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医療報道を斬る

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2007.07.28
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カテゴリ:医療
必然の リスクだ結果を 見守ろう



 お産は医学の発達で安全にはなった。安全にはなったが、それでもリスクが無いわけではない。一定の確率で母児に不幸な結末が起きることはある。それを容認せず、何か起きれば医療機関のせいにするのはやめて欲しい。

 もちろん当事者であれば恨みもするだろう。訴訟を起こしたい気持ちも分かる。でも、冷静な第三者であるべき報道機関は、もう少し節度を保って欲しい。結論が出るまで見守って、判決が出てから報道するくらいでよいのではないだろうか。
 
出産時ミスと病院側を提訴 寝たきり男児の両親ら
記事:共同通信社 【2007年7月27日】


 出産時の医師の不手際で長男(3)が寝たきり状態になったとして、秋田市の両親らが26日までに、同市の産婦人科病院を運営する医療法人に約2億4000万円の損害賠償を求める訴訟を秋田地裁に起こした。

 訴状によると、長男は2003年8月、帝王切開により重度仮死の状態で生まれ、集中治療を経て寝たきりになった。

 両親側は、陣痛促進のために400ミリリットルの水が入ったゴムの袋を母親の子宮に挿入されたが、危険回避のために安全な方法を選択すべきだったなどと主張。過酷な介護を余儀なくされ、精神的な苦痛も受けたとしている。

 医療法人は「最善を尽くしたつもり。今はこれ以上申し上げられない」としている。



 400ミリリットルの水が入ったゴムの袋と言っても、門外漢には何のことだか分からないだろう。白状すると、私にも全く分からなかった。もちろん医師ではない、一般の読者にも分かるはずがない。産婦人科医なら分かるだろうが、一般紙の記事としてそれでいいのだろうか。

 要するにオバタメトロを使ったということのようだ。結果が悪くて過酷な介護を余儀なくされていることには同情するが、だからといって、医療機関が悪いことにはならないだろう。もし、オバタメトロは危険な道具であり、それを使ったことが悪いというなら、そのような欠陥品を作ったメーカーや、認可した行政の責任だろう。

 オバタメトロは製品として問題がないのであれば、この症例でも問題がないように思える。結果が悪かったのだから、何かしら問題があったのだろうと言った想像ではなく、どの医療行為が悪かったのか特定できなければ無責として欲しい。医療機関の責任を認めるのであれば、その医療行為自体を禁じるくらいの覚悟で判断するべきだ。

 もし、帝王切開が遅れたというのであれば、何時いかなる時でも遅れずに帝王切開が出来る施設以外、お産を禁じるべきだ。せめて、それくらいの覚悟で判決を出して欲しい。裁判官の皆さん、お願いしますよ。





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Last updated  2007.07.28 10:28:45
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