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カテゴリ:医療
医療訴訟の記事を読むと、何でこんな訴訟が起きるのかと思うことがあります。「踏むべきステップは多く、簡単には訴訟にはならない」と言う弁護士もいますが、このような記事を読むと、とても信じられない。 損賠提訴:大腸がん死亡は病院の検査ミス 遺族が小山市を相手取り /栃木 胃癌の手術をして、その後5年間以上に渡って経過観察をして、転移はなさそうだと判断されたようです。その後どう転ぶか分かりませんが、とりあえず5年間転移せずに済んだのであれば、一応完治したものと見なされます。ところがその半年後、今度は大腸癌にかかり、既に肺転移もあったと言うことです。まことにお気の毒ですが、運が悪いとしか言いようがありません。 当たり前の話ですが、胃癌の経過観察では大腸癌の検査はしません。通常の診療は人間ドックではないのです。まして、「CTで大腸癌を見落とした」というのは大変な言いがかりです。CTで大腸癌が見落とし無く診断出来るのであれば、恥ずかしくもあり苦痛もある大腸ファイバー検査を受ける人などいません。 ある疾患の経過観察中に他の病気が見つかること自体はあります。でも、見つかることがあると見つけなければならないの間には、大きな違いがあります。 医療関係者から見ると、この訴訟は言いがかりとしか思えません。とても「踏むべきステップが多いので、おかしな訴訟は起こりにくい」とは言えないでしょう。 まあ、訴訟すること自体は国民に認められた権利ですから、訴訟するなとは言えませんが、こんな事例で医療側が敗訴したら、その悪影響は計り知れません。また、訴訟があったからといって医療に問題があったというわけではないのですから、結論が出てから記事にして欲しいと思います。どうせ原告敗訴だったら記事にしないのですから。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.08.22 14:57:29
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