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医療報道を斬る

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2007.10.17
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カテゴリ:医療
 始めに白状しておきますが、私は癌検診については全くの素人です。今回のエントリでは、全くの戯言を述べている可能性があります。特に非医療者が読む場合、そのことを忘れないでください。私は医師ではありますが、今回は門外漢として書いています。

 かなり前の話になりますが、『患者よ、がんと闘うな』という本がありまして、癌検診に対して疑問が呈されました。その時の検診推進派の反論を見た限りでは、癌検診の意義というのは、大規模な調査をして、やっと有意差が出るかどうかと言うレベルであると感じました。検診で引っかかったときに侵襲的な検査を受けなければならないとしたら、自分自身が検診を受けるのは、健診で見つかればほとんど助かるが、症状が出てからではほとんど助からない場合でしょう。

 癌検診を勧めるCMはテレビでも盛んに行われています。でも、検診でどの程度救命率が上がるのかと言うデータは公表されません。癌検診は癌死を減らすために行うのですから、そうしたデータの公表は必要だと思います。どの程度の意義があるのか公表せずに、只CMを流すだけでは、産業としての思惑があるのではないかと勘ぐりたくなります。

前立腺がん:厚労省研究班、分裂…5人脱退へ 泌尿器科医、検診否定に反発
記事:毎日新聞社【2007年10月16日】
 前立腺がん検診の有効性を検討する厚生労働省研究班(主任研究者、浜島ちさと・国立がんセンター室長)が、「PSA(前立腺特異抗原)検査による集団検診は勧められない」との報告書案をまとめたことに関し、メンバーや研究協力者の泌尿器科医5人が研究から脱退する意向を示していることが分かった。「内容に責任を持てない」ことが理由。PSA検査による集団検診は市町村の7割が実施しており、研究班の分裂は自治体に混乱を招きそうだ。

 研究班は主任研究者と分担研究者9人(うち泌尿器科医1人)で構成。研究協力者11人(同4人)も研究に参加する。脱退を表明した5人はいずれもPSA検診推奨の立場を取る日本泌尿器科学会の会員。連名で研究班に文書を送り、脱退のほか、今月末完成予定の報告書に名前を掲載しないことも求めている。

 分担担当者で脱退を表明した伊藤一人・群馬大准教授は「議論は最初から結論ありきで泌尿器科医の意見は受け入れられなかった」と話す。一方、浜島室長は「議論を重ね、経緯も報告書に盛り込まれている」と説明する。

 PSAは、前立腺の組織が壊れると血液中に漏れ出るたんぱく質。報告書案は、国内外の研究論文を評価した結果から、「PSA検査を使った集団検診に、死亡率減少効果があるかどうかを判断する根拠が不十分だ」とした。一方、泌尿器科学会はPSA検診を推奨する見解を表明し、学会独自の前立腺がん検診の指針を刊行する準備を進めている。【須田桃子】

 記事にするのであれば、泌尿器科医の意見を是非載せて欲しかった。説得力のあるものだったのかどうか、見てみたい。と言うのは、癌検診の中でも、特に前立腺に関しては疑問を持っていたからです。PSAの測定はどうと言うことはありませんが、それで引っかかると前立腺生検を受けることになります。更に、生検でも陽性となれば、手術などの治療を受けることになります。

 ラテント癌の性質と頻度はどのくらいか?を見ると、50歳以上になれば、放っておいても良い前立腺癌が30%くらいに見られるようです。その様な状況で、つらい検査や治療を受ける気にはなりません。

 これはあくまで、多少寿命が縮もうとも、つらいことはイヤだという私の意見であり、他の人に勧めているわけではありません。軽々しく賛同したりしないようにお願いします。









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Last updated  2007.10.17 17:22:00
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