医療事故というのは、医療行為が原因となって何らかの被害が患者にもたらされることだと思っていた。ただ単に病院で転んで怪我をした場合でも医療事故と言うとは知らなかった。毎日新聞社だけの用法である可能性はあるが。
医療事故:県立中央病院で 入院患者が転倒、まひ残る /徳島
記事:毎日新聞社 【2007年9月27日】
県立中央病院(徳島市蔵本町1)は26日、入院中の徳島市内の男性患者(81)が病棟のトイレで転倒し、言語障害と右半身にまひが残る医療事故があったと発表した。
同院によると、男性は腸閉そくの診断を受けて15日から入院し、絶食状態で点滴治療を受けていた。18日午前1時40分ごろ、9階のトイレから物が落ちるような音を聞いた看護師が駆けつけたところ、入り口付近で移動式点滴台と一緒にあおむけで倒れている男性を発見。声をかけたが、応答がなかったという。
検査の結果、男性は外傷性クモ膜下出血と診断。同院は同日中に事故経過と今後の治療について男性の家族に説明した。施設に安全上の不備がなかったかなどを含め、原因を調べている。【岸川弘明】
実際のところ、どのように転倒したのだろう。大腿骨頸部骨折なら分かるが、ちょっと転んだだけではクモ膜下出血にはならないような気がする。ツルッと滑って体が浮いて、頭から落ちるような転び方をしたのであれば、そのような床を放置した落ち度を突かれる恐れはあるだろう。そのあたりのことは分かるはずもないので、以下は一般論。
転んで怪我をすることはよくあることだ。病院には体の不自由な人や高齢者が多く、転倒のリスクは高い。そのため多くの病院では手すりを備えるなど、ある程度の転倒対策をしている。それでもすべての転倒を防ぐことは出来ない。そのことを入院時に説明しておいた方がいいと思う。ある程度の配慮はするけれど、それでも転倒した場合は自己責任でお願いすると言っておいた方がいい。何も言わなければ、今までの例だと何らかの責任を追及される可能性が高い。