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医療報道を斬る

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2008.10.27
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カテゴリ:医療
 医療は命を扱うものだから、些細なことで死を招くことがある。一方、人間は誤りを犯しやすい性質を持っているので、きちんとした過誤を防ぐシステム無しには安全を構築できない。こんな事故を見ると、医療安全システムが機能していればと残念でならない。

麻酔薬を誤投与 女性患者、意識戻らず 山梨県立中央病院
記事:毎日新聞社 【2008年10月25日】

医療ミス:麻酔薬を誤投与 女性患者、意識戻らず--県立中央病院 /山梨

 県立中央病院(甲府市富士見1、山下晴夫院長)は24日、県内に住む50代の女性患者に点滴したところ、薬剤の種類を誤ったため、女性が一時心肺停止に陥ったと発表した。女性は蘇生し、治療を受けているが、意識が戻る可能性は低いという。

 同病院によると、女性は10月2日、下腹部の痛みを訴えて診察を受け、虫垂炎と腹膜炎と診断された。翌3日に入院し、虫垂の切除手術を受けた。15日になって腹部の痛みを訴えたため、担当の30代の外科医が鎮痛剤を追加投与しようと麻酔科医に鎮痛剤の名を聞いた際、本来投与すべき「フェンタニル・ドロレプタン」を、手術時の全身麻酔に使う「フェンタニル・アルチバ」と聞き間違えた。病室で使用する薬ではなかったため、薬局が看護師に確認し、看護師も外科医に確認したが、外科医はそのまま投与してしまったという。投与には1年目の研修医も立ち会った。

 投与から約20分後に看護師が病室を訪れた時には女性は心肺停止状態だったという。

 誤投与された麻酔薬「フェンタニル・アルチバ」は、呼吸が止まってもおかしくない量だったという。山下院長は「薬局でも病棟でも防げなかったことに問題がある。病院全体の責任」と謝罪した。【沢田勇】


 アルチバは、麻酔に使用する強力な鎮痛作用を持つ麻薬である。呼吸と循環への抑制効果が強く、血圧は低下し、呼吸も止まる。人工呼吸を行った上で使用する薬だ。術後鎮痛のために病棟で使うような薬ではない。

 問題点はいくつもある。まず、言い間違いや聞き間違いは誰にでもある。やはり文書での伝達など、より誤りにくい伝達手段を執るべきだったのだろう。本当はその前に、自分が投与しようとしている薬くらい知っておくべきだが。

 また、せっかく薬剤師が気がついていながら、そのまま危険な行為が行われてしまった。医師に意見を言いにくい雰囲気の病院だったのだろうか。私の勤務先であれば、私の処方に問題がありそうなときには、薬局から直接私に電話がかかってくる。重大な誤りがあったことはないが、些細な誤りを正して貰ったことはある。医師に意見を言いやすく、医師の方も他職種の意見を聞く雰囲気があれば防げた事故ではないだろうか。

 一番良いのは、このような危険なことが出来ないようなシステムにすることだ。指示はコンピュータ入力により行い、使用する部署や目的なども入力するようにする。問題があるような入力は受け付けないようになっていれば、ミスのしようがない。アルチバは、麻酔科医が手術室で麻酔目的に使う事だけが認められる決まりで支障はないだろう。





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Last updated  2008.10.27 22:46:09
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