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カテゴリ:医療
不正請求と言えば、請求してはならないものを請求して、濡れ手で粟のぼろ儲けというイメージがある。本来なら手に入らないはずの金を、不正な手段で手に入れた悪徳病院のように聞こえるだろう。実際にその様な事例であれば、どれだけ厳しい処分でもかまわないと思う。でも、記事を読めば分かるように、そうではないのだ。 本来なら全額患者に請求しなければならなかった医療費を、誤解または見解の相違から、保険請求してしまっただけなのだ。厳重注意の上で返還させるだけでも相当のペナルティーだと思う。本来病院の収益になるはずの金を返すことになるのだから。今更患者に請求出来ないだろうから、全部病院の損害となる。 保険不正請求:藤枝市立病院が歯科治療で 指定取り消しへ 最終決定はまだだが、保険医療機関指定を取り消されたら存続は難しいだろう。おそらく今までだって赤字だったはずだ。公立病院の場合、減価償却分を支出に計上しないこともあるので、帳簿上は赤字ではないかも知れないが、実質は赤字だと思う。公立である以上、不採算部門や支払い能力のない患者を避けて通ることは出来ないからだ。 記事を読む限り、藤枝市立総合病院が悪辣だったとは思えない。地域医療を崩壊させてでも処分をしたいのはなぜなのか。地域の住民がどうなってもかまわないと言う発想はどこから来るのか。結局は金なんだろう。何が何でも医療費を削減したいのだ。間抜けだから病院が潰れるような諮問をしたのではなく、本気で潰すつもりで諮問したのだと疑いたくなる。医療を受けられなければ医療費もかからないからだ。 この記事は多くの医療ブログで取り上げられている。実は他人事ではないのだ。保険診療を厳密に守ると、まともな医療が出来ないと言う現実がある。医学の発達に保険診療が追いつかないからだ。保険診療であっても、出来ればまともな医療を行いたいのは医師なら誰でも思うことだ。そこで保険病名というものが登場する。保険を通すためにあえて付ける病名だ。厳密に言えば不正請求だ。でも、そうしなければ、保険で効果のない治療を受けるか、全額自費で効果のある治療を受けるか患者が選択しなければならない。 更に、たとえ保険が通らなくても、医学的に十分なレベルの治療をしなければ裁判で負けるという現実もある。実情を話して患者に選択して貰っても、選択に関してのトンデモ判決を免れない。訴えるのなら厚生労働省を訴えて欲しいものだが、実際に訴えられるのは病院や医師だ。何をやってもやらなくても、医療に出口は見えない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.08.23 13:14:26
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