昨日は大淀病院が被告となった第二回の公判が行われました。このような愚かな訴訟が一刻も早く取り下げられ、何の罪もない医師がいわれのない非難から解放されることを心から祈ります。
また毎日新聞が「たらい回し」とやりました。大淀病院の件と同様の誤りです。教訓は生かされなかったようです。と言うのは、実は少しだけフェアじゃありません。引用する記事がアップされていたのは30分くらいで、すぐに訂正されていました。カルテだったら改竄と言われるところです。詳しくは「NATROMの日記」の
訂正?改ざん?「たらい回し」が「救急車事故」にをご覧ください。
以下は魚拓です。
病院たらい回し:妊婦衝突事故後に流産 救急搬送中 大阪
29日午前5時10分ごろ、大阪府高槻市富田丘町の国道171号交差点で、妊娠3カ月の女性(36)を搬送中の救急車と、茨木市の自営業の男性(51)の軽乗用車が出合い頭に接触した。けが人はなかったが、女性は搬送先の病院で胎児の死亡が確認された。また、女性は119番通報から約1時間半も受け入れ先の病院が決まらなかったことも判明。府警高槻署は、事故と流産の関連を捜査する。妊婦の搬送では、昨年8月に奈良県大淀町の病院を巡る問題をきっかけに、周産期医療の救急体制の不備が浮き彫りになった。
調べによると、女性は同日午前2時44分ごろ、「下腹部が痛い」と同居の男性を介して119番通報した。女性が妊娠していたため、奈良県の橿原消防署(中和広域消防組合)の救急隊員は同県立医科大に受け入れを要請したが、「手術中のため不可能」と回答された。このため、同消防署は大阪府内の産婦人科など要請したがいずれも「処置中」などを理由に断られ、延べ12件目の高槻市内の病院に決まったのは同4時19分だった。
同消防署によると、女性は搬送中の午前5時ごろ、救急車内で破水を起し、その約10分後に事故に巻き込まれた。病院に搬送されたのは同5時47分だった。
同消防組合は「事故による容態の変化は見られなかった。流産との関連は警察の捜査に委ねたい」と話している。
昨年8月、大淀町立大淀病院で、分娩中に意識不明になった妊婦が転送を同県と大阪府内の19病院に断られた末、約60キロ離れた国立循環器病センター(大阪府吹田市)に運ばれ、約1週間後に死亡した。これを受け、国は今年度中に、総合周産期母子医療センターを整備することとしていたが、奈良県など4県で困難な状況に陥っている。
奈良県では、緊急に高度な治療を要する妊婦を県外の病院に転送する比率が、04年で約37%に上り、全国最悪のレベルだった。母体・胎児の集中治療管理室(MFICU)を備えている病院も、県立医科大学付属病院(橿原市)と県立奈良病院(奈良市)の2カ所だけだった。
この問題を受け、奈良は未整備だった「総合周産期母子医療センター」を来年5月に設置し、母体や新生児の救急搬送に対応する予定だった。
毎日新聞 2007年8月29日 11時48分
大淀病院の件で奈良県の産科医療が崩壊したことと、今回の受け入れ先が決まらなかったこととの関連はどの程度なのだろう。今回の件で、受け入れなかった病院に対するバッシングが起きたりすれば崩壊を加速するだけだと思うが、メディアや住民は理解しているだろうか。