「辞書の編纂」というテーマに少々興味を引かれ読んでみました
読み進める程にディープな世界が広がります
辞書編集部を扱った作品って有っただろうか?
「言葉」への思い入れが人一倍強い主人公が、個性的な面々の現場にて
新しい辞書「大航海」の編纂に携わり、完成に至るまでの
十五年の日々葛藤を追った作品
辞書一冊発行するのに、緻密にかつ自由な発想を持って
作り上げていることに感動を覚えました
掲載する単語をどのような基準でどこまで載せるのか?
さらに、時代とともに忘れ去られる言葉と、新しく出てくる言葉の調整
一年二年の歳月で発行されるなら良しとなりそうですが
十五年以上もかかれば、載せる載せないの攻防戦は計り知れず・・・
実際の現場でも、編集部の面々は字体・紙質・装丁に至るまで
何一つ手を抜かないで、頭を抱えながら葛藤してるのだろうなと
思わずにはいられません
今や、パソコンや携帯で文字を打っても変換してくれ
また、同じ読みの場合の意味を調べるのも検索1つで済ませられ
辞書を引く事が少なくなって来ていますが
この本を読んだ後は、無性に辞書を見る?!
読みたくなりました!
「言葉」一つ一つのもつ意味を詳しく掘り下げて考えたことが無かったので
用例として書かれている言葉の解釈の違い読んでいて
自分のボキャブラリーの少なさに、日本人なのにと歯がゆくなりました
今、ここまで書き連ねてきた文章の言葉の意味を言え!!
なんて言われたら、何十年もかかりそう・・・(笑)
「辞書」奥が深いです
カバーを外したら「おまけ」が付いてた・・・