私はエホバの証人の信者が輸血を拒否していても、輸血以外に救命の方法がないときには輸血しようと思っています。そんな私を批判して、患者の自己決定権の尊重を説く医師もいます。そんな医師に、この事例の感想をお聞きしたいと思います。
... 津山の医療過誤 女性遺族と和解 高裁岡山支部 6300万円賠償
12/24-12:23--
津山第一病院(津山市中島)で人工透析を受けていた久米郡美咲町内の女性(当時52歳)が死亡したのは、病院のずさんな管理体制が原因として、遺族が病院を経営する医療法人平野同仁会を相手取り、約1億3千万円の損害賠償を求めていた裁判は、広島高裁岡山支部で和解が成立した。病院は過失を認め、謝罪した上で賠償金6300万円を支払う。和解成立は19日。
女性は人工透析のため01年12月から同病院に通院。02年8月に肺水腫(しゅ)、低酸素脳症から心肺が停止し、05年11月に死亡した。
「ドライウエート」(透析直後の適正体重)を測定するCTR(体内水分量の心胸比)が、02年6月以前は50%未満と正常だったが、以降60%まで上昇。遺族は「透析室に医師が常駐せず、管理がずさんなため、水分過剰で肺水腫を起こした」として04年3月に提訴した。
06年9月の一審判決は「水分過剰から肺水腫に至った」と病院の過失を認め、約5840万円の支払いを命じたが、判決を不服として双方が控訴していた。
岡山日日新聞
一審より値上げしての和解です。裁判所からの強力な和解勧告があったものと思われます。和解を突っぱねれば、勧告案と同じかそれ以上に原告有利な判決を下すという意思表示があったのでしょう。よほど医師のミスがひどかったとの認定がなされた模様です。では、どんなミスだったのでしょうか。一審判決の報道を見てみましょう。
津山第一病院で医療ミス 5800万円賠償命令
津山市の津山第一病院で人工透析を受けた美咲町内の女性=当時(52)=が肺水腫となり死亡したのは、医療ミスが原因として女性の遺族が、病院を経営する医療法人「平野同 仁会」に1億3400万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が29日までに岡山地裁津山支部であり、難波宏裁判官は病院側の責任を認め、約5800万円の支払いを命じた。法人 側は判決を不服として控訴した。
人工透析で体内から取り除く水分量を決めるために設けるドライウエート(適正体重)の変更を、患者が拒否した場合の医師の責任が争点となったが、判決は医師の注意義務違反 を認定した。
判決によると、女性は慢性腎不全のため同院に通院し人工透析を受けていたが、平成14年8月、肺に水がたまる肺水腫から植物状態に陥り、17年11月に死亡した。
「ドライウエートの設定を医師が誤ったまま放置したことで、水分過剰状態となり肺水腫が発症した」として医療ミスとする遺族に対し、法人側は「ドライウエートの変更を女性 が拒否していた。患者の同意なしに変更することは困難だった」などとして、注意義務違反はない、と主張した。
難波裁判官は判決理由で「患者が同意しない場合には、家族や第三者に説得を依頼するなども医師の注意義務に含まれる」と指摘し、女性の死亡と注意義務違反の因果関係を認めた。
産経新聞
ようするに患者が拒否していようと、何とか説得しなければならないわけですね。このような事例がまかり通るのであれば、輸血を拒否して患者が亡くなれば、説得しなかった方が悪いと言うことになります。患者の自己決定権なんて言っても、現実はこんなものなのでしょう。