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2007.10.04
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カテゴリ:医療
可能性 完全否定は 難しい



 水道水で内服用のブドウ糖を溶いて注射、こんなことあるんだねえ。でも、似たようなことは今までにもあった。アダラートという血圧を下げる薬がある。カプセルなのだが、中身は液体だ。その液体を口に含ませたり、飲ませたりすると早く効果が現れる。以前はよく行われた治療だ。

 私が自分で行うときには、カプセルに注射針で穴を開け、中の液体を押し出して口の中に入れていた。でも、多くの施設で、注射器で中身を吸い出して使っていたらしい。そして、そのまま注射してしまった事故があちこちで起きたと聞いている。その後、アダラートの中身を投与することが禁止された。(注射しても実害はなかったらしい) 
下関厚生病院:水道水を注射 20代看護師、飲用ブドウ糖溶かし 患者には異常なし
記事:毎日新聞社 【2007年10月3日】


 山口県下関市の社会保険下関厚生病院(沖田極病院長)で、糖尿病で入院中の50代の女性患者に対し、看護師が誤って経口用のブドウ糖粉末を水道水で溶かした溶液を注射するミスがあったことが分かった。約1時間後に同僚看護師の指摘で発覚。患者の経過を見たが、容体に影響はなかったという。【福島祥】

 同病院によると、9月10日午後5時すぎ、低血糖症状になった女性患者にブドウ糖を摂取させる必要が生じた。

 通常このような場合は、ブドウ糖粉末を経口摂取▽注射用の投与液を静脈に注射--のどちらかの処置をすることになっていた。患者が「吐き気がするので(粉末を)飲めない」と訴えたため、注射することになった。だが、担当した20代の女性看護師は注射用液ではなく、十数ミリリットルの水道水でブドウ糖粉末を溶かし、患者に注射したという。

 約1時間後、注射用液の減り方がおかしいことに同僚看護師が気付いた。担当看護師に「何を注射したのか」と問いただしたところ、ミスが発覚。同日夜、主治医が患者側に説明した。

 病院側は担当看護師に当時の状況を詳しく聞こうとしたが、泣いて説明しないまま。患者とのトラブルもなく「故意に行ったとは考えられない。ミスの原因も分からない」という。また、以前から薬液のチェックを厳しく行っているため、同様のミスが繰り返されていた可能性は低いとみている。問題発覚後、この看護師は退職した。

 同病院は「患者の容体に影響はなかった」としている。水野知恵看護局長は「再発防止のため、今まで以上に現場で声を掛け合い、確認しあうように努めたい」と話している。

 医療関係者によると、水道水は無菌状態ではないため、今回のような措置をすれば細菌感染が起こる可能性がある。患者の免疫にもよるが、感染すれば発熱や頭痛などの症状が表れ、特に免疫が低い場合は敗血症に至る可能性も否定できないという。


 最近は専門看護師も増えてきて、研修医よりよっぽど優秀な看護師も多い。でも、まだまだシロウトに毛の生えたような看護師もいることを忘れてはいけないのだろう。基本的なことを、繰り返し教育する必要があると言うことだ。さすがにこのミスを擁護するつもりはない。実害がないとはいえ、やってはいけないことだからだ。

 それでも、このブログのタイトル通り、記事については斬ってみようと思う。対象は最後の段落だ。水道水が無菌かどうかが最大の問題であるかのような書き方だが、実を言うと、菌に関しては、水道水はかなり清潔だ。今回の操作で、水道水の菌はほとんど問題にならないだろうと私は考えている。注射するまでの具体的な操作が分からないので何とも言えないが、たとえば溶解するための容器は滅菌してあったのかといえば、違うのではないかと思う。水道水以外の部分で菌の混じる可能性の方が格段に高かったのではないだろうか。

 それからもう一つ、本当はこちらが私の本当に言いたいことなのだが、「可能性がある」とか「可能性も否定できない」と言う表現はやめて欲しいと思う。可能性には100%に近いものからほとんど無視できるものまであるからだ。報道も問題だけど、一番問題なのは裁判かな。「~の可能性も否定できない」で、高額賠償だからなあ。





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Last updated  2007.10.05 04:56:52
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