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医療報道を斬る

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2008.08.28
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カテゴリ:医療
 麻酔などに使う医療用ガスは、今ではほとんどの病院で中央配管になっている。壁のアウトレットにホースを繋いで使うのだが、ホースの先端の接続部は、ガスの種類ごとに異なったピンの形状をしており、誤接続が起こらないようになっている。ところが、ガスボンベに直接繋ぐ酸素供給用の加湿器などは、別なガスのボンベにも繋げられる。(画像は酸素用加湿器を炭酸ガスボンベに繋いで見たところ)
そのため、このような事故が後を絶たない。

 福岡県八女市の公立八女総合病院(吉田博企業長)は27日、患者2人に酸素ではなく誤って二酸化炭素(CO2)を吸入させる事故があったと発表した。2人は死亡した。病院側は同日会見し、「二酸化炭素の吸入は数分間と短時間で、直接的な死因につながったと考えていない」と因果関係を否定した。八女署は同病院から届け出を受け、業務上過失致死の疑いもあるとみて関係者から話を聴いている。

 同病院によると、24日午前4時前、がんで入院中の70代男性が危篤状態になり、手術台まで搬送する際、酸素ボンベが空だったため、看護師が誤って二酸化炭素ボンベと交換し吸入させた。男性は手術前に死亡した。

 さらにミスに気づかないまま同日午後6時ごろ、急性硬膜下血腫で救急搬送された80代の男性にも、手術台に運ぶ際と、手術を終えて病室に運ぶ際に二酸化炭素を吸入させた。この男性は翌朝に死亡した。

 その後、別の看護師が取り違えに気づいた。外観は酸素ボンベは黒、二酸化炭素ボンベは緑色で別々の場所に保管しているが、形状は同じという。

 同病院は26日に2人の遺族に謝罪。取り違えた看護師は「患者の容体に焦ってボンベの色や文字に目がいかなかった」と話しているという。

 石倉宏恭・福岡大病院救命救急センター長の話
 一般論として重症患者に対して、口から二酸化炭素を入れた場合は即、窒息状態になると考えられる。
=2008/08/28付 西日本新聞朝刊=


 事故の原因は繋げることが可能だと言うことだけではない。JIS規格と国際規格の不統一も原因だ。国際規格では酸素は緑と決まっている。麻酔機の流量計や壁のアウトレットでも、酸素の色は緑で表される。ところがJIS規格では、酸素の色は黒で、酸素ボンベの色も黒だ。ボンベの色が緑なのは炭酸ガスなのだ。あわてていれば間違えても不思議はない。

 今回どうだったのか分からないが、もう一つ間違いやすいことがある。ボンベに会社名が書いてあることだ。高圧ガスのメーカーの名前には○○酸素というのが多い。中身が炭酸ガスであろうと、会社名として○○酸素と書いてあることもある。やはりあわてているときには間違いやすいだろう。

 こうした現状を考えると、どうして医療にはフェイルセーフ機構が広まらないのだろうと不思議に思う。当事者の責任にして終わりにするのではなく、このようなミスが起こりえないような対応をしていただきたいと思う。





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Last updated  2008.08.28 23:17:53
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