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2007.07.09
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カテゴリ:医療
不合理に 凝り固まった 恐ろしさ


 いつも読ませていただいている「NATROMの日記」の信仰と狂気~吉村医院での幸せなお産で紹介されている幸せなお産を見てみた。書いている本人は大まじめなのだが、読んでいるこちらは背筋が寒くなるような気味悪さがつきまとう。

 結構長い文章なのだが、要約すれば次の通り。書き手は夫。自然食品の信奉者で、ホメオパシーや姓名判断を信じる一方、現代科学、とりわけ医学を目の敵にしている。

 初産で骨盤位で、さらに児頭骨盤不適合まであると大阪の病院で診断され、帝王切開が避けられない状況であったが、どんなことをしても自然分娩で産ませたいと、その筋では有名だったらしい吉村医院を受診した。吉村先生は「産道もめちゃめちゃやわらかい・・・バリバリの安産です」と保証してくれたらしい。

 結局はいろいろと努力したにもかかわらず、予定日を一ヶ月も過ぎて、初発陣痛から三日も苦しんだ後、病院に送られて帝王切開で出産。翌日には母子ともに吉村医院に戻った。そして出産から三日で、新生児は死亡した。死因については記載がない。

 この結果を踏まえながらも、帝王切開をした病院に対しては悪口雑言。どう見ても親と吉村医院の責任だと思うのだが、こちらは美辞麗句。胸が悪くなった。

 私は4人の子供を授かったが、幸いなことにひとりも亡くしては居ない。子供を亡くすことは、言葉では分かっていても、実際にどれだけ悲しいことなのか想像も出来ない。このケースでも、親の悲しみは相当なものであったはずだ。でも、凝り固まった信念は、その悲しみよりも強いのだろう。

 すでに悲しみにうちひしがれている人を叩くのは気が進まない。でも、こんな考え方をする人が世の中にいることを、医療者に知らしめることには意義があると思う。医療者にとっては危険な存在であろうから。

 夫はともかく、奥さんはどう感じているのかも気にかかる。

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Last updated  2007.07.09 06:02:19
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