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カテゴリ:医療
なんだか知らないうちに、いつの間にか患者からの苦情係になってしまいました。このようなブログを書いているのですから、医療安全には関心があり、実際に不手際があって患者に謝罪するのは仕方がないと思っています。私自身のミスでもないのに罵倒されるのも辛いものがありますが、実際に患者に迷惑をかけたのであれば職務ですから我慢もします。
ところがですねえ、最近は理不尽なクレームも多いのですよ。それでも、素人故の勘違いだと思って我慢してきました。勤務時間中は麻酔業務に忙殺されながら、何とか時間を作ってトラブルになっている事例の検討をし、必要があれば対策を練ったり、患者や家族に会って説明をしたりしてきました。何で私がこんな仕事をしなければならないのだと思い、いい加減嫌になってきたときに、こんな事例がありました。 形成外科で顔面の小さな良性腫瘍(直径2mmくらいのイボのようなもの)を取った患者が苦情を言ってきました。傷のあたりがふくれているような気がするので誠意見せろ(金返せ)と言うのです。術者は「何の異常もないので返金は出来ない」と断りました。そうしたら、「院長を出せ」と言い始めたというわけです。 カルテには写真が貼ってあり、ほとんど傷跡も残らない綺麗な仕上がりで、クレームを受けるいわれはありません。対応した職員は、院長は会わないので私に会えと言います。実際にミスがあったのであれば、あるいは、ミスがあったと誤解されやすい状況なら会っても良いのですが、これは完全に言いがかりです。貴重な時間を割いてまで会うのはゴメンだと断りました。 そもそも皮膚の腫瘍の切除は綺麗な傷跡にする義務はありません。あくまで病院と医師の好意によってコストをかけて美容整形手術のような縫合をしているのです。腫瘍が取り切れていれば手術は成功です。保険診療なのですから、保険診療で決められた要件を満たしていれば文句を言われる筋合いはありません。定食屋の料金で好意で十分高級な料理を出しているのに、自分の考えるフルコースの料理と違う気がするから金返せと文句を言われるのは腹立たしい限りです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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