いつもメディアには叩かれっぱなしの日本の医療ですが、ちゃんと海外の医療と比べて貰えれば、その良さが分かるものです。日本では当然と思われていることが、実は、国際的に見れば羨望の的と言うこともあるでしょう。たまにはこういう記事も書いてくれるのですね。
1位は日本 最下位は米 先進16カ国の医療制度評価
東京新聞 2009年9月29日 夕刊
【ニューヨーク=阿部伸哉】カナダの非営利調査機関「コンファレンス・ボード・オブ・カナダ」は二十八日、先進国の医療制度ランキングを発表し、日本は十六カ国中で一位に、米国は最下位となった。
医療保険制度改革の議論が進む米国で何かと引き合いに出されるカナダも十位と振るわなかった。
調査は二〇〇六年のデータに基づき、平均寿命やがん死亡率、乳幼児死亡率など十一項目で評価。「A」ランクは日本、スイス、イタリア、ノルウェーの四カ国。カナダは「B」、米国は英国、デンマークとともに最低の「D」だった。医療保険制度の財政状況は勘案されなかった。
国民皆保険制度がない米国では、隣国カナダの皆保険制度が批判、称賛の両面でたびたび比較対象になる。調査でカナダは米国より上位だったものの、急を要さない治療では長期間待たされる実態や、生活習慣病患者の多さなどが課題として指摘された。
税金は高いけれど、社会保障が充実しているので
「世界で最も住みやすい国」と言われるデンマークが最低ランクというのには驚きました。医療を充実させようと思ったら、どこかにしわ寄せを持っていかない限り、大変なコストがかかります。予算の配分によっては、医療に手が回らないこともあるのでしょう。
米国は自己責任の国ですから、まともに医療を受けられないのは当然です。日本も米国型社会を目指していますから、今後は最低ランクに落ちるのでしょうか。2006年には一位に輝いた日本の医療ですが、それを少ないマンパワーと少ない医療費で達成していることは忘れて欲しくありません。それを可能にしているのは、医療従事者の献身的な努力です。
ヨーロッパ諸国と比べたら格段に安い税金で、しかも、その多くが公共事業などに流れ、医療には少しだけしか配分されない状況で、それでも頑張っている日本の医療を少しは見直してみませんか。