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医療報道を斬る

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2010.03.04
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カテゴリ:カテゴリ未分類
 ホメオパシーはそれ自体は本質的に無害なんですが、まともな医療の介入を阻むと悲劇的な結末を迎えることもあります。以下はそのような事例でしょう。これで訴訟に巻き込まれたのでは、産科医は浮かばれませんね。

 ヤフー知恵袋にこんな相談 が載っていました。おそらくは、しばらくすればリンクが切れるでしょうから、以下にまとめてみます。

 

相談内容は、助産師2名と自宅出産を試みたが死産となったので、助産師と提携病院を訴えたいというもの。どのような事例かというと、以下の通り。

41週3日にレメディで陣痛を起こした。

でも生まれず、陣痛に耐えながら42週0日目の深夜に助産師に頭を下げ『提携病院へ連れて行って欲しい』とお願いしたところ、「貴方は私を信じてくれないのね・・・」と言われ、却下された。

その後は浣腸されたり、レメディーを使ったりしたが出てこず、元々生まれなければ医療機関を受診する予定であった翌朝には胎児の心音を聴取できなくなった。

救急車を呼んだが、救急隊の到着前に生まれそうになり、助産師が押し戻した。

救急車で病院に搬送され、吸引分娩で胎児娩出。死産であった。


 レメディーというのはホメオパシーで使われる薬のようなもの。その実態はただの砂糖玉です。治療の元になるとされる何らかの物質を極限にまで希釈し、元の物質が全く含まれなくなったただの水をしみこませた砂糖玉ですから、本当にただの砂糖玉なのです。こんなものに治療効果があるはずはありません。要するに単なるおまじないにすぎないのです。

 こんなおまじないに頼って必要なな医療を受けなければ、 当然このような悲惨な結果を招くこともあるでしょう。はじめからまともな産科を受診していれば、おそらくは助かった命と思われます。生まれる前に命を奪われた赤ちゃんが気の毒です。

 関わった助産師を訴えることに異存はありませんが、どうして提携病院まで訴えたいのでしょう。自分たちの不始末の尻ぬぐいをしてくれた病院に対し、感謝することはあれ、訴えるという発想をすることが理解できません。厳しいようですが、赤ちゃんの死に対し、この親は助産師と同様の責任があるのではないでしょうか。





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Last updated  2010.03.04 19:04:53
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