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医療報道を斬る

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2008.07.15
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カテゴリ:医療
 昨日紹介したブログに原告である夫の証人尋問が載り始めた。そのうちの一つ「産科医療のこれから」から引用させていただく。

原告側弁護士
 9月1日、産婦人科医先生と師長さんがお悔やみにこられましたよね。「子供の養育費を払え」とか「病院をめちゃめちゃにしてやる」といって胸倉をつかんだというのは事実ですか?
高崎さん
 お悔やみではなく、ミスを謝りに来られるということで私たちは理解していたので。そうではなくてお悔やみだときいて。。。「全財産を使ってでも裁判に勝ってやる」といった覚えはありません。胸倉をつかんだということもないと思います。でも、父が先生の両肩をもってゆすって「ミスやったんでしょ!?」と言った。胸倉をつかんだという記憶はありません。

 もう始めからミスだと決めつけていたことが分かります。医師が気の毒です。
病院側弁護士(金)
 先週ね、国循にみんなで揃っていって産婦人科の先生と脳外科の先生にお話をきいてきました。でもあなたはこなかった。どうしてですか?
高崎さん
 。。。。仕事が入っていまして。。。。特別な仕事で。
病院側弁護士(金)
 一ヶ月以上前から予定日は決まっていたはずです。予備日もあったはずです。シフトを変えてもらったりできなかったのですか?
高崎さん
 。。。。仕事の日にちはかえられないものと私は認識していました。
病院側弁護士(金) 
 あなたは真実を知りたいと常々言ってきましたが、「真実より仕事」と言うわけですね。
高崎さん
 。。。。。。
 (裁判官にまぁまぁと言われる。)


 なかなか手厳しい。でも、真実を知りたいのではなく、何が何でもミスと言うことにしたいだけであることが明白になった。実はこの質問の前にも、病院との約束を一方的に反故にしたやりとりもあって、かなり弁護側はポイントを稼いだと思われる。

病院側弁護士(米)
 今回は救急システムが上手くいかなかったわけですが、雑誌などを見ると病院が悪いと言っておられますね。でも必死で病院スタッフが搬送先を探していたのはあなたもご存知だったはずです。ちょっとやりすぎではありませんか?
高崎さん
 でも必死さがあまり伝わってきませんでした。産婦人科の先生の声が小さかったり
病院側弁護士(米)
 必死さは声の大きさなんですか?その「あまり」の部分が裁判なんですね。ところでお父さまのお仕事は何ですか?
高崎さん
 。。。。いわなければならないのですか?
病院側弁護士(米) いいたくなければ結構です。
高崎さん
 建築業です。
病院側弁護士(米)
 地元では相当大きな力を持った建築業者さんだそうですね。これは聞いた話ですが、大淀町の町議会議員の特定の方が、早く病院のミスを認めて謝罪しろ!とおっしゃっていたという話はご存知ですか?
高崎さん
 ボクは知りません。

 危機に際して医師が冷静さを失うようじゃ困るのだが、冷静に対処すると必死さが無いと訴えられてしまうと言うことでしょうか。お気の毒です。また、父親が町議を動かして、事実がどうであれミスを認めるよう迫ったようです。

病院側弁護士(う) 0:14の意識消失から1:37の痙攣までの間が今争点になっていますよね。
 素朴な疑問なんですけれどね、0:14の時点ではCTを撮らなくていい、脳疾患ではないと決めたのは内科医の先生なんですよね。1:37にはCTの話はともかく搬送の準備を始めています。
 どうして訴えている相手が、内科医じゃなくって、産婦人科医なんでしょうか。
高崎さん
 それは。。。。。。。(黙り込む)

 ここは私も疑問。何で産婦人科医を訴えたのだろう。前の方の質問で、家族がCTを撮ってくれと言ったのは2時過ぎであることに争いはない。この時点では搬送の方向で動いているので、結果として搬送までに時間がかかったとしても、CTを撮るより搬送を急いだことに問題があるとは言えないだろう。

 夫の証言を見ると、この訴訟が無理筋だという印象が強い。医師の目からは前から分かっていたことだが、たぶん素人目にも無理筋なのではないだろうか。どう見ても夫の証言はボロボロなのだが、もちろん発端を作った新聞は、そのような報道はしない。

遺族「診断に疑問」 主治医は過失を否定 奈良・妊婦転送死亡
記事:毎日新聞社 【2008年7月15日】
 大淀町立大淀病院で06年8月、分娩(ぶんべん)中に意識不明となり、19病院に搬送を拒否された後、転送先で脳内出血で死亡した五條市の高崎実香さん(当時32歳)の夫晋輔さん(26)らが町と主治医だった産婦人科医を相手に起こした損害賠償請求訴訟の第3回弁論が14日、大阪地裁(大島眞一裁判長)で開かれ、晋輔さんや主治医らに対する尋問があった。主治医は「子癇(しかん)(妊娠高血圧症候群の一種)だと思った。あの時の(処置の)進め方に間違いはなかった」と過失を否定した。晋輔さんは「(妻は)頭が痛いと叫んだ。素人の判断でも、脳の血管が切れたのではないかと思った」と主治医の診断に疑問を投げ掛けた。【高瀬浩平】

 原告側は「午前0時14分ごろに意識を失って数分後に頭部CT(コンピューター断層撮影)検査をし、脳内出血と診断していれば、実香さんは一命を取り留めた」などと主張。被告側は「主治医が子癇発作と判断し、安静を優先させ、CT検査をしなかったことは適切。けいれんを起こした直後に転送先を探すよう依頼した措置も適切」と反論している。

 尋問で晋輔さんは「主治医は子癇だと言って、当直の内科医は『脳だと思います』と言っていた」と証言。一方の主治医は、内科医から脳の病気を疑ってCTを撮るよう進言を受けたかどうか問われ、「記憶にない」とした。子癇を止めるには帝王切開しなければならないという医学的知識を聞かれ、「帝王切開には産婦人科医2人が必要だが、私しかいなかった。高次の医療機関に搬送することを考えた」などと説明した。


 午前0時14分ごろにCTを撮らないことを決めたのは内科医だと言うことは全くスルー。むしろ逆であるかのような報道だ。





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Last updated  2008.07.16 02:45:02
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