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医療報道を斬る

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2007.06.19
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カテゴリ:教育
善い人に 袋だたきに されるかな



 大野病院の癒着胎盤、大淀病院の脳内出血、どちらも患者は亡くなった。それらの事例が報道されたとき、多くの善意の人々が憤慨した。ろくでもない医者が、何の罪もない患者を殺したのだと。救えるはずの命を奪ったのだと。医師である私から見たら、いずれも救命は困難だった。むしろ、現場の医師は良くやった方だと思う。善意の人々の怒りが、多くの医師の心を萎えさせる。

 医師と並んでメディアに叩かれやすいのが教師だ。何かことがおきれば、何でも学校のせいにしておけば間違いはない。今日の記事を引用したいくつかのブログを見たが、やはりみんな怒っている。犯人よりも学校に怒っている。でもbambooは怒らない。怒るべきことではなかったというわけではない。怒るべきことなのかどうか、一つの記事で判断したりはしないだけだ。

 と言うわけで、今日は医療報道ではない。
 
「旅館で男に触られた」児童の被害届けず修学旅行を続行

2007年06月16日06時35分 asahi.com

 横浜市の市立小学校が栃木県日光市に修学旅行中、小学校6年生の女子児童2人から、旅館で就寝中に侵入してきた男に体を触られたと訴えを受けながら、「狂言の可能性もある」などとして警察に届けず、旅行を続けていたことがわかった。横浜に戻った後、保護者から届けるよう求められて学校側は神奈川県警に相談。同県警から連絡を受けた日光署は15日、千葉市在住の無職の男(36)を住居侵入と強制わいせつの疑いで逮捕した。

 横浜市教委などによると、6年生約130人が5月31日から1泊2日で日光を訪れた際、旅館に宿泊中の1日未明に7人部屋で寝ていた女児2人が、侵入した男に体を触られた。教諭の見回りのため、部屋の鍵はかけていなかった。男は女児が目を覚ましたため、逃走したという。

 女児は教諭にすぐに被害を訴え、教諭は校長に連絡。しかし1日も日程通り旅行を続け、午後6時ごろ、学校に戻った。その後、女児のそれぞれの母親に校長が事件の発生を伝えた。被害届は4日に保護者らが出した。

 市教委に対し、校長は「被害を受けた女児は落ち着いている様子だったので、みんなと同じように修学旅行を続けさせたかった。狂言の可能性もあると思った」と説明しているという。市教委の担当者は「学校が事件を隠そうとしたと思われても仕方がない対応だった」としている。



 まず、現場の教師は校長に連絡し、校長の指示で動いているので責任はない。責任を問われるとすれば校長だろう。でも、何も考えずにすぐに警察に届ければ良かったのかというと、それはそれで無責任だと思う。警察に届ければ大騒ぎになる可能性もあるからだ。

 「しかし1日も日程通り旅行を続け」と言う書き方からは、旅行を続けてはいけないという意志を感じる。せっかくの修学旅行なのだから、続けさせてあげたいのは教師とすれば当然じゃないのだろうか。日程通り旅行を続けながら、裏では解決に向けて動いていれば良かったのだろうなと思う。

 校長は連絡を受けたらすぐに保護者に連絡し、対応を相談すれば良かったと思うし、警察にも、児童に配慮した捜査を依頼することも出来たとは思う。それでも、後からあれこれ言うのは簡単だ。もう少しうまくやれたのではないかとは思うが、だからといって怒ったりはしない。そもそも遅れたと言っても、その日のうちに警察に相談しているのだ。「学校が事件を隠そうとしたと思われても仕方がない対応だった」というのは、責任のすべてを学校に丸投げにしたい教育委員会の発言だ。子供に口止めしたわけでもなく、帰ってすぐに保護者に連絡しているのに、どう隠そうとしたというのだろう。

 多くの人の怒りの矛先は「狂言」だろう。子供を嘘つき扱いしたことを怒っているのだ。でも、bambooが本当に心配しているのはこうした対応だ。信じるのなら完全に信じる。少しでも疑うのであれば、それは完全に黒だと言っているものと見なす。こうした思考回路を持つ人は多い。でも、それでは危機管理は出来ない。

 そもそも狂言という言葉は、校長から教育委員会に対しての報告の中で言われた言葉だろう。どのような文脈であったのかも分からない。ほんのわずかでも狂言の可能性があるのであれば、慎重に対応するのは当然だ。そして、狂言の可能性が全くないと断定するだけの根拠は記事からは分からない。たとえ狂言ではなくとも、勘違いという可能性だってあるだろう。何もメディアに公表する必要はないが、公表したのは教育委員会で、校長がメディアに直接言ったわけではないだろう。

 bambooはメディアに乗せられるのは嫌いだ。今回も、狂言というキーワードでみんなの怒りを煽ろうという魂胆は見え見えだ。厚労相の「女性は産む機械」の時と同様だ。厚労相の発言を実際に聞いてみれば、そのような内容ではないことが分かる。でも、誰かをバッシングしたい人々は、メディアに乗って狂ったように踊った。

 医療崩壊に直面した医師にとって、厚労省は親の敵とも思えるほど憎い存在である。厚労相は、そのトップである。それほど憎い厚労相をかばってでも批判するほど、メディアリテラシーは重要なのだ。

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Last updated  2007.06.20 06:01:04
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