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カテゴリ:医療
公立病院・公的病院は営利事業ではありませんが、慈善事業でもありません。大きく儲ける必要はありませんが、かといって、赤字を垂れ流すわけにも行きません。ひとつひとつの医療行為は、やはり黒字になる必要があるのです。
(現状は多くの施設が赤字ですが) 万全を期して、通常は使わない高価な装置まで用意して手術をしなければならないのであれば、それを前提とした医療費であるべきですが、もちろんそんなわけはありません。用意した装置のコストは丸々病院の負担となり、当該医療行為自体が赤字となります。もう保険診療では、その医療を行うなと言っているに等しいと思います。 県に4400万円賠償命令 損賠訴訟:医療ミス認定 --地裁 /香川 具体的なことは分からないので、ミスの有無については触れません。「あらかじめ組み立てておくべき人工心肺装置の準備を怠ったため」という部分についてだけ述べます。 通常、腹部大動脈瘤の手術に人工心肺装置は使いません。人工心肺装置を組み立てれば、回路は使い捨てですから、コストが発生します。決してお安くありません。使用せずに済めば、その費用はどこからも出ません。本当にあらかじめ組み立てておくべきなのだとしたら、その費用が腹部大動脈瘤手術の費用に組み込まれているはずですが、もちろんそんなことはありません。 保険診療には保険診療の常識があります。保険を使うのであれば、その常識の範囲内の医療で我慢すべきです。保険では許されない万全の医療を受けたいのであれば、自費で行えばよいのです。 定食屋で高級フランス料理が出ないと文句を言うのは、いい加減にやめませんか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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