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カテゴリ:医療
最近は報道で多少の不満を感じてはいても、頭に血が上るようなことは少なくなったと感じていた。少しは医療に対する認識が改まったのかも知れないと思っていた。でも、そんなことはなさそうだ。続々と腹の立つ報道はある。後出しジャンケンは健在だ。
佐賀県、1000万円で和解 腎臓誤摘出損賠訴訟 術前に全例良性か悪性かの判断が付くのならミスと言われても仕方がないが、そんなことは不可能である。悪性の疑いがあれば手術するだろう。実際にどのような説明がなされたのか知らないが、悪性の可能性が高いが良性のこともあり得ると説明の上で手術を見合わせた場合、実際に悪性であれば、説得すべきだったと言われるのだろう。(前回の日記参照) そもそも手術すべきだったかどうかの話なのに、手術ミスというのはどうなのだろう。手術そのものの失敗ではないだろうに。 女児死亡で3月高裁判決 1審無罪の手術担当医 この事例は今までにも取り上げたことがあり、今さらという気もするが、明らかに不当な起訴なので、また取り上げる。被告の佐藤先生は、たまたま問題のあるポンプを操作させられただけで、佐藤先生自体に問題があったわけではない。このことは科学的には検証済みだ。さっさと無罪判決を下して、検察の横暴を糾弾すべきと思う。当然のことながら、佐藤先生は手術担当医ではない。手術担当医と言えば、普通は執刀医のことで、拡大解釈しても助手までだろう。この見出しは何なのだろう。 JA関連病院に賠償命令 1億2千万、広島地裁 背中の痛みを訴える患者は沢山いる。内科的疾患でも、その様な患者は多い。整形外科的な疾患とは限らないのだ。初診から手術まで2週間とかかっていないのに、それで遅いと言われても困る。初めから診断がついていれば、確かに急がなければならない事例だが、それは結果が分かっているから言えることなのだ。更に言えば、急いだからと言って、必ず後遺症が残らなかったという保証はない。 本当のジャンケンであれば、後出しがおかしいことは誰にでも分かる。でも、現実の事例では、様々なバイアスの影響を受けやすい。科学論文を書く際には、最も重要なのはバイアスの排除である。裁判官や報道陣も、後出しジャンケンのようなバイアスを防ぐような訓練を受けている必要があるのではないだろうか。 それにしても、治療さえ受ければ最善の結果を得ることが確実だという誤解は、どうにかならないのかなあ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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