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家の裏手 今日は山腹に
木の根っこと石ばかりの場所を掘り 大きな深い穴を一つ作った 岩という岩を取り除く 脆くて痩せた土も取り去って それから1時間 古い森の中で あちらこちらで膝をついて 朽ちた栗の切り株の中から 杓子と手で あたたかいキノコの匂いがしてる あの黒くてやわらかな森の土を 二つの大きなバケツいっぱい 集めて運んだ そして穴の中に1本の木を植え 木の周りを心こめて これらのピートで囲って ひなた水をゆるりと注いで その根にやさしく与えた あふれるほどたっぷりの水 小さな若木はそこに立つ その木は 私たちが消え去ってからも 私たちの時代の 騒々しく偉大で果てない困窮 ものぐるおしいほどの不安が 忘れ去られたのちにも そこに立つ 南風が木をねじまげ 暴風雨が激しくゆさぶるだろう 太陽がわらいかけると 湿った雪がのしかかり マヒワとゴジュウカラが木に住むだろうし ものしずかなハリネズミが その根元をほりかえすことだろう この木が経験し あじわいつつ耐える 流れる年月は 動物には世代の交代 傷を負い 治癒する風と太陽の友情から それらは毎日 その木から流れ出る ざわめく樹木の葉っぱの歌となって おだやかにゆれる梢の 優し気な身振りとなって 冬眠中の芽を潤す樹液を含めたしたたりの 繊細で甘い かおりとなる 自足して 自分と戯れ 光と影の 永遠の遊戯となって流れ出るだろう お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024年01月01日 08時55分56秒
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