しつこいようだが、宇宙にプレアデスは、ない。
地上から仰ぎ見る星団も、プレアデスではない。
日本語では「スバル星団」なのである。
あの美しい星々は、実際には、個々が遠く離れたバラバラの星々であって。
地球上からは集合しているように見えているだけ、なのである。
太古に、グラヌンとイデイグラット、今はチグリス、ユーフラテスと呼ばれる両大河の上流にあたる山岳地域に、スバル人が居た。
彼らは膠着語を持つ(シュメール系の)温和な山岳種族だったが。
アガデ(アッカド)の山賊が彼らを襲った。
奴隷に堕ちて生き延びた女からは、混血のアッシリア人兵士が生まれた。
女たちは顔を隠すようになり。
言語も変わり、生まれつきの奴隷であるまま、息子はオリエント最強の兵士たちとなった。
神にも等しい副王のもとで、彼らは世界を征服していった。
(アッシリアの主は、全能の神アッシュール)
しかし山賊が殺し損ねた人々も、すばるの領域には、いっぱいいたのだ。
彼らは生き抜くために、戦いの術を学ぶ。
やがて世界中がアッシリアに征服されて後も、彼らは未だ、独立を保って戦っていた。
強権支配に耐え兼ねた人々を吸収し、こちらも、いつのまにか大帝国となりかけていた。
しかし現代の歴史上からは、なぜか、もみ消されかかっているのである。
アラム人の敗残兵、ハッチの亡命者、北イスラエルの敗残兵、アッシリアの逃亡兵などの寄せ集めだったためだろうか?
いや、原因は彼らの独特の、膠着語言語にあったんだと思う。
ただ、現代に生き残っている少数民族の彼らは、アッシリア語を喋っているそうだ。
彼らは、遠い過去に滅びたイシン市の軍旗のもとに、集まっていた。
アラタマ、旭日旗のもとに集まり、アッシリア軍を、常にゲリラ戦で苦しめていた。
ナイリという土地にあった、初代美麗王アラムの国は、繰り返し襲うアッシリア人の呼び名でもって、かろうじて今日に知られている。
恐怖の火の山、<ウラルトゥ>の名で。
アッシリア辺境、スバルトゥを中心とする山岳地域に、星々はちりばめられていた。
ビアイナ(ナイリ)、アッジハヤ、ムサシル、アル・メヌワなどの、栄光の国々の名が残されている。
世界帝国となったアッシリアと常に正面から相対峙し、最後はアッシリアと相打ちして滅びた国々である。
スバル星団の名は、宇宙に存在しない星団ではなく。
地上の、このウラルトゥ帝国に参加した星々に与えるのがふさわしい。