手術時にガーゼなどを残してしまう事故は、未だに結構な数があるようです。届け出た医療機関がどのような施設なのか分かりませんが、4年間で平均22パーセントの医療機関に「置き忘れ」があったのでは、何らかの対策は必要でしょう。「置き忘れ」については、今までにも何度も書いていますが、やはりエックス線での確認が必要です。
体内「置き忘れ」124件 ガーゼやメス、術後事故
記事:共同通信社【2008年12月10日】
日本医療機能評価機構(東京)は9日、全国約550の医療機関からの報告で今年9月末までの過去4年間に、手術後にガーゼや針を体内に残した「置き忘れ」の医療事故が計124件発生していたと発表した。
機構は「使った数を確認するためのルールを検討しなければならない」としている。
機構によると、置き忘れはガーゼが最も多く68件。縫合用の針12件、止血用の綿球10件、鉗子(かんし)類7件、チューブ類4件、メス1件など。発見が退院後になったのが35件あり、20年間もガーゼを体内に置き忘れ、障害が残ったケースもあった。
機構の後信(うしろ・しん)医療事故防止事業部長は「これまでも注意を呼び掛けていたが、置き忘れの件数が減少していない。エックス線撮影でのチェックなど、基本的な動作を徹底すべきだ」と話している。
残したもののうち、エックス線で発見できないものは綿球だけです。それ以外は、術直後にエックス線写真さえ撮っておけば、麻酔覚醒の前に摘出することは可能だったでしょう。導入するまでは面倒な気もしますし、不思議と一番安心したいはずの術者がいやがることが多いのですが、ルーチンに撮ることにしてしまえばすぐに慣れます。遺残物の確認以外にドレーンの位置も分かりますし、色々とメリットはあります。