1580635 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

医療報道を斬る

医療報道を斬る

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Freepage List

Keyword Search

▼キーワード検索

Profile

Dr. Bamboo

Dr. Bamboo

Calendar

Favorite Blog

  皮膚科医独身の… 皮膚科医独身さん
臨床の現場より head&neckさん
めんどうはごめんだ お前に云えないさん
Green-Note Green-Noteさん

Comments

一個人@ Re:パパラッチ?(05/29) 前橋市は県内で唯一の医学部のある大学が…
dho@ Re:越権行為じゃない?(06/24) 法医学の観点から客観的事実を述べること…
wadja@ Re:報告(07/13) 心からお悔やみ申し上げます。ネットの掲…
Kosuke@ Re:報告(07/13) Dr.Bambooさんの書き込みを初めて拝見した…
キンシャチ@ Re:報告(07/13) ご冥福をお祈りします。 しばらくブログ…

Headline News

2011.01.14
XML
カテゴリ:医療
 私の勤務先でも、掛け持ち麻酔は日常的に行われています。手術を待っている患者のニーズに応えるためには、そうせざるを得ないと言うことです。一時期なるべく掛け持ち麻酔をしないようにしようとしたことがありましたが、結局は命に関わる緊急手術を断るわけにも行かず、なし崩し的に元に戻ったという経緯もあります。

 病院側が麻酔科医を雇わないのではなく、雇いたくてもいないというのが実情で、結局は常勤医ががんばるほかはありません。でも、がんばったあげく事故を起こし、刑事事件として捜査を受けると言うことになるなら、もうがんばれないかもしれません。

医師2人を書類送検 がんセンターで麻酔ミス
11/01/12共同通信社

 神奈川県警は12日、県立がんセンター(横浜市旭区)で2008年に乳がんの手術中、麻酔器から人工呼吸用の管が外れたのに気付かず、女性患者に脳障害などを負わせたとして業務上過失傷害の疑いで、麻酔担当の男性医師(41)=神奈川県大和市=と執刀した男性医師(37)=静岡県熱海市=を書類送検した。

 送検容疑は08年4月16日、乳がんの女性患者(47)の乳房部分切除手術中、麻酔医が全身麻酔後に執刀医に引き継がずに退室。その後、麻酔器から空気を送る管が外れたのに執刀医は気付かず、18分間にわたり酸素供給が止まったことで患者に脳機能障害と手足のまひの障害を負わせた疑い。

 県警によると、2人はいずれも現在は別の病院に勤務している。

 麻酔器は管が外れるとアラームが鳴る機能があったが、麻酔医はアラームの設定をしていなかったという。県警は法人としての病院や幹部に管理上の刑事責任がなかったかどうかも慎重に調べる。

 同センターを所管する神奈川県立病院機構の大崎逸朗(おおさき・えつろう)理事長は「患者と家族に深くおわびする。事実を重く受け止め、引き続き捜査に協力する」とのコメントを出した。


手術中のミスで重度後遺症、医師2人を書類送検
11/01/12読売新聞

 神奈川県警は12日、乳がん手術中のミスで患者に重度の後遺症を負わせたとして、同県立がんセンターに勤務していた男性麻酔科医(41)(神奈川県大和市)と、手術を執刀した男性医師(37)(静岡県熱海市)を業務上過失傷害容疑で横浜地検に書類送検した。

 発表によると、2人は2008年4月16日、横浜市の無職女性(47)の乳がん手術中、全身麻酔をかけた状態で、酸素を送り込むための麻酔器具が外れたまま、18分間手術を続け、女性に脳障害や手足のまひなどの後遺症を負わせた疑い。2人は容疑を認めているという。

 女性は手術以降、意識不明の状態が続いている。

 麻酔科医は女性に全身麻酔を行った後、別の手術に立ち会うため、執刀医に引き継ぎをせずに手術室を出た。執刀医は、麻酔科医が不在と認識しながら手術を続けた。

 同センターを運営する同県立病院機構は「患者と家族に深くおわびしたい。事実を重く受け止め、引き続き捜査に協力していく」とコメントした。


 私が掛け持ち麻酔をするときに、執刀医に引き継ぐことはありません。基本的には短時間で行ったり来たりして、なるべく長時間目を離すことのないようにしていますが、目を離さざるを得ないときには、私は看護師にどのような状態になったら呼ぶべきかを指示しています。それはともかく、どうしてアラームが鳴らなかったのでしょう。

 通常であれば麻酔器の吸気圧モニターによってアラームが鳴り、患者監視装置の呼気炭酸ガスモニターと酸素飽和度モニターによってもアラームが鳴るはずです。麻酔科医がわざわざ設定しなければ鳴らないようでは役に立たず、わざわざ設定を解除しない限り異常値を感知したらアラームが鳴るようでなければなりません。

 マンパワーの不足により掛け持ち麻酔をせざるを得ない状況で、まともな機械もないのだとしたら、患者はもちろんのこと、麻酔科医も気の毒です。

 もう一つ残念だったのは、昔の外科医だったら術野の色で低酸素であることが分かっただろうと言うことです。麻酔科医のいない時代の外科医は、そういう嗅覚を持っていました。もちろん今の若い外科医にそれを望むのは酷なことでしょう。今回の事故で執刀医の責任を問うのは筋違いだと思います。

 こういう事故が起こると、また掛け持ち麻酔が問題になるのでしょう。問題になれば今後も同様に掛け持ち麻酔をすることは許されなくなるかもしれません。それはそれで私たちは楽なのですが、外科系は壊滅するかも知れません。

 ところで、これは麻酔ミスなんでしょうか。麻酔器の回路が外れたという事故なんじゃないでしょうか。事故が起きても被害を出さないことが重要なのはその通りですが。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2011.01.14 11:20:59
コメント(2) | コメントを書く



© Rakuten Group, Inc.
X