前回かけ算の順序を取り上げましたが、順序にこだわることに反対しているからと言って問題文に出てくる数の意味をないがしろにしても良いと思うわけではありません。問題文に出てくる数の意味を理解させるために、教室のローカルルールとして、期間限定でかけ算の順番を固定するというのなら、特に反対する理由はありません。本当にその方が教育の面で効果的なのかどうかは知りませんが。
小学2年生では無理でしょうが、問題文に出てくる数の意味を理解させるには、次のようなひっかけ問題に挑戦させるというのはいかがでしょうか。出てきた数をいい加減に計算していたのでは引っかかると思います。
3人の教師が研修のために出張し、いつものホテルに泊まりました。
ホテルは前金制で、それぞれ1万円をチェックインの時に支払いました。
ホテルの支配人は、お得意さんなので3人分で2万5千円におまけすることにしました。
そして、3人に合計5千円払い戻すように従業員に命じました。
従業員は、5千円を3人に払い戻すことはせず、一人千円ずつだけ払い戻しました。
残りの2千円は自分のポケットに入れてしまったのです。
結局、3人の教師はひとり9千円ずつ、合計2万7千円支払ったことになります。
従業員が2千円ポケットに入れたわけですが、最初に3万円支払ったのに、残りの千円は何処に行ったのでしょう。