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カテゴリ:医療
モニター機器の警報の誤作動については何度も書いたが、心電図モニターのダブルカウントによる誤作動は、警報が鳴りっぱなしになることがあるため、警報を解除せざるを得ないことがある。ダブルカウントとは、本来なら一拍にあたる一連の心電図波形を、二拍分に数えてしまうことである。当然心拍数は二倍に数えられるため、異常な頻脈と見なされ、警報が鳴るのだ。実際には問題ないのに警報が鳴り続ければ、警報を解除するのはやむを得ないだろう。 名大病院の患者死亡事故:警報機能解除か 事故調が報告書 毎日の記事だと、手術から約一週間後に問題が起きたことが分かるが、手術の内容が分からない。元々ペースメーカーを装着した患者だったように読めるが、後で分かるように心臓の手術なのであれば、手術中に装着した可能性もある。うちでは手術中に使うモニターと、術後に使うモニターは別物なのだが、名古屋大学では同じモニターをICUまで持っていくのか。初めて聞いた。 なんだか毎日の記事を読むと、警報を解除した人物が特定出来れば、犯人として業務上過失致死で書類送検でもされそうに思える。そんなつもりで書いたのだろうか。「死亡させた」のだから、そうなのだろう。 救命遅れた重体の患者死亡 名大病院、県警が聴取 共同通信の記事では、警報を解除した時期や術後どれだけ経って問題が起きたのかは分からないが、心臓病の手術を受けたことは分かる。また、毎日では単に不整脈とされていたのが、心室細動という致死的不整脈であったことも分かる。両方を読んで推測すると、次のような事例だったのだろうか。 重い心臓病で手術中に、元々あったペースメーカーか、手術中に装着したペースメーカーかはともかく、ペースメーカーの波形を拾って、心拍数が倍に数えられ、警報が鳴りやまない状態になった。うるさいので警報を解除した。手術が終わり、ICUに移されたが、手術中に使われたモニターをICUでも使用した。警報は解除されたままなので、一週間後に心室細動になっても警報が鳴らなかった。 ところで、ICUではペースメーカーはどうなっていたのだろう。作動していたのであれば、やはりダブルカウントしたのではないだろうか。そうであれば、やはり警報を解除したままにせざるを得なかったことになる。そもそもダブルカウントするような機械しかないことが悪い。 警報が鳴っていれば、確かに治療は早く行えたであろう。でも、心室細動は致死的不整脈だ。除細動をしたからと言って、必ず助かるとは限らない。そして、最も重要なのは、誰かが心室細動を起こさせたのでは無いと言うことだ。元々致死的状態にある患者の治療が遅れたからと言って、「死亡させた」はないだろう。 ミラーサイト お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.07.21 17:46:08
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