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カテゴリ:医療
私は麻酔科医だから、乳癌のことはよく知らない。でも、乳癌の手術には立ち会うので、門前の小僧が経を読むくらいの知識はある。うちの病院でのやり方はこんな具合だ。
ガンかどうか分からない場合、まずはしこりを取る。取ったしこりを迅速病理検査に回す。良性と出れば、それでお終い。悪性(ガン)と出れば、さらに大きく取り、断端にガンが残っていないか、さらに迅速病理検査をする。残っていなければ、それでお終い。もちろん残っていれば、さらに大きく取ることになる。問題は、迅速病理検査は、あまり正確じゃないことだ。後日、摘出標本の病理検査で断端からガンが見つかり、再手術をすることもある。また、病院によっては迅速病理検査を拒否しているところもある。限界を知らない人たちからの責任追及の恐れがあるからだ。 岩手県に約400万円賠償命令 医師過失で乳房切除 「医師が注意義務を尽くして検査をしていればがんと診断することも手術実施もなかった」と判断した根拠は何だろう。具体的根拠を是非知りたい。手術前に必ず確定診断が付く方法があれば、多くの乳腺専門医は喜ぶだろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.10.16 06:07:51
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