|
カテゴリ:医療
医療は命を扱うものだから、些細なことで死を招くことがある。一方、人間は誤りを犯しやすい性質を持っているので、きちんとした過誤を防ぐシステム無しには安全を構築できない。こんな事故を見ると、医療安全システムが機能していればと残念でならない。
麻酔薬を誤投与 女性患者、意識戻らず 山梨県立中央病院 アルチバは、麻酔に使用する強力な鎮痛作用を持つ麻薬である。呼吸と循環への抑制効果が強く、血圧は低下し、呼吸も止まる。人工呼吸を行った上で使用する薬だ。術後鎮痛のために病棟で使うような薬ではない。 問題点はいくつもある。まず、言い間違いや聞き間違いは誰にでもある。やはり文書での伝達など、より誤りにくい伝達手段を執るべきだったのだろう。本当はその前に、自分が投与しようとしている薬くらい知っておくべきだが。 また、せっかく薬剤師が気がついていながら、そのまま危険な行為が行われてしまった。医師に意見を言いにくい雰囲気の病院だったのだろうか。私の勤務先であれば、私の処方に問題がありそうなときには、薬局から直接私に電話がかかってくる。重大な誤りがあったことはないが、些細な誤りを正して貰ったことはある。医師に意見を言いやすく、医師の方も他職種の意見を聞く雰囲気があれば防げた事故ではないだろうか。 一番良いのは、このような危険なことが出来ないようなシステムにすることだ。指示はコンピュータ入力により行い、使用する部署や目的なども入力するようにする。問題があるような入力は受け付けないようになっていれば、ミスのしようがない。アルチバは、麻酔科医が手術室で麻酔目的に使う事だけが認められる決まりで支障はないだろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[医療] カテゴリの最新記事
|