「言論による反駁を許さない理解力、揺るぎない真実の理論。」なんてのは、笑う。　これらはヘブライ人への手紙に出てくる後世の概念である。　神の愛もネタバレしてて。　(アガペーシス)愛好、全面的に受け入れること。　神の側からの愛なんて、わかるわけないしあるわけない。　ここは偽書が真実。　(パイデイア)教養、魂を医療し得る力。　(マニア)狂気、まともな考えを破壊する（心の）状態。　なども、ウソとはっきりわかるが。　(デュナミス)力、それ自身で作用し得るもの。　などは、考えさせられる。　もちろんウソです。　ぶラックホール概念になっちまう。　さわりは。　(アルケー)始原、存在の第一原因。　(アルケー)統治権、全てに対する配慮。　二種類併記されてて、このウソあたりが、この偽書の核心だろう。　アルケーは始源、であって、原因も配慮も、気が付かねば関係ない。　脱線はこの程度にしておいて。　アリストテレスは平民らしい。　市井の人々の暮らしの動向に、目をやっている。　たとえばポエチカ（詩論）なんてのがあるが。　詩の書き方を論じたのではなくて。　ポイエシスという、ミュトス領域対象の哲学論。　もっぱら、市井の演劇・観劇の実情の観察、が中心に据えられていた。　彼の哲学が西洋万学の祖というのは事実だ。　だが、現代につながるのは、その学問の理念のみである。　彼の自然学は博物誌や自然科学ではないし、そのオルガノンは生物学ではない。　観察した内容が幼稚、というわけではない。　現代の産学協同理念につながるようなものは何一つない、とぃうだけ。　彼は、目的の役に立つ学問の基礎を築き教えたのではないからだ。　メタ・フィシカは「形而上学」だとされている。　が、コレはウソで、当時の「自然学」の目の付け処を批判し述べた批判書。　超越・自然学、ではなくて、「自然学のメ」。　（タ・メ）・タ・（タ・フィシカ）である。　内容は、自然学批判の哲学。　心理学、宇宙論、神学ではない、のである。　それの批判。　「倫理学」は、個人の享有が自分を縛る、その様を反省し、その先験性を探ったもの。　ニコマコスらが編纂しまとめたので、別物となってしまった。　共有社会組織が個人信仰を利用する手引き書なんぞとは、無関係。　エチケットを説いた、徳の試論書でもない。　幸福とは何か、まず命題化し、「勇気と節制、正義、また気前の良さ、志の高さなど」アレテーをネタにした、無知の知。　論理学。　これはロゴスのオルガノン（歌うオルガンの法則＝人間のこと）についての哲学。　「日本語の「論理学」という語は西周による」らしい。　適切な訳でないことは、うすうすわかるが。　たんなる数学的カノンつまりオルガンの仕組み法則探求ではなく、「オルガノンにおいて論証に使われる文章を命題として捉え、それぞれの命題がどのように組み合わさることで正しい推論が可能になるか、を考察」した、とは言える。　オルガノンは、道具、手段、器官を意味すると言うが、正しくない。　むしろ、歌うオルガンと見た「生体、あるいは論理の担い手」批判。　論議をバラシて、その道具立てやアルゴリズムや、器官的時空関係を明確にしていった哲学。　カントは論理学を「アリストテレス以来進歩もなければ後退もない、いわば完成された学問」と呼んだ。　ライプニッツの始めたやつとか、現代の記号論理学とかは別物なのである。　また、バウムガルテンが下級認識能力の論理学としての感性学を提唱しエステチカと名づけたことなんかは、アリストテレスのロギカが西洋に正しく伝わらなかった事情をしめしているのだろう。　現代では言葉の代わりに数学の演算規則をあてはめ、「概念」や「観念」を記号に変換した論理学が整備されているというが。　オイラよくは知らん。　ネオプラトニズムという思潮の、ポルピュリオスによる注解が西洋に伝わり、アラビアには別のネストリウス派がシリア語に翻訳した別の論理学、という説も読んだことある。　現代の論理学は、「人工の、歌うオルガン作りに励んでいる」、と言えるかも。　数理論理学の先駆となる「普遍言語」を構想したのはライプニッツであるが、これは哲学ではない。　だから記号論理学が哲学と言えるかどうかは、疑わしい。　自然学についての書物は多い。　しかしこれは、それだけ「聴講者に関心が多かった」ということだろう。　宇宙論だとか天体学、というのはウソである。　単に、ウラノス（天）についての一連の講義録があるだけ。　気象や博物誌的なもの、中には物理学や生物学のハシリのようなものも確かにあったようだ。　心理学がある、と主張する意見すらある。　何度も何度も大勢の学者によって書き直され、万学の祖であっただけに、その基礎を正しく見ることなどには、すでにムリがある。　残念ながら特にアリストテレスは、ことごとく後世の弟子たちによって書き直された。　ローマ帝国が、彼の業績に、のしかかったのである。　彼は自然学の研究も熱心だったのだが。　宇宙の成り立ちだとか、心のメカニズムだとか、神の存在だとかには、もともと一切興味がなかったようである。　主たる関心は、世間で通用の論理、自分の倫理の動向、つまりオイラの最近採り上げる享有と共有に近い諸問題だったと思う。　物事の本質追及には超熱心。　で、彼が西洋の万学の祖である、そのことに異論はない。　異論は、フィレイン・ト・ソフォン（知への親愛）の扱いのほうである。　フィロソフィア（哲学）の語源であるが、これを「知への愛」としたい人が多すぎ。　愛を神の愛ににせて、適当に誤魔化して。　おいらは、愛というより、知ることへの「親しみ的執着」、としたい。　フィリアはエロース（性愛）でもアガペー（神的服従愛）でもないんである。　親しい親子関係みたいな、腐れ縁もんだ、とは思う。　フィリアはどっちかというと執着愛で、フェチシズムに近い。　ソクラテスの場合、イデアと直結する病気持ち。　という、無知の知、覚醒に至る理由があり。　これはプラトンでも同様の事情だった。　病気ではなかったが、多数派に安泰できない特殊事情があった。　幸い、ヘラス世界では一般にも認められていたのだが。　アリストテレス、も、実務能力、まるでだめお。　そもそも、「プラトニック・ラブ」の意味をご存じだろうか。　プラトンの特殊事情。　神聖愛、純愛、みたいな意味に使われているが、まったく違いまっせ。　執着愛にも若干近い、エロースを伴う「同性愛」のこと。　プラトンには、逞しい愛人がいた。　なぜ男しか愛せないのか自分の魏も疑問で、彼はいつも自分に問いかけて不思議がっていたようだ。　知ることへの、親しみの執着の。　理由確認。　理由を知らない自分の無知は知ったが。　答えは得られなかった。　哲学の問は、問う目的が明確にある問ではない、のである。　これは大事なこと。　問う目的が明確にある問のことを、「科学の問」、という。　合目的対象化認識の学問は、科学技術である。　これはローマ時代に、修辞学を基礎として生まれてた。　哲学の問は、親しみ愛に支えられた問ではあるが、科学分析できない、のである。　科学技術のほうは、再現技術ノートに支えられ、服従させられた問（学問）に終始する。　哲学は、アリストテレスで一旦途絶える。　という説が、オイラの哲学史だ。　復活には、修辞学者、聖アウグスチヌスの登場を待たねばならないと思う。　その前に新プラトン派と呼ばれる人々が出て、一神教と融合した、とするのが、世の点取り虫の哲学史。　これはオイラ、全否定したい。　が、世の歴史の主流はオイラの意見ではなく、こちらで動いた。　哲学が修辞学を産んだのは、これは事実である。　特に更に、哲学がこれで、宗教との関わりを持たせられてしまったのも事実。　もともと無関係なのに。　聖アウグスチヌスが深く関与した。　科学技術と学問の関係を見るには、無視できない問題がある。　次節で、この点取り虫の似非哲学史を述べてみたい。　哲学ではないが、後々の事情がわかる。