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カテゴリ:医療
医療行為を行うに当たっては説明をした上で同意を受けなければなりません。所謂インフォームドコンセントです。同意を受けても、結果が悪ければ後出しじゃんけんでバッシングされるのは今までの日記で何度も披露してきました。同意を受けて結果が悪ければ医療ミス、同意を受けられずに医療行為を断念して結果が悪ければ、説明不足。まさに「後出しじゃんけん勝ち目なし」です。
新聞記事がいい加減なことは十分に分かっていますが、以下の記事によれば、皮下出血で亡くなったような症例でも警察の捜査の対象になるようです。
肝硬変では血が固まりにくくなり、通常なら些細な出血で済むところが大出血となることもあります。実際にはどうだったのか分かりませんが、記事を読む限りは、どこにあるか分からないような皮下の動脈が傷つき、通常なら何の問題もなく止血するはずなのに、肝硬変のために大出血となり、死に至ったように思われます。 もちろんこんなことは滅多に起こることではありません。だからこそ、このような治療を行ったのでしょう。最近のことですから、危険性についてはある程度説明はしたのだと思います。でも、その説明とは「苦しいでしょうから腹水を抜きましょう。これこれの合併症の危険性はありますが、ご承知おきください」と言うものだったのではないでしょうか。今後は以下のような説明をするように提案したいと思います。 「今の病状からして、これこれの医療行為をすることが勧められていますが、あんなことやこんなことが起こり得ますので、やりたくないですよね」。「どうしてもやるんですか、どうなっても責任はとれませんよ」と言うこともあるでしょうし「そうですよね、あぶないことはやめておきましょうね」と言うこともあるでしょう。どちらにせよ、後出しじゃんけんで負けることはあるでしょうが、せいぜい民事です。刑事罰はないでしょう。甘いでしょうか。 民事なら、医師個人が責任を問われることは稀ですし、たとえ責任を問われても、保険が利きます。刑事では、医師個人の責任が問われる可能性が高く、費用はすべて自腹です。あなたが主治医だったら、どうします? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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